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鎮守の森と鎮守の神様 南方熊楠先生


清水友邦さまのお話を
シェアさせていただきました

清水さまのお話は
勉強になりますね〜

和歌山に行く日も
近くなりましたので
ホントに勉強になります
有り難いことです

(* ᴗ͈ˬᴗ͈)”


樹木は
神が宿る神聖な存在でした。

日本書紀に

「木を伐った所、
神が怒って
宮殿を壊し関わった人々が
次々と病気になって死んだ」

と言う記述があります。

神が宿る森を伐採すると祟る

と信じられていました。

人々は
神聖な森に祈りを捧げ
大切に保護してきました。

自然を人間のための道具とみなし
征服しようとするのが

近代合理主義の考えです。

自然に神はいないので
祟られる恐れはなく、
森林を伐採しても良い

と考えるようになりました。

樹木は
神聖さを失い
単なる商品価値におとしめられました。
森林は
欲望の対象になり
土地は売り渡されたのです。

かくして、
神のいない森は消え
文明は滅んでいきました。

命のネットワークからみれば
森林破壊は、
自分の身体を破壊することに
等しいのですが、

人工的な世界に囲まれて暮らす
私たちは、

身体感覚が鈍くなって
それがわからなくなっています。

生態系全体が
崩壊しつつあることの意味を、
私たちは未だ理解していないようです。

江戸幕府を倒した明治政府は、
天皇家の祖霊を祭神とする神社を
頂点にした
神道の中央集権を進めました。

1906年(明治39)
第一次西園寺(さいおんじ)内閣は
神社合祀を全国に励行し、
次の桂内閣もこれを引き継ぎました。

左脳優位の施政者により、
有用で価値があるものと
価値がないものに分けられ、

明治政府の国家神道に
そぐわない民俗信仰は、
否定されたのです。

一町村一神社として
一社につき
5千円の基金を用意できない場合には、
神社を廃止すべきという通達をだして、
廃止した神社の財産は、
神林を含めて処分し、
その利益を以て
神職の給与の原資とするとしました。

「神社を潰して
自分の俸給を上げんことのみ」

努める神職、

「鎮守の森」を木材業者に公売にかけ、
其の売上金をネコババする役人、
合祀された神社の財産の権利を
主張するならず者が
続出しました。

名もなき氏神を祀(まつ)る小さな神社や、
祠や道祖神などは、
真っ先に廃止の対象となりました。

最初の3年間だけで
4万社もの神社が、
全国各地で取り壊されました。

その結果、
あの熊野古道沿いにある
由緒ある神社群の9割が
廃社となり

田辺から本宮まで
二十数社あった王子社で残ったのは、
八上王子と滝尻王子のみになり、
熊野の森は
丸裸にされてしまいした。

熊野信仰は

仏教や修験道や
自然信仰の神仏混合だったので

壊滅的なまでのダメージをうけました。

世界遺産である熊野古道が
残るきっかけとなったのが
神社合祀反対運動に立ち上がった

南方熊楠です。

熊楠は
熊野が丸裸になった様子を嘆いて

「回々教の婦女の前陰を見る如く
全く無毛」

と言っています

熊楠は
1907(明治40)年に
糸田の猿神社を訪れ、
従来日本にないと思われた
粘菌三十種を発見しました。

その中で
タブノキの朽木に附いた粘菌は
新種という大発見でした。

しかし
猿神社は
合祀のため廃止となり
境内の樹木は
完全に伐採され
野原となってしまいました。

「私たちに多数の粘菌標本を
授けてくれたサルの神様が
キツネの神様の所へ移されました。
この景色は
やがて損なわれるでしょう。
二度とアルキリアを採集出来る
望みはありません」

リスター(粘菌学の権威)書簡

ひんぱんに
猿神社へ訪れては
粘菌を採集していた熊楠にとって、

神社合祀は
許しがたい悲劇的事件でした。

「こうした野蛮な行為は、
この国では
近年日常的におこなわれており、
やがて日本人の美的感覚だけでなく、
愛国的な感覚をも壊し、
あともどりできないところに
追い込むことになるでしょう。
わたしは
ラスキンやカーライルと共に、
近代の進化が本当の意味で
人間に恩恵をもたらすものかどうか
疑っています」

リスター(粘菌学の権威)書簡 

熊楠は
研究のための貴重な時間を中断し

「世界的学者として知られる
南方熊楠君は、
如何に公園売却事件をみたるか」

を牟婁新報に発表して
神社合祀反対運動ののろしをあげました。

翌年には
合祀を推進する官吏に
乱暴を働いたかどで
18日間も警察に拘留されています。

南方熊楠は
エコロジー思想と運動の先駆者でした。

「御承知ごとく、
殖産用に栽培せる森林と異り、
千百年来斧斤を入れざりし神林は、
諸草木相互の関係はなはだ
密接錯雑致し、
近ごろはエコロギーと申し、
この相互の関係を研究する
特種専門の学問さえ
出で来たりおることに御座候」

川村竹治書簡 熊楠

熊楠は
森林伐採によって、
生態系のバランスがくずれることを
見抜いていました。

熊楠のエコロジーは
植物生態系だけのことだけでは
ありませんでした。

動植物・菌類も含めた生物全体、

人間の生活や社会や文化も
荒廃していくと警告しました。

熊楠は
「神社合併反対意見」のなかで

神社は
社交の場、儀礼の場であり、

神社合祀が
人々の村民の信仰心と融和を妨げ、
慰安を奪い、人情を薄くし、
風俗を乱し、地方を衰退させ、
景勝史跡と古伝を
消滅させてしまうと
具体的に述べています。

1 神社合祀は
敬神の念を減殺する

2 神社合祀は
民の和融を妨ぐ

3 神社合祀は
地方を衰微せしむ

4 神社合祀は
国民の慰安を奪い、人情を薄うし、
風俗を害する

5 神社合祀は
愛国心を損ずる

6 神社合祀は
土地の治安と利益に大害あり

7 神社合祀は
史蹟と古伝を滅却す

8 神社合祀は
天然風景と天然記念物を亡滅す

多大な犠牲をはらった
熊楠の情熱のおかげで

神社合祀は
終息に向かって行きました。

1920年(大正9年)、
貴族院で「神社合祀無益」と
決議され
終息しました。

しかし、それまでに
7万社もの神社が
廃止になりました。

神社が姿を消し、
祭りが中止となり
憩いの場がなくなることは
若者が故郷から離れてしまうことを
意味していました。

それは現在も続いています。

終戦後
2万社以上の神社が姿を消しています。

高度成長時代に
若者は都会に出てしまいました。

過疎化に伴う人口減少がおきて、

村の神社は
祭祀が維持できなくなりました。

宮司が亡くなり

後継者もいなくなると

御祭神も分からなくなり、
神社の財産は
失われてしまいました。

神社の「鎮守の森」は
伐採されて売り払われ、

森に住んでいた鳥や動物達も
一緒に姿を消しました。

100年以上前に

熊楠は
生態系を破壊することの恐ろしさを
危惧していました。

しかし、現在も
自然の智慧を体験する聖なる場所は
破壊されています。

自然生態系が失われ、
それが原因で
資源の奪い合いや争いが生じています。

イニシエーションが途絶えた現代人は
魂を失ったように見えます。

故郷を見失えば

不安の中で
いたずらにさまようばかりです。




ありがとうございます

わたしにとりまして
森の神様は
亡き 横浜国立大学の宮脇昭先生です


東日本大震災の
大津波に遭った海岸部を周り

防潮林として使われた
クロマツの弱さを指摘して

まったく違った防潮林が
今後、大津波や氷河期への対策になると
いのちの森の防潮堤を
発案されました

その前に
仙台市で、いち早く
宮脇昭方式の鎮守の森の再生を行ったのは

青葉区北山の輪王寺です
サイトの写真をご覧ください

わたし自身も
震災の後
宮脇昭先生に感動しまして
先生のセミナーに通いました
いのちの森の防潮堤に賛同したのは
宮城県岩沼市、だけでした  

仙台空港に降り立った方は
空港のそばの千年希望の丘を
ご覧になられたことでしょう

わたしも毎年
植樹のお手伝いをさせていただきましたし

近隣の
大津波で流された神社の
鎮守の森の再生をお手伝いさせても
いただきました

宮脇昭先生の
都度のお話は
いかに鎮守の森が大事か
植樹が大事かを
勉強させていただきました

しかし
その千年希望の丘を造成するのも
国交省が大反対し

宮城県も、仙台市も
当時、大反対して

植樹祭にも一切
宮城県知事、仙台市長も
顔出ししませんでした

しかし
毎年、植樹して
その苗木が大きくなるにつれ

仙台市の
海岸部の荒れ放題の土地が
なんとも言えないほど
みすぼらしく思いました
再開発が始まったのはここ最近の話です

あの時
岩沼市と一緒に手を挙げていたなら
素晴らしいメモリアル公園になっていた
と思います


その公園の木々は人の高さを超え
キジとか、山の鳥が棲むようになったんです

宮脇昭先生は

これらの木々は何十年と育て
用材として活用できるし
また植樹して

大津波が来た時
大波の戻りで、人の命を助け
家財などを流出させず
すべてが
いのちの森が留めてくれると
考えられた森です

また、島国、日本を
氷河期から守ることもできるという

日本書紀に

スサノオが、息子と
韓国の新羅へ渡ったが
木々の種を持ち帰り
息子の五十猛神と2人の娘に託して
日本全国に木々の種を植えて
日本は、森の国になったのです

この日本は
森が大事なんだよと教えているのです

開発とか大事ですが

そもそもを考えないと滅びますよ

と、警鐘しているのです


田無神社さんが警告を出されました

だから言わんこっちゃない

龍神さまが

人に憑くとか

人に乗り移って、メッセージを出すとか

龍神さまは
そんなもんじゃないですよ

最近、それで
多額のお金を要求して
龍神さまのお力で
あなたを助けます的なことを
やっている人もいるそうです

引っかからないように
なさってくださいね



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