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【PHI】 エースAaron Nolaと再契約

昨年2022年の大晦日に結婚式を挙げたAaron Nola
今年2023年のオフにもう一つの永遠の伴侶を得たようだ。

ほぼ要望通りの大型契約

フィリーズはFAとなっていたエースのAaron Nolaと7年1億7,200万ドルの新しい契約に合意。
昨年のオフの段階でNolaが要求していた8年2億ドルに近いほぼ要望通りの契約となった。

先発投手に7年の長期契約自体はリスクではあるが、年平均2,460万ドルのサラリー自体は割安と言えるだろう。
フィリーズは多くのスター選手と年平均のサラリーを抑えた長期契約を結ぶことに成功しており、今回のNolaの契約も同様の形となった。

NYポストのJon HeymanによるとNolaに対しフィリーズ以上のオファーを出すチームもあったようだが、Nolaは本人のほぼ要求通りのオファーまで条件を上げたフィリーズに残留することを選んだ。
Zack WheelerTrea Turnerも1番高額なオファーを出したチームではなくフィリーズとの契約を選択しておりフィリーズのフロントのしたたかさを伺える。

新しい契約がもたらすもの

次に今回の契約がフィリーズにもたらすメリットを語っていこう。

まずは来年2024年もNolaとWheelerのWエース体制が継続することであろう。
それぞれ2022年と2023年にfWARで投手トップの数字を記録したNolaとWheelerの先発コンビは耐久性も加味した上でMLB No.1のコンビと言っていいであろう。
ワールドチャンピオンを目指すうえでこのWエース体制が継続できることが大きなプラスになることは間違いない。

もう一つは多くのイニングを投げてくれるという点だ。
先発投手の投球イニング数の減少傾向が顕著な近年のMLBにおいて、毎年30試合以上に先発し200イニング前後を投げるNolaは大変貴重な存在である。
多くのイニングを投げる先発投手はブルペンの負担軽減を考えても重要な存在。
ブルペンの登板間隔を厳しく管理している現在のフィリーズにとって多くのイニングを投げてくれるNolaの残留が大きなプラスとなることもまた間違いない。

フィリーズはなぜNolaの要望に応えたのか

昨年のオフの段階でNolaの8年の契約年数の要求に対して4-5年の契約年数をオファーしていたフィリーズ。
なぜフィリーズはNolaの要望にほぼ見合う7年の契約をオファーしたのか。
報道に出ている通り同地区のライバルチームであるブレーブスが積極的にNolaを狙っていたというのも一因であろう、ただそれよりも大きな要因として考えられるのが世代交代の遅れである。
フィリーズはAndrew Painterという将来のエース候補に加え、Mick AbelGriff McGarryといった数名の先発のプロスペクトを抱えている。
しかし、Painterはトミー・ジョン手術のため来年までの欠場が決定。またAbelは伸び悩み気味、McGarryはコントロール難の再発と全員にトラブルが発生。
順調に成長すればすでにMLBで投げていてもおかしくなかった3人がいつ戦力になるか分からない状況となってしまった。
つまり、昨年のオフ段階ではNolaがFAで抜けたとしてもプロスペクトたちがその穴を埋めてくれる可能性があったわけだが、現状ではNolaが抜けると大きな戦力のマイナスが発生する状況となっていたわけだ。
この状況の変化がNolaの要望に応える形の再契約に繋がったのは想像に難くない。

フィリーズの次の動きは?

今年のオフの最大の懸念点だったNolaの残留問題を早々に解決したフィリーズ。
次はどのような動きに出るのだろうか。
現在噂として出ているのは来年のオフにFAとなるもう1人のエースWheelerとの契約延長交渉とポスティングでの移籍を目指しているオリックス山本由伸の獲得競争への参加である。
フィリーズの投手プロスペクトたちの将来に不安が出てきた現状を考えると、Nolaの残留成功だけでなく25歳と若い山本を獲得したいというのは本音であろう。
昨年のオフもGregory Sotoの獲得など驚く動きを見せただけに今後の動きにも注目してもらいたい。

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