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【日記】はじめての笑気麻酔/2024.01.12

仕事終わりに虫歯を治療しに行った。前回の治療の終わり際に「次は神経抜きますね〜」と言われてから、今日を迎えるのが怖くてたまらなかった。運悪く体調もあまり良くなかったので、頭痛とだるさに耐えながらがんばって向かった。

待合室では大きめの音量でクラシックが流れ続けている。この狭い空間に、医者と歯科助手の2人だけ。一日中ここにいて気が狂わないのだろうか。わたしは治療を待つ数分でさえ落ち着かないのに。
名前を呼ばれて、治療用の椅子に座る。前回撮ったレントゲン写真には、チョコレートを食べた時に欠けてしまった歯がしっかりと写っていた。

歯の状態を確認してすぐに治療が始まった。虫歯の部分を削るための麻酔から始まる。
母からは麻酔が痛いと聞いていたのでドキドキしながら座っていると、「"ショウキ麻酔"したことありますか?」と聞かれた。ショウキ…?「意識が無くならないように、鼻からゆっくり吸って吐いてください」え、意識とぶかもしれないの…?と不安に思う間もなく、鼻に吸引器を取り付けられた。

「笑気麻酔」と表記することを、治療後に待合室のポスターを見て知った。「笑気」って字面、なんか怖い。クスリ的な怖さがある。意識が飛ばないように手で太ももを一定の速度で小さく叩いたり、瞬きしたりした。意識は飛ばしたくないけど痛いのは嫌なので、深めに息を吸って吐く。やばい。だんだん眠くなってきた。

腕に、足に、体に力が入らなくなっていく。重力が体全体にのしかかって、地面に沈みこんでいくような感じだ。この感覚、前に味わったことがある。布団の上に横たわって、YouTubeにアップされている催眠音声を聴いていたときの感じに似ている。目を瞑ったら一瞬で眠ってしまいそうだった。夢と現実のちょうど狭間をさまよっていたら、「大丈夫?」と歯科助手さんに声をかけられて、現実にちょっとだけ戻ってこれた。

ピピピ、と遠くでタイマーのような音が聴こえて、お医者さんが戻ってきた。ぼんやりとした意識の中で「チクッとしますよ〜」という声が聞こえたと同時に、ギューッと響くような痛みを2発くらい食らった。痛かったけど、意識朦朧としていたのでそこまで気にならなかった。すごい。

それからは早かった。歯をドリルで削られても、詰め物を付けられても何も感じなかった。虫歯になっていた部分を一通り削り終わった後に「これなら神経抜かなくても大丈夫そうです」と言われてめちゃくちゃほっとした。
治療が終わって席を立ち、しばらくしても少しふわふわした感じが残った。「笑気麻酔」。なぜ「笑」なのかはわからないけど、わたしはこの麻酔のおかげでだいぶ楽な状態で治療を受けられた。意識を失いそうになるのはちょっと怖かったけど、痛いよりマシだ。

よく頑張ったと一息つきたいところだけど、たぶんこれから麻酔が切れて痛くなってくる。やだなあ。お願いだから、眠れないくらい痛くはなりませんように。

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