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スガシカオ×村上春樹。

2週間の御無沙汰でした。ちょっと仕事が立て込んで…というか自分の仕事だけなら大丈夫なんですけどね(以下自粛)。なかなか充実した(というしかない)日々を送っております^^。6月も後半、先週末は杉山さんの九州ツアー前半でしたね。来月は大分だ。楽しみにしております。

さて。今日はラジオの話。子どもの頃、AMラジオを手に入れた話は以前どっかで書いてますけど、子どもの世界を広げてくれる存在というか、大人のボキャブラリーを教えてくれる媒体というか、特に田舎に暮らしてると、その存在ってけっこう大事なものだったんですけどね。ノイズの波の合間をぬって遠い街の電波を拾う。ある時期からそういうことも覚えたりね。九州は某隣国の電波とのせめぎあいみたいなとこもあって、苦労しながら聴いていた気がします。あの頃は文化放送系だったなあ。

サイマルラジオというので、コミュニティFMの番組が聴けるようになったり、radikoの登場でクリアな放送が聴けたり、AMの放送がFMで流れたり、21世紀になってラジオも変わってきましたね。AMがなくなっちゃうっていうのもなんか耳にしましたけど、それがテクノロジーっていうことなんでしょうか。いずれわれわれの子孫はそういうノイズとの戦いとか知らずに育っていくんですね…ていうか今そんなラジオ聴いてそうなやつも多くないからなあ(笑)。

いつもどおり前置きが長くなりましたけど(ひさしぶりだから)、タイトルどおり、「スガシカオVS村上春樹」の話。radikoがあるんですけど、大分からJ-WAVEの番組を聴くには有料会員にならないといけない。J-WAVEは僕が大学の終わりころできた局で…また思い出話だけど(笑)、当初はなんか英語だらけの放送だった記憶が(雑な記憶ですね)ありますが。あのころ民放FM局がどんどんできて、今思うとバブルの恩恵だったんですかね?知らんけど。いい時代だったなあ。…で、スガシカオの番組は知ってたんだけど、この年で毎週聴ける自信もないし、まあいいかあ(ここが一番年齢を痛感するところです)、なんて思ってたんだけど、この予告を知って、これは聴かないといけないでしょうと。で、登録しましたよ。今思えば関東にもたくさん友達いるんだから頼めばよかったのにね(笑)。

スガシカオが村上春樹好きっていうのはずいぶん前に知って、前も書いたことあるけど「午後のパレード」を聴いた時に、これは村上春樹だなあと思ったんだけど、周りに誰もそんなこと言う人がいないから、錯覚かなと思っていました。ダンスