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マーティンの魅力③。

続きもの第3回。

D-45を使い始めて、いろんなことが分かり始めました。音はいい。それは間違いない。だけどすべての音楽に合うかというと、かなり工夫が要る。これが音分けの理由なのかなと。具体的に言うと45は倍音が多く余韻が残るので、カッティングの曲だと音が残るんですね。そうすると弾き方を工夫して単音にするとかあれこれやらないといけない。ニールヤングがロッキンインザフリーワールドやる時はいつもD-18だったり、ドロップCとかはD-28だったりみたいに使い分ける理由に納得。

D-18はそのまとまりの部分で素晴らしい威力を発揮する感じ。D-18を手に入れた頃は、世の中でギブソン流行りだったせいか、評判良かったですね^ ^。マホガニーボディがどこまで影響しているのかわかりませんが、キラキラした部分がきれいに残っている。あくまでもギラつかない。いつもお世話になっている録音技師氏が「この音がいちばん好き」って言う。個人的にはD-18といえば坂崎幸之助で、高3の時に狂ったように聴いていたオールマイティというアルバムのB面のスタジオライブではたかみーの45と対照的な音が聞けます。この頃はマイクで拾っているから超貴重。

たかみーのはボーカルさんから譲り受けたやつですけど、ずっと聴いていると硬質な「しー」という感じの音がずっとついてくる。ノイズじゃありませんよ。僕も字で上手く表せないけど。ストロークの曲で顕著なんで聴いてみてください。

そうそう、年代の話で面白いというか興味深いことがあって。いろんなところで話しているんだけど、これまで弾いた中で最も自分の好みの音だったのは72年製のD-45なんです。

45持って回るようになったら、こんなにたくさんいるのかってくらい45持った人が現れて(笑)「どうだ!」って弾かせてくれて^ ^おかげでとても勉強になりました。その中の一本。どうしても欲しかったけど、その方もう亡くなってしまって。だからこの辺の45を一時ダメ元で探していた。今はもう無理。とてもじゃないけど手が出ません。格安で譲ってくださる方がいれば別ですけど^ ^。手が出ないなら作る方へ。今使っている日高ギターは、70年代前半の45の成分をコンセプトに作ってもらいました。件の45のとは違うんだけど、たかみーのと似た「しー」が聞こえます^ ^

それからあとはしばらく買おうと思うものに出会わず20年くらいが過ぎました。まあ他のもの買ってるからこういう言い方が正しいかどうかアレですけど^ ^。その間、興味があったのはハカランダの個体。長いことハカランダの音っていうのがピンと来なかったのが、中3の時に買ったモーリスでわかった。ある時突然鳴り方が変わって、ハカランダって合板でも音が変わるんだと思った。鳴り方というか抜け方というか、横に広がる幅が違う。あーこれはすごいなと思って以来60年代のD-28を探しちゃ弾かせてもらって。でもどうしても「これ」というものに出会えず。

ある時偶然ネットで見つけたやつを試奏もせずに購入。勘ですね^ ^。トップの写真だけで手に入れた71年製…ボロボロだったんだけど、弾いた瞬間当てた!と思った。やっぱりこのあたりに自分の好みがある。

マーティンの本をめくっていてその理由に気づいたのがブリッジプレート。こないだの福山雅治のギター治す時の原因だったパーツです。あの大きさが年代によって全然違う。こんなにも鳴りに影響するとは知らず。それを裏付けたのがタイミングよく出会った69年製。トミーのD-28は69年って読んだことがあって。お店の人と話していたら「たぶんこれが好みに合いますよ」って。本当にそうでした。ただ僕の買った71年製の5倍の値段だったので断念。トミーのとは違う音になっていくんでしょうが、弾いていて安心するのは、きっとこの年代の28で弾かれたレコードをたくさん聴いているんだろうと思います。

今回は自分の持ってる個体についてどこが気に入っているのかをトータルで書いてみました。新しいマーティンも気になるのがいろいろありますね。ミルクボーイ的に言えば「こんなんなんぼあってもいいですからね」です^ ^

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