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【PHI】Michael Lorenzen ノーヒッター達成

現地時間8/9のナショナルズ戦でフィリーズ移籍後2戦目の先発でホームデビュー戦となったMichael Lorenzenがノーヒッターを達成しました。

今回はこの大記録達成についていくつかのポイントとトピックスで振り返っていきます。

ポイント1.投球数

この試合でLorenzenが投じた124球は今シーズンのメジャーリーグの1試合での個人の投球数としては最多。※1
3回の時点で53球、7回の時点でちょうど100球に到達。
通常であればこの段階で降板だったのでしょうが、
Rob Thomson監督はLorenzenに対して
あと20球チャンスをやろう。パッパとアウトを取れよ。」※2
と続投を支持、この決断が今回の大記録につながることになりました。
フィリーズはLorenzenを獲得後、先発を通常の5人でのローテーションから6人のローテーションに変更しており、Lorenzenの次の登板予定が中8日後の18日となるという点も続投の決断に大きく影響したのは明らかでしょう。

ポイント2.外野フライ

今回のノーヒッター、27アウトの内なんと半数を超える15アウトが外野フライ(・ライナー)
特に最後のアウトも捕球したルーキーのセンターJohan Rojasは1人で9アウトを記録。

MLB.comのフィリーズ番記者Todd Zolecki氏によるとRojasが記録したこの9アウトはノーヒッターの試合で1人の外野手が稼いだアウト数としては最多の記録だそうです。

Rojasの外野守備はマイナー時代からその広い守備範囲を高く評価されており、実際にデビューからまだ144イニングしか出場していないにもかかわらずすでにDRSは+5を記録しています。
この大記録の影の立役者は間違いなくRojasだと言ってよいでしょう。

ちなみにRojasは最後のアウトとなるフライが飛んできた時に「必ずオレが捕球して試合を決める」と思ったそうです。ルーキーのやる気が感じられて可愛いですね。

Lorenzen関連のトピックス

Vansが殿堂入り

アナハイム出身でカリフォルニアのスケーター文化に影響を受けて育ったLorenzenはスケーター文化と深い繋がりがあるVansのスニーカーをカスタムした特製のスパイクを使用していることでも知られています。
今回のノーヒッター達成の記念として試合で着用したこのVansの特製スパイクがアメリカの野球殿堂に寄贈されることになりました

奇跡の高校

Lorenzenの出身高校であるフラートン・ユニオン高校は今までに4人のメジャーリーガーを輩出しており、その中には1900年代初頭に活躍した伝説の投手Walter Johnsonも含まれています。
そして、今回のノーヒッターでなんとこの高校出身の4人の選手すべてがノーヒッターを記録という前代未聞の記録が誕生しています。

その他のトピックス

この試合ではノーヒッター以外にも複数の記録が達成されたのでそちらについてもご紹介します。

Nick Castellanos 通算200HR達成

この試合で2HRを放ったNick Castellanosが通算200HRを達成。

本拠地シチズンズバンクパークではすっかりお馴染みとなった息子Liamくんも大喜びしていました。

28歳のオールドルーキーが初打席で記録達成

この試合でデビューした28歳のオールドルーキーWeston Wilsonが初打席でHRを記録。
フィリーズでは98年のMarlon Anderson以来25年ぶりとなる記録となりました。

待ち侘びた息子の大舞台での活躍に父親は男泣き。
それにしても、まさか息子のデビュー戦でノーヒッターまで見れるとは思ってなかったでしょうね。

次は16日のブルージェイズ戦

フィリーズ移籍後、8回2失点→ノーヒッターと素晴らしい投球を続けているLorenzen。
次の登板予定は16日のブルージェイズ戦となります。
引き続き快投を続けるのか、それとも球数を投げすぎたツケがくるのか、どちらにしても注目の試合になることは間違いないでしょう。

※1 2位はエンゼルスのGriffin Canningが7/17のヤンキース戦で投げた120球、Lorenzenは2015年のデビュー戦で投げた107球を大幅に超えるキャリアハイの投球数となった

※2 原文は“OK, I’m giving you 20 pitches, and that’s it, You better get quick outs.”

出典

note中のX(twitter)はフィリーズ公式、アメリカ野球殿堂公式、MLB.com フィリーズ番記者 Todd Zolecki氏を引用。

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