【PHI】 地獄の5月を振り返る回 【2022年】
お世話になっております、フィリーズ担当のペンでございます。
Joe Girardi前監督解任がカンフル剤となったのかフィリーズは6月今のところ全勝中でございます。
この勢いで5月の借金を早く完済して欲しいですね。
というわけで、今回は10勝18敗とボロボロだった5月のフィリーズについて振り返りたいと思います。
とりあえず、5月のフィリーズはこんな感じでしたね。
そして、フィリーズファンとしては毎試合こんな感情になってましたね。
仮面ライダー好きしか分からないネタはこれくらいにします。
あと、勝手に画像使ってすみません。
というわけで、冗談みたいなエキサイティングな試合ばかりだった5月を振り返っていきます。
それでは、noteスタートです。
■ 5月月間成績
・打線総括
Bryce Harperが打率 .347 7HR OPS 1.078と1人気を吐く働きを見せていましたが、その他の打者は総じて不調な月となりました。
特にHarperが肘の治療のためPHP注射を打ってお休みとなった5/15-20の5試合で8得点のみとまったく点を取れない状況になり、いかに5月はHarperなしでは得点が取れなかったのかが分かる形となりました。
成績で気になる点を挙げるとすれば、Kyle SchwarberとNick Castellanosという三振が多めの強打者をオフに獲得したこともあり、打線全体が不調の状態に陥るとリーグ上位の三振数を記録するレベルで荒くなることが分かったことでしょうか。この三振数の多さは今後の改善ポイントになるかもしれません。
また、Harperも打撃好調ながら昨年16.7%あった四球率がシーズンで8.5%にまで落ちるなど、ここ数年のセールスポイントだったチーム四球率の高さが大きく落ちているという点も今後の課題になるかもしれません。
・投手陣総括
5月のPitcher of the Monthを獲得したZack Wheelerを中心に先発陣はfWARで3位に付けるなどリーグでもトップクラスの活躍を成績を見せています(全体的に表面上の成績と指標の数字の乖離が大きいのでそこまで凄くないように見えますが)。
先発陣で唯一の不安は昨年記録的な活躍を見せたRanger Suarezで、どの球種でも空振りが取れない状況になっており全体的に四球と球数が増えて苦しい投球が続いています。
ブルペンは奪三振率でブレーブスに続くMLB 2位の記録をしているのは高ポイントですが、一方で与四球率が圧倒的なMLBワースト1位の数字を記録しており奪三振率の高さというせっかくの高ポイントを完璧に打ち消す状況になっています。特に5月はブルペンが簡単に四球を出してそれが相手の得点に繋がるパターンが多くありました。そんなブルペンの中でも特にコントロールが酷く一向に改善の傾向が見られなかったJose Alvaradoに関しては5月終わりにAAAにオプションされています。
FIPはMLBでも上位につけており、ブルペンのコントロールが全体的に改善されていけばリーグでも最上位の投手陣に化ける可能性もあります。
ただし、守備がアレなので表面的な成績はあまり期待できないかもしれません。
■ GAME TOPIC
ここでは、5月の試合の中でも印象的だった試合をピックアップして振り返っていきたいと思います。
どこかのtwitterのタイムラインでは面白い負け方を「おも敗」というのが流行っているようですが、ここまで面白い負けをしまくっているともはや感動を覚えるというかエモーショナルな感じというかそういう域まで来ちゃってますよね。個人的には「エモ敗」と言いたいくらいですね。(絶対流行らないな)
ということで、開き直って5月のフィリーズの面白い負けを振り返っていきましょう。
・5/5 vs New York Mets 7-8
9回に入るまで 7-1 とほぼ100%勝ちが見えていたこの試合、まさかそこから地獄の釜の蓋が開くとは…
9回表、クロージングでマウンドに上がったのはニューヨーク出身のJames Norwood。開幕前には父親が突然他界するという悲しい出来事もあったNorwoodですが、そんなNorwoodがメッツファンでもあった天国の父親を喜ばせる?投球をしてしまいます。5人の打者と対戦して1つのアウトしか奪えずFrancisco Lindorの2ランHRを含む4安打を打たれノックアウト。
