サウンドディレクターという、作曲できるけど作曲しないけど作曲以外全部する仕事
はい、roominです。
現在、私の職場では中途採用の求人を行っておりましてですね…
(※この記事は2019年のものです、現在は求人を行っておりません)
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こちら、有難いことに各地で様々な方に反応いただきました。
しかしですね、普段から「ゲームのサウンドの仕事してます」とは言っているんですが、サウンドディレクターって具体的に何やってるのかよくわからないって方は多いんじゃないでしょうか。
だって普通は音楽の仕事と言ったら楽曲制作しかイメージないですよね。
募集内容で
>波形制作(←作曲のこと)以外のほぼ全てのサウンド開発フェイズにおいて携わって頂きます
って言われても作曲以外って何があるねん?って思いますよね。
なので、「どんな仕事してて」「どんなスキルが必要なのか」を知ってもらうのいいんじゃないかな〜と思ったんでサクッと記したいと思います。
「どんな仕事してて」
ゲーム開発のフェーズを超ざっくり表すと以下のような感じかと思います。
企画→設計→実装→テスト→完成
で、各フェーズにおいてサウンドとしてどう関わるかとなると……
■企画:サウンドエンジンの選定、技術的提案、予算見積もり
■設計:サウンドエンジン設計(発音数やメモリ管理など)、制作物見積もり、制作会社やクリエイターの選定、ファイル構造・命名規則の定義
■実装:サウンド制作(作編曲、効果音作成、ボイス収録)、それらを依頼する際の発注管理・ディレクション、上がってきたデータの調整・組み込み
■テスト:修正対応
……といった感じでしょうか?
どうですか、項目として挙げると色々あるでしょう~?
そして、今回の求人においては、サウンド制作(作編曲、効果音作成、ボイス収録)を内部で行うことは無い、ということです。
何故か今日もLogic起動してなんかやってたりするんですが無いです!ほんと無い!ProToolsも起動してるけどないです!ないんですよ!
もちろん世の大手ゲームメーカーには作曲家の方が多く在籍しておられますし、そしてゲームサウンドといえばこの方々のイメージであると思います。
ただ、私の環境ではそういう手法は取っていないという話になります。
「どんなスキルが必要なのか」
音楽制作以外にも色々仕事があることはご理解頂けたでしょうか。
では、それらをこなす為にはどのような技術や知識がいるんでしょうか?
ここもざっくりいくと…
■サウンドスキル:実際にサウンドを作る方が困らないよう音楽理論・機材知識・経験などを踏まえて指示ができる!
■プランナースキル:ゲームにおけるサウンドの意味やプレイヤーに与えたいものを理解・提案し、それを仕様として落とし込む!
■プログラム知識:サウンドをどのように再生するか説明・理解する!
■その他:これらを時間・人などのリソース踏まえて考えて連携する!
これらについて、どれくらいの理解が必要なのかについては一概には言えませんが……仕様書読んだり説明を受けたりして「あー、完全に理解したわ」って言ってしまえるかどうかですね!(大変含みのある言い方)
例えば自分はプログラムさっぱりなのですが、どんな環境で何が起きているかはわかる(気がする)ぐらいです。
具体的なコード内容とかはわからずとも、何が起きているかは把握できる必要があります。
まあ会社って組織だし、チームなので足りないところは社内のメンバーで助けあえますので、全能力がMAXである必要はないです。
が、どれかに突出しすぎてどれかがさっぱり…だと厳しいかもしれません。
つまり、ゲームだと使いづらいので有名な万能型が、現実では輝くポジションなのです。
とはいえ、このあたりは会社によると思うので、各分野のエキスパートを集めておられる会社であれば逆にスキルセットが尖っている方が向いているでしょう。
「つまり、どんな仕事なのか」
結局は「ゲームを通じて良い体験をしてほしい」わけで、そのような作品を作り上げるためにサウンドとして何がお手伝いできるかになります。
求人で「サウンド」って付いていると作曲家の方が多く反応されますが、
石を投げればクリエイターに当たるような今の時代において、ゲーム音楽の作曲を仕事をするのはかなりの茨の道なのかなと考えます。
ともあればゲーム会社よりはサウンド制作会社に入るのがスマートかもしれません。
サウンドディレクターという立場であるのならば、
「音楽が好きです」
「でもゲームのほうがも~っと好きです」
て言えるかどうか、これが大事です。
言いたいことをまとめると、
・「ゲーム音楽への関り方は作曲だけではない」
・「プレイヤーにどんな体験を与えたいかを考える」
・「企画やプログラムへの理解と連携は必須」
あたりになります。
というわけで(?)、良い曲であるのが前提のこの時代に良いゲームサウンドを作り上げていける仲間を募集しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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