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生まれて初めて推しができた/059

僕には「推し」がなかった。

音楽でいえば、パンクロックやヒップホップ……具体的にはブルーハーツやOZROSAURUSが好きだが、彼らの曲を全部知っているか? 全アルバム持っているか? ライブに行ったことはあるか? と聞かれれば全てNOだ。推しと言えるほどではない。

音楽以外も同じ。漫画もお笑いも小説も、好きと言えば好きなのだが、推しと言えるほどハマったことはない。だから何かを心から推している人に憧れ、羨ましく思う。
昨日も舞台好きの知人に「なんでそんなに舞台が好きなの?」「ハマったキッカケは何?」と根ほり葉ほり聞いていた。

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そんな僕に「推し」ができた。「ヘラルボニー」というスタートアップ企業だ。
ヘラルボニーは知的障害のある作家さんとライセンス契約を結び、アートやアパレルをはじめとしたプロダクトを提供している。たとえばマグカップや名刺入れ、絵、など。
なぜ僕がこの会社を推すのか。色んな理由があるが、まずはプロダクトの素晴らしさが挙げられる。

僕はこんな感じでヘラルボニーの商品をたくさんもっている。

ね、素敵でしょ。何かを紹介するときに「素敵」という単語を使ったのは、ヘラルボニーの商品が初めてだ。もう「素敵」という言葉が似合いすぎる。すてきすてき。

ちなみにオンラインショップもあるので、ぜひチェックしてほしい。

そして商品だけでなく、ヘラルボニーの社員さんも素敵なのだ。僕は昨年、ヘラルボニーさんが主催する展示会へ行き、絵を買った。そのときスタッフさんが「この作家さんはこんな人で~」と語る姿が印象的だった。
また、会計を対応してくれたスタッフさんも同じような感じで「この作家さんは~」と推しを紹介するように、僕に作家さんの魅力を語ってくれた。その姿を見て「ヘラルボニーの社員さんはプロダクトや会社に対して愛が強いなぁ」と思った。

そしたら後日、同じ展示会に行ったさとゆみさんが似たようなことをおっしゃっていた。この出来事がきっかけで取材させてもらった記事がこちら。

もうタイトルの通り。アートも勿論すごいのだが、何よりも人がすごい。ちょっと長いが、ぜひ読んでほしい。ヘラルボニーは会社の取り組みに注目されがちだが、その背景にある「人」の強さがわかるはずだ。

そして最後に、代表の考え方も好きなのだ。

僕らがやろうとしているのは、まったく新しいビジネスモデルを生み出すこと。障害のある人が、就労支援施設での活動で得られる賃金だけでなく、資本主義社会の枠組みの中で収益を得られる仕組みをつくることだった。

異彩を、放て。―「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える―

この資本主義の世の中で、障害のある人がどうやったら収益化できるのか。代表の松田兄弟はそれを現実的に考えている。超現実主義者の僕はここに強く共感したのだ。

何かを「推す」ときには、単に作品だけではなくコンテクストが重要なのだと思った。表面だけでなく、骨や内臓までまるごと好きになる。そこまで好意をもって初めて「推し」になるのかなと。

リンクばかりで申し訳ないのだが、ぜひこのnoteもチェックしてほしい。バリューについて語っている記事。ヘラルボニーさんの強さが分かるだろう。

生まれて初めてできた「推し」。これからも何かしらの形で応援させてもらいたい。

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