【MLB】 ノラがオールドスタンダードで、スネルがネクストスタンダード? 【PHI】

このオフのFAについての評価でこのような意見を聞いたことはないだろうか。

「アーロン・ノラは毎年イニングを稼げる今では貴重なイニングイーター。反対にブレイク・スネルは爆発力は凄いが長いイニングを投げられない特殊な先発投手。」

確かに2人の成績を見れば、この意見はその通りに感じる。
筆者も今までこのような意見を何度か聞いたが、まったく気にもせずスルーしていた。
しかし、最近ある事に引っかかったのだ。

「ブレイク・スネルは特殊な先発投手なのか?」

ブレイク・スネルには四球も多く長いイニングを投げられない先発投手という評価が定着している。
その点については成績を見ても明らかである。
しかし、長いイニングを投げられない先発投手はスネルだけではない。
むしろ、スネルの投球スタイルこそこれからの先発投手のスタンダードなのではないか。
そんな思いつきからこのコラム的なnoteを書いてみることにした。

「3巡目になると先発は打たれる」という事実がもたらしたもの

MLBの歴史上、先発投手の投球イニング数はずっと減少傾向にある。
それでも、10年ほど前までは先発投手の役割として「イニングを稼ぐ」という項目があったのは間違いない。
先発試合で6回以上を投げ3失点以下に抑えるQS(クオリティスタート)という数字が一般的に使われていたことからも「先発がイニングを稼ぐ」ことが重要だったことがうかがえる。
しかし、この言葉も聞かなくなってひさしい。
なぜ先発投手が長いイニングを投げることが重要じゃなくなったのか?

その要因の一つとして思い浮かぶのが、今では常識となっている「打線が3巡目になると先発投手は打たれやすくなる」というデータだ。

上のデータを筆頭にさまざまなデータによって、
現在では

打線3巡目で先発投手が打たれるリスク > 先発投手が長いイニングを投げるメリット

という考えも一般化したのではないだろうか。
つまり、アーロン・ノラのようなイニングイータータイプの先発投手は現代のMLBで貴重な存在でありその分価値も高くなるが、その一方でイニングを多く投げるということ自体の重要度は薄くなってきているのである。
近年のサイ・ヤング賞の投票でもこの傾向を感じる結果が散見されるようになっている。

短いイニングでも強烈な投球を見せるスネルやフレディ・ペラルタが次のスタンダードか?

話は冒頭に戻る。
イニングを投げることが重要ではなくなった時代に先発投手に求められるもの、それは今年のスネルのような「打線を圧倒的に抑えられる強烈な投球(特に打線2巡目まで)」になるのではないか。
今年のスネルはMLBワーストの99四球ととにかく打者を歩かせた、それでもサイ・ヤング賞を受賞できたのは優れた奪三振能力と圧倒的な投球でまったくヒットを打たれなかったからだ。(ヒット打たれなかったのは運の要素も強いのはもちろんの話だが)
長いイニングを投げることよりもより失点を抑えることが重要な時代になったのだから当然の話である。、

そして、スネルよりもこの傾向にマッチした投手がいる。
ブリュワーズのフレディ・ペラルタだ。
ペラルタは2023年30先発で165.2イニングとまったくイニングを稼げない投手だが、とにかく三振が取れてヒットを打たれないのだ。
ペラルタに関しては2021年に先発として開花してから常にヒット数が少なく、指標面でも良い数値を残している。

極端な例

さて、今回はほぼ何も調べずに思いついたことをバッと書いてみた。
あくまでスネルやペラルタは極端な例だと思う。
そこは補足しておきたい。
しかし、最近感じていた違和感を整理して吐き出したのでスッキリした。

それでは、次回はしっかり調べたものをお届けします。

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