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かの幾歳

昨秋の越後行き、そのお供に藤沢周平さん『密謀』を伴ったのですが
その更に時代を下った『漆の実のみのる国』をようやく読み終えました。

尚武の風を専らとする越後上杉家は、天下分け目の関ヶ原において西軍に与し徳川家康に抗います
結果、改易は免れるものの大幅な減封のもと米沢に移ることとなり、しかし家中の士を変わらず召し抱え続けます。
収支の釣り合わぬ中で次第に窮まって行く中、養子ながら藩主の座に就いた上杉治憲(鷹山)と家臣たちの途方もない財政改革に挑むさまを綴ったものです。藤沢さんの最後の作品となりました。
ほとんど絶望と言っていい状況が何年も何年も続く心地は想像しようったって無理がありますね。それに対して都度光明を見つけようといられるだろうか。
そして、どんなどん詰まりでも手立ては探せる・市井のどこかに賢人は在るということも教えてもらえたような。先代藩主の重定にも惹かれるものがありました。
絶筆に近い形だったようですがまごうことなき名作です。出会えてよかったなあ

開けた先には不意のまんまるお月さまでたまげましたよ
桜も今年は遠くから愛でるばかり…と思ったけど、そもそも花見なんてろくに出来てませんでしたっけ(笑)
そう目を引かなくてもいいから、何かしらひとつくらい実らせたいもんだ。不肖の裔としては。

アマゾンプライムで『コタキ兄弟と四苦八苦』を少しずつ観ています。
さすがの野木亜紀子さん脚本、その妙味ったら!
芳根京子さん株も上がりっぱなしです

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