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【PHI】Brandon Marshの何が変わった?

どうもペンでございます。
開幕からBrandon Marshが好調です。

MLB アプリより引用

エンゼルスから移籍後、打撃成績が向上し続けているMarshの何が変わったのか?
今回のnoteでは指標面からMarshの変化について迫ってみます。
まだ開幕したばかりでこれから指標の数字も変わっていくとは思いますがその点は考慮してお読みください。

Brandon Marsh 改良過程

まずはMarshがフィリーズ移籍後どのように打撃を改良してきたかまとめます。

Marshはフィリーズ加入後Kevin Long打撃コーチの指導で打撃フォームの修正しています。
下のtwitterでの比較映像を見て分かるようにフィリーズに移籍後重心が低い打撃フォームになっていることが分かります。

またエンゼルス時代よりスイングがコンパクトになっています。
LongはMarshがファストボールを打てていないというデータを基に振り遅れることがないよう、まずは打撃フォームをコンパクトにするという修正をしたのです。
その結果、Marshは移籍前打率.226、OPS.637だった成績を移籍後打率.288、OPS.744まで数字を改善させています。

そして、このオフは苦手としている左腕克服のため左投げのLongにさまざまな投げ方や角度でボールを投げてもらい「左腕の投げるボールにとにかく慣れる」というトレーニングを行っています。

あと、ここでLongの打撃指導のポイントも紹介します。
Longに関する記事をいろいろと読んできましたが、Longの指導法はだいたいこのようなものです。

Kevin Longの打撃指導法

1. コンパクトなスイングにして速い球に振り遅れるな
2. 打球角度よりもハードヒット
3. ボールを打つな、ストライクゾーンの際も捨てていい

当たり前のことのようにも思えますが実践するとなるとハードルは高そうです。

今年のBrandon Marshをデータ面から見る

さて、ここからはMarshの今年の変化をデータ面から見ていきます。
データはすべて現地4/10時点のBaseball Savantの数字を参考にしています。

ボール球に手を出さなくなった

Marshの課題の1つに三振の多さがありました。
昨年は461打席で158三振、三振率34.3%はMLBでもワーストレベルという目も当てられない成績を残しました。
その三振が多い原因の1つがボール球に手を出す悪癖でした。
Chase%(ボール球をスイングした割合)は昨年31.8%を記録していましたが今年は現時点で21.1%と良化。
また、Chase Contact%(ボール球をスイングした際にバットに当てた割合)も昨年の55.6%から今年は現時点で62.5%と良化。
つまり、ボール球に手を出す割合が減り、またボール球を空振りをしなくなったというわけです。

空振りをしなくなった

また三振が多い原因としてもう1つ空振りの多さもありました。
昨年のWhiff%(スイング時の空振りの割合)29.1%から今年は現時点で15.7%とこちらの値も大きく改善しています。
先ほどふれたChase Contact%だけでなくZone Contact%(ストライクゾーンのボールをスイングした際にバットに当てた割合)も昨年77.8%から今年は現時点で94.3%と良化。

ボール球に手を出さず、空振りをしなくなったわけですから三振数が減ってその分インプレーが増えているわけですね。

実際に三振率も昨年の34.3%から今年は現時点で21.4%(6三振/28打席)と改善しています。
また、Marshは今年の開幕2戦目で2度2-3のカウントから見送ったボール球をストライクと判定されて三振となっています。その分を考慮すると実際はもっと優秀な三振率を残している計算となります。

初球を振らなくなった

今年のMarshの特徴として「初球を振らなくなった」という点も見逃せません。
これは先ほどLongの指導法で触れた「ボールを打つな、ストライクゾーンの際も捨てていい」というポイントが効いているのでしょう。
昨年は初球を27.4%の割合でスイングしていましたが、今年はなんと3.6%になっています。
今年はよほどの甘い球でない限り初球は打ちにいかないよう意識しているのかもしれません。

打席数は少ないが左腕から長打連発

上でこのオフはLongと左腕対策をしていたという話を紹介しましたが、左腕との対戦が少ないとはいえこちらも現時点で9打数4安打、3二塁打、1HRと結果を残しています。
LongはMarshの起用法について「左打者があまり苦手としていない左腕を相手にまずはMarshを使う」といった発言もしています。
この発言を見るにフィリーズの起用法も功を奏しているかもしれません。
このまま左腕に慣れて好成績を維持してくれたら最高ですね。

まだ開幕したばかり、どこまで自制心保てるか?

今回はMarshの好調の要因についてまとめてみました。
なんでも振って三振を増産していた選手が自制心を身につけて好結果を残し始めています。
ただ、このゾーン管理というのは難しいもので開幕当初は三振が少なくなって改善したかと思ってもすぐに昔の状態に戻ったりするものです。そんな感じの選手を今まで数多く見てきました。
Marshが1年間自制心を保ちスーパースターになれるか。
皆さんも見守っていきましょう。

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