【PHI】 2024年オフのフィリーズの噂をまとめる
2024年のフィリーズのオフはまだ不明瞭だ。
主力選手の多くと契約が残っており、あまり大きな動きは必要ないように見える。
ただ、シーズン後半の失速やポストシーズンでの早期敗退、そして、編成トップのデーブ・ドンブロウスキーの「このオフはオープンマインドなアプローチで望む」という発言を考えると大きな動きが起こる予感もしている。
今回は様々な噂を踏まえた上でこのオフのフィリーズの動きを考えてみよう。
ブルペン:ホフマンとエステベスの穴埋め
確実に補強が必要なのがジェフ・ホフマン、カルロス・エステベスがFAとなったブルペンだ。
ドンブロウスキーは「契約規模を考慮すると再契約するとしてもどちらか1名のみ」といったニュアンスの発言をしており、どちらか1名の移籍はほぼ確定とみていいだろう。
筆者としてはこの2年チームに大きく貢献したホフマンに残留してもらいたい気持ちが強いが、ホフマンを先発として狙っているチームがあるという噂も出ており、もしホフマンが先発再転向を考えているのであれば流出は不可避となる。
ホフマン、エステベスが他のチームと契約した場合、トレードかFAで大物ブルペンを獲得するだろうというのが大半の予測だ。
トレードでいえば、カーディナルスのライアン・ヘルスリーかブリュワーズのデビン・ウィリアムズがメインのターゲットとなる。ただし、この夏にエステベスを獲得した時に放出した対価を考えるとブルペンを獲得するために大きなトレードをするのは勘弁して欲しいというのがファンの総意だろう。
FAでは、ブルペン史上の目玉であるタナー・スコットに加え、クレイ・ホルムス、A.J.ミンター、カービー・イェーツらが噂として名前が出ている。筆者としては、支配的とはいえコマンドに難があり契約が大きくなりそうなスコットよりも、ミンター、イェーツ辺りをまとめて獲得して欲しいというのが今の考えだ。
また、この夏にタナー・バンクス獲得とグレゴリー・ソト放出を行った際にドンブロウスキーが「ブルペンに置く左投手は3枚以上いらない」という旨の発言をしており、もし左のブルペンを獲得した場合には契約が残り1年のホセ・アルバラードの放出も同時に発生するかもしれない。
先発:夏から続くクロシェ獲得の噂
ザック・ウィーラー、アーロン・ノラ、クリストファー・サンチェス、レンジャー・スアレスの強力な先発ローテ陣には、この2年故障に苦しんだトッププロスペクトアンドリュー・ペインターがついに加わる予定だが、ペインターにはイニング数の制約がつくことに加え、昨年大不振だったタイワン・ウォーカーやウォーカーの代役になる若手が出てこなかったことから、この夏にも噂が上がったホワイトソックスのエースギャレット・クロシェの獲得の話が再度浮上している。
クロシェの対価にはトッププロスペクトのエイダン・ミラー、エドゥアルド・タイトらの放出が必須と言われており、クロシェを獲得するのであれば連動してアレク・ボームの長期契約や契約が残り1年となったスアレスのトレードなども発生するだろう。
FAから獲得する場合は1年契約で済むベテランや故障明けの先発を狙うことになるだろう。MLB Trade Rumorsでは大ベテランのレジェンドジャスティン・バーランダーとマックス・シャーザーのフィリーズ行きを予想する記者が1名ずついた。
打線:大きなシャッフルは起こるのか?
打線も先発同様来年も今年と同じメンツをキープできる状況ではある。しかし、大きな動きが起こりそうな噂も出始めている。
まずはニック・カステラノス、アレク・ボーム、ブランドン・マーシュのトレードを検討しているという話だ。
ボームは単独でnoteを書いたのでそちらも読んでいただけると嬉しいが、どの選手もチーム戦略や契約の状況など現在の状況から判断して悪くない話があればトレードしていい選手たちと言えるだろう。ただ戦力として必要な選手たちでもあるため、彼らを放出する場合は連動して新たな選手補強を行うという大きなシャッフルが発生することは確実だ。
特に補強の話が出ているのはリーグ下位の打撃成績に終わった外野のアップグレードだ。
今年のFAの目玉であるファン・ソトの獲得競争に加わるかは現時点で不明だが噂では大穴候補として名前があがっている。また、アンソニー・サンタンデール、テオスカー・ヘルナンデスといった強打者を獲得する噂も出ているが守備面も含めるとタイラー・オニールがメインのターゲットになるのではないだろうか。
また、アレックス・ブレグマンにも興味を示しているという話があがっている。昨年のオフから三振数を減らす取り組みをしているフィリーズにとっては最もニーズにあった打者だが、今年成績を落としている点や契約の大きさを考えるとかなりリスクがある選択となりそうだ。
現状の戦力を維持するのか、変革を選ぶのか
冒頭でも書いたようにフィリーズはこのオフにほぼ戦力の流出がない状況である。現状のロースターでも来年十分に優勝を狙えるだろう。しかし、この2年の結果を見ると変革の時期にきているのも確かだろう。
"Daycare Boys"の愛称でおなじみのボーム、マーシュ、ブライソン・ストットも全員年俸調停を得る状況となったが期待通りの活躍を見せているとは言えない状況だ。彼らを今後もキープしていくのか、外部から補強をしつつエイダン・ミラーやジャスティン・クロフォードらのトッププロスペクトを起用していく方向にシフトしていくのか。
どのような形でも動きことができるこのオフのフィリーズにぜひ注目していただきたい。