火消し役として続いて登板したクローザーのCorey Knebelも逆にメッツ打線にガソリンを投入し続け、結果なんとこの回7失点でまさかの大逆転を許しそのまま敗戦となりました。
ゴールデンウィークの時期でしたけど、私のゴールデンウィークを一瞬でグレーにしてくれましたよね。
・5/15 vs Los Angeles Dodgers 4-5x
敵地ドジャースタジアムで迎えた近年のメジャーリーグの最強チームの1つドジャースとの4連戦。なんと最初の3試合を連勝しこの試合も9回裏2アウトまでは4-3とリード、まさかの敵地で4ゲームスイープかというところでまたもクローザーのKnebelがやってくれました。
まずはCody Bellingerに高めの4シームをとらえられ三塁打にされると、続くChris Taylorには四球を献上。そして、Gavin Luxに決め球のカーブを完璧に打たれまさかの9回2アウトランナーなしからの逆転サヨナラ負けを許すこととなったのです。
Luxのサヨナラ打についてはこのカーブを打ったLuxのバッティングを褒めるべきだと思うのですが、問題はBellingerに甘い4シームを投げて三塁打を許したことと続くTaylorに四球を与えたことですね。
Knebel本人も試合後の敗戦コメントとして同様の内容をコメントしていました。
・5/24 vs Atlanta Braves 5-6x
ついに問題の試合がやってきました。
この試合、9回の段階で3-4でブレーブスがリードという状況でした。
その状況からスーパースターがやってくれたのですよ。
Harper神がブレーブスのクローザーKenley Jansenから起死回生の逆転2ランHRを放ったのです。
もうこんなのは確実にフィリーズがいただいた試合でしたよ…
でも、そうはならないのが5月のフィリーズなわけです。
まず、フィリーズファンが騒ついたのは9回のマウンドに登ったのが8回から登板していたイニング跨ぎのNick Nelsonだったことです。
確かにこの試合の前にクローザーのKnebelを2試合連続で起用していたのでKnebelを使わないという判断は分かりました。
ただ、まだブルペンにはJeurys FamiliaもSeranthony Dominguezも残っていました。
1点差のギリギリのセーブシチュエーションでロングリリーフ要員のNelsonをイニング跨ぎでそのままマウンドに行かせるという選択肢は絶対になかったと思います。
そして、悲劇が起こります。
まず、Ronaldo Acuna Jr.の平凡な右中間のフライをRoman QuinnとCastellanosがお見合いしてしまい、同点のタイムリーエラーとなります。
そして、続くWilliam Contrerasに綺麗にセンター前にヒットを打たれ逆転サヨナラ負けとなります。
せっかくのHarperの起死回生の逆転HRはまったくのムダになってしまいました。
試合後に問題になったのはもちろん9回の投手起用です。
Girardi前監督は試合後のインタビューで「2連投になっていたKnebelはもちろんFamiliaとDominguezも前日に投球練習などをさせていた関係で登板させる予定の試合ではなかった」と答え、それを受けフィラデルフィアの地元メディアはGirardiのブルペン運用能力を改めて問題にし始めました。
筆者の意見としては、Dominguezは登板間隔としては2日空いており、また9回のブレーブスの打順がDominguezの得意としている右打者が連続する並びだったので多少の無理は合ってもDominguezを起用すべきだったと考えています。
ちなみにこのすぐ後にJeurys Familiaが3連投をし、フィラデルフィアの地元メディアは再び「Familiaを3連投させられるなら、なぜブレーブス戦でKnebelを起用しなかった」とGirardiを再度批判することになります。
他にも面白い負けはいくつもありましたが、今回はこれくらいで。
■ Monthly Most Impressive Player
