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基準をもとう/077

「子供の頃に食べたおにぎりの塩梅が、今のおにぎりの基準になる」

美容院で『dancyu』を読んでいたら、こんな文章が書いてあった。著名人のコラムだったと思う。

たしかに、自分の中の基準は外部に影響される。親に作ってもらったおにぎりの塩加減が「味の基準」になるため、それ以上濃かったり薄かったりすると違和感を覚えるだろう。

しかしその違和感がダメとは限らない。「あれ? ちょっと濃いけど、こっちの方が美味しい」となるときもある。他の基準に触れたとき、自分の基準が変化していくのだ。

仕事に置き換えてみよう。

たとえば、「稼ぐためには徹夜も辞さない」「顧客は神である」「納期に遅れることは死と同じ」という脳筋系のライターコミュニティに入ったとする。そうすると恐らく自分の基準はぶち上がる。
今まで18時までしか働かなかったところを22時まで働き、土日も即レス。当然納期は何があっても守る。だって皆んながそうしてるから。
ここまでやれば一時的に成果が出るかもしれないが、たぶん1ヶ月で限界を迎えて、ライターをやめるか休業するろう。

一方、「自分らしくがんばればいい」「疲れたらいつでも休んでいいんだよ」という、ゆるっとしたライターコミュニティに入ったとする。
労働時間は10時から17時。お昼休憩はたっぷり2時間。少しでも体調が優れなければ休む。クライアントに言って納期を遅らせてもらう。だって皆んながそうしてるから。
これなら心身ともに健康でいられると思うが、稼ぐのは難しい。惰性でライターを続けるか、あるいは稼げずに半年ほどでドロップアウトするだろう。

要するに、基準値は環境に左右されるため、その環境が一つだとリスクが大きいということ。色々な人と会い、話を聞き、それを自分に落とし込むことで、自分の中の基準を変化していく。そして最適な基準を見つける。

そういえば僕はVoicyという音声配信もやっているので、ぜひ聞いてみてほしい。これもひとつの基準になる(はず)。

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