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AG#7 Ovation 1597CH-MG Char Signature Adamas

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Specification

トップ:カーボンファイバー(バーチ材サンド)
ボディ:カーボンファイバー(Mid-Depth Cutaway) 
ネック:マホガニースケール:641mm (25 1/4") 
フィンガーボード:エボニー
ペグ:シャーラー
ピックアップ:OPTIMA
ブリッジ:エボニー
その他:Char Signature model
2000年製

About

日本ではニューミュージックで有名になったオベーション。アダマスはその高級機種に冠されるモデル名です。独特のピックアップサウンド、リラコードという名のラウンドバックボディ、エポーレットと呼ばれる葉っぱ模様の個性的なデザインであっという間に浸透しました。僕は78年の終わりにNHKで放送された「ビッグショー」で南こうせつがへんなデザイン(笑)のギターを持って出てきたのを見たのが最初。ご本人も「深海魚」とか言ってました^^。仏壇とか言ってた人もいたなあ。その後、伊勢正三、イルカ、堀内孝雄、松山千春、浜田省吾、村下孝蔵、尾崎豊…当時ほんとうにもう売れている人のステイタスシンボル的な感じでした。ロックやジャズの人たちも使っている人が多かった。80年代にはバンドでの使用を前提としたと思われる「スーパーシャロウ」という薄胴のモデルをリリースし、カッタウエイも採用してエレクトリック全盛時代に頂点を極めた感じになります。Charさんはもともとレジェンドっぽいサンバーストのオベーションを使っていたけれど、90年頃からBAHOの本格的な活動開始とともにThe CRAFTという限定モデルの使用を皮切りに、たくさんのオベーションを使用します。90年代はクラプトンの影響で一気にマーティンギブソンといった純アコースティックが復権し、これに連動したタカミネの人気上昇にあおられ、オベーションはタカミネに音を寄せて行ってしまいます。これが良くなかった。人気は落ちていき、最終的にはいったんクローズすることになってしまいます。これはわれわれアコギファンにとってはけっこうショッキングな事態でした。現在は復活しています。「Charシグニチャーモデル」は200本限定でマンダリングラファイト150本、グラファイトバースト50本みたいな色分けでリリースされました。ご本人はこの両方のモデルを混ぜたような仕様(ペグが違う)を使っていらっしゃいます。このギターは90年代後期のSMTという新たなシリーズをもとにしたモデル。バーチ材をカーボンでサンドしたトップで、見た目上は木に寄せているような感じだけど、独特な硬めのくっきりした音です。さらにこのモデルは指板およびブリッジにエボニーを採用(普通のアダマスはウォルナット)しており、マーティンに寄せようとした感さえあります。シグニチャーではないけれど、スティーブルカサーもこのモデルを使っていました。

Story

アダマスは、実際にはそのルックスよりも生音が素晴らしい。もともとのラインの音は中域にクセのあるヘンな音(失礼)だけど、生音はコーラスエフェクトをかけたような音がします。上のアーティストたちが使っているスーパーアダマスという機種が特にいい音するんです。ただ、ディープボウルという一番深い胴(浅い方からスーパーシャロウ、シャロウ、ミッドデプス、ディープ)のモデルは身長175以上ないともう肩に負担が(苦笑)。

90年代にはCharさんも1768XCRAFTをはじめ、いろいろな機種を試して、ファンもそれについていくのがたいへんでした(笑)。最終的に到達したのがこれ。やれやれよかった(笑)。このミッドデプスというボディは素晴らしいです^^肩もこらず、おなかの上で上向いてしまうこともない(笑)。OPTIMAというプリアンプは非常に素直な音色でオベーションらしくない(笑)チューナーもついていて便利な一本です。まあいまはすべて当たり前な感じですけどね。当時は最先端だった。上で書いたオベーションの独特な音(カタログではnasal sound…鼻にかかった音と書かれていた)は初期のプリアンプからOP-24というプリアンプの時代までその音が出せます。90年代の半ばまでかな。紛れもなくひとつの時代を作り上げたブランドだと思いますが、ウソみたいにオベーションを見かけなくなってしまいましたね。

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