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頭金0円で見落とされがちなこと。意外な落とし穴を知っておこう

「住宅ローンを借りるのに頭金は必要なのか?」という疑問について、過去のnoteでは

「頭金0円でも住宅ローンの借り入れはできるよ!でも審査が厳しくなったり金利が高くなったりする可能性があるかも……。できれば物件価格の10〜20%は用意しておきたいね!」

というまとめを紹介しました。

実はその後、個別に頭金についてご相談を受けることが多く、このnoteとは異なる切り口でのお話を相談者にしました。そのことをこのnoteでも紹介したいなと思います。題して、「ローン借り入れ審査や金利とは別の“頭金0円の意外な落とし穴”です。

資金計画書から見る頭金=自己資金の話

まず、家づくりにおいて必ず作らなければいけない「資金計画書」について紹介したいと思います。家を建てるには膨大な費用がかかりますが、その費用のすべてをまとめたのが資金計画書です。

例えば、中古マンションのリノベーションを例にして、資金計画書を作成してみました(フォーマットはrooTreeで使用しているものを採用しました)。

資金計画書にまとめられているのは、建物や土地の費用だけではありません。設計・工事費や設備費・設置工事費、手数料などの諸経費など、あらゆる費用が盛り込まれています。これらの数字を合算して、住宅ローンの借入額や借入条件、月々の返済額、総返済額などを算出していくわけです。

この書類の中で、頭金(自己資金)は「総費用の確認」に「自己資金(頭金)」として記載されています。この方は350万円の頭金を用意しているということですね。

これが頭金0円の場合、次のようになります。

書類上の違いは、「自己資金(頭金)」が0円になっていること。自己資金がない分、借入総額が3,400万円から3,750万円に増えているということの2点です。借入額が増える分、月々の返済負担や総返済額も増えていますが、それ以外に大きな違いはありませんよね。

自己資金で家具家電をそろえることと、すべてをローンでまかなうことの大きな違い

頭金が350万円ある世帯をAさん、頭金0円の世帯をBさんと呼ぶとします。ここで注目してほしいのは、資金計画書の「©別途・付帯工事、付帯設備の費用」です。

この項目には、カーテンや冷暖房、家具・家電などが含まれます。この項目の合計金額は330万円。つまり、Aさんは自己資金でこの項目をすべてまかなえるわけです。Bさんはそれができないため、住宅ローンでそのすべてをカバーすることとなります。

自己資金で家具家電をそろえることと、住宅ローンですべての設備をそろえること。この2つの大きな違いは、各設備の料金・設置費用の「見積書」が必要かどうかです。

資金計画書は、住宅ローンの審査時に必要な書類です。そのため、各項目の費用の根拠となる資料、つまり見積書が必要となります。

Aさんの場合、自己資金で家具家電などを購入するわけですから、見積書の申請は必要ありません。しかしBさんは、それぞれの設備の費用はもちろん、設備を設置してくれる業者の費用も見積書として用意しなければならないのです。

最近では家具家電だけでなく、トイレや洗面台といった設備も自分たちでこだわりたいという人が増えています。施工会社やハウスメーカーの紹介してくれた商品ではなく、ネットで注文するという事例も珍しくなくなってきました。

当然、自分たちで各種設備を用意する以上、その見積書を用意して資金計画書に反映させるだけでなく、家づくりが始まるまでに商品が届くように手配しないといけません。

「実際に自分たちで見積書の手配をしたけれど、想像以上に面倒で大変だった…」という声を、これまでに多く聞いてきました。頭金0円を検討している人は、こうした事務的な手続きを自分たちができるのかどうか、今一度検討してみてください。

※追記※
一般的に、頭金は不動産取得の前金や工事の契約金などに使われます。今回のように、頭金のすべてを家電家具などの付帯設備に使用できるわけではありません。AさんとBさんの例は、わかりやすさを重視した事例だとお考えください。

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