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忘却のワルツ

横断歩道みたいに切ない
恋があって、
郵便ポストみたいに真赤な
嘘をついた。

記憶のあとについて
川沿いの道を
歩いてゆく。

君は言った。
「川には精神の全てがある」
「街には生活の全てがある」
僕は言った。

「ねえ」
と言って、
笑って振り返る。

君の顔の半分が
消しゴムで消されている。

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