5月に印象的な活躍をした選手を投打2名挙げていきます。
・Bryce Harper
右肘を故障しDH固定の状態となっていますが、本当に故障を抱えているのか思うレベルのパワフルなスイングで好調をキープしています。
前述のブレーブス戦での値千金の9回の逆転ホームランに加え、ドジャース戦では3戦連続でホームランを放ちアウェイでのドジャース戦での3連勝に貢献するなど改めてスーパースターとしてして選ばれし人間なのだという事を証明するような活躍を見せています。
6月に入っても6/3のエンゼルス戦で2HR、そして6/5の同じくエンゼルス戦では8回3点差の状況でエンゼルスのクローザーRaisel Iglesiasから値千金の同点満塁ホームランを放つなど、その勢いはますます増してきています。
・Zack Wheeler
今シーズンは肩の不調で出遅れた上に、4月は球速の低下に加え4試合の登板で1勝3敗 防御率5.79と不調な成績に終わり、今年の活躍を不安視されていました。
しかし、5月に入ると球速が回復。それに伴い投球内容も去年と変わらないレベルに復調。5試合の先発で32.2回を投げ防御率 1.65、40奪三振の好成績で5月のPitcher Of The Monthを獲得しました。
すでにfWARはナショナル・リーグの投手でトップに立っており、今年こそサイ・ヤング賞に手が届くかもしれません。
■ ロースター関連まとめ
以下では、ロースターの関連の主な動きをまとめていきます。
・5/8 球速の低下でAAAにオプションされ再調整していたConnor Brogdonが再昇格。再昇格後は球速も回復しており、5月は8試合の登板 7.1回を投げ防御率 1.23 12奪三振と完全に復調し好調な投球を披露しています。
・5/8 プロスペクトのFrancisco MoralesがAAからの飛び級でメジャー初昇格。5/13のドジャース戦ではキャリア初セーブを記録。5/16にAAAにオプション。
・5/11 開幕からプラトーンでセンターで起用されていたMatt Vierlingが不調を理由にAAAにオプション。
・5/27 コントロール難のJose AlvaradoをAAAにオプション。
・5/30 開幕直前に死球による故障で離脱していたMickey Moniakが復帰。
・5/31 Jean Seguraがバントの際に投球を右手に受け指を骨折。10-12週間離脱の予定(6/1にIL入り)
■ プロスペクト情報
以下では、5月に目覚ましい活躍を見せたプロスペクトについてまとめていきます。
今月は直前でプロスペクト特集のnoteを掲載しましたので1名だけ取り上げます。
・Logan O'Hoppe
すでにnoteで何回も取り上げている私の一推しプロスペクトLogan O'Hoppeが5月に目覚ましい活躍を見せてくれました。
5月は23試合に出場し、打率 .309 6HR OPS 1.004の大活躍。
6月に入っても4試合ですでに3HRを放っており、6/5時点でシーズンの成績も打率 .301 11HR OPS .997まで上げてきています。
プロスペクトランキング全体100位入りはもちろんフィリーズとしてもアンタッチャブルな存在のプロスペクトに化けそうな予感がしてきました。
■ 地獄の5月から極楽の6月へと
今回は地獄の日々となった5月のフィリーズについてまとめていきました。
地獄の日々の結末はGirardi前監督のクビで終わりとなるのでしょうか。
今のところは6月は4戦全勝、Rob Thomson暫定監督になってからも3戦全勝の状況です。
5月は上位チームとの対戦が続く厳しい日程でしたが、6月は比較的日程にも恵まれていますので一気に盛り返すことを期待しましょう。
Girardi前監督は解任時のインタビューで「最後の10試合は本来7勝3敗になるべき内容だったが、3勝7敗になってしまった」とコメントしています。まぁ、ファンの身からすると「そういう結果になった多くの部分にGirardi、あなたが解任された理由が詰まっていると思いますよ」と言いたくなるところはありますが…
そうフィリーズはしっかりした試合をすれば上位チーム相手にもそれだけ勝てる戦力を誇るチームなのです。
6月こそそのポテンシャルを発揮することを期待しましょう。