第8回プロト歌会の自作短歌について
シャニマス詩歌部のプロト歌会に参加しました!
それぞれの短歌に込めた意図みたいなものを書いていこうと思います。
陽の当たる日々の辛(から)さを知る君が君らしくあるための夜ふかし/鈴藤萌夢
ユアマイラブレターに登場する高校教師、鈴藤萌夢さんのことを考えながら作りました。ファンとして甜花ちゃんの姿を見ている萌夢先生が、常に自分らしい姿を見せる甜花ちゃんのことを考えているというような歌です。
甜花ちゃんを通して萌夢先生自身の「先生らしさ」「自分らしさ」について考える様子を描きたいなあ〜という気持ちがありました。
生徒の保護者に「先生らしくない」と怒られたことがきっかけで、社会に求められる先生らしさと自分らしさの狭間で揺れていた萌夢先生。
甜花ちゃんのラジオ番組に"教師は辛いよ"というペンネームで送ったお便りを読まれるシーンが印象的でした。
先生らしくあるためにどうしたらいいんだろう?と悩む人に対して、甜花ちゃんは「(先生によく叱られるから)先生らしくない先生の方が好き」と返答したのが甜花ちゃんらしくて大好きです。受け取る人によっては何のアドバイスや励ましにもならない言葉なのかもしれないのかもしれないけど、萌夢先生はすごく満足している様子でした。
「先生らしくない先生の方が好き」というのは「先生らしくなくていい」とも取れるような甘えに似た言葉でもある気がします。
それは普段からファンにもありのままを見せる甜花ちゃんだからこそかけられる甘さを含んだ優しい言葉であることも、自分らしくある姿の影には日々の努力があることも、ファンである萌夢先生はわかっているんだろうなあと思います。あくまで私の解釈ですが……。
好きなアイドルが自分らしくあろうとする姿を見て、言葉をかけてもらったことで、私らしい私も大切にしようとする6話の萌夢先生が大好きです。何回読み返しても良いコミュすぎる。
プールサイドで先生は怒鳴る その熱で夏のどこへでも飛び込めるのに/市川雛菜
市川雛菜さんの【DIVEIN!】に寄せて作りました。
先生として叱ることにエネルギーを使う先生と、心が動くものに積極的に飛び込んでいくことにエネルギーを使う雛菜を対比させることで、雛菜の眩しさを強調させたいという意図がありました。
【注】DIVEIN!のコミュのネタバレを含みます!
先生が雛菜たちを怒るシーンのテキストに、やたらびっくりマークが多くて気になったのが作歌のきっかけでした。
先生も仕事なので先生らしく叱る必要があるのだと思いますが、もしびっくりマークがいくつも付くようなエネルギーが雛菜の中にもあったとしたら、人を怒鳴ることには使わないんじゃないかなあと思います。
補講でプールを貸切できることが楽しみだったからか、制服の下に水着を着ていたのもすごく印象的でした。
夏の特別でしあわせなものにすぐ飛び込めるように備える熱量と、そのすべてを楽しもうとするうちにあっという間に夏が終わってしまう勢いの良さみたいなものが伝わっていたらいいなあと思います。
破調というよりただ定型を気にせず作った歌になってしまったのが正直な気持ちです。難しかった〜……
バス停の青いベンチを離れても背中に夏の熱りがある/大崎甘奈
大崎甘奈さんの【初風Nostalgia】に寄せて作りました。
甘奈ちゃんが次の季節に行ってもこの夏とこれまでの夏は甘奈ちゃんの中で残り続けて、これからの彼女の背中を押すものでありますように……みたいな気持ちで作りました。
【注】初風Nostalgiaのコミュのネタバレを含みます!
コミュでは夏の終わりと秋の訪れが描写されていて、甘奈ちゃんが夏の終わる空気に寂しさを感じつつバスが来るのを待つシーンが素敵でした。
過ぎていく夏を惜しむだけではなく「またね」と声をかけて、次の季節に向かう甘奈ちゃんの成長と強さを感じさせるエンディングがとても好きです。
青いベンチというモチーフはカードイラストから取りました。
火傷しそうなくらい熱かった屋外のベンチも夏が終わるころには座れるほどの熱さになっていて、ベンチを立った後もしばらくは座面に触れていた部分に熱が残るのって、夏の熱りみたいだな〜と思ったので入れてみました。
夏の終わりの空気も熱りとして甘奈ちゃんの中に残るから、安心してバスに乗って次の季節にいっていいんだよ!って背中を押したくなるような、めちゃくちゃ好きな空気感のコミュでした。
○感想
個人的には言いたいことが言えて満足していたのですが、好きなコミュであればあるほど一つの歌に情報や伝えたいことを盛り込みすぎてしまっていまいち読み手に伝わっていないな〜という印象を受けました。むずかしい!
夏の終わりの短歌や、前からやってみたかった萌夢先生の短歌を作ることができたので楽しかったです。ありがとうございました!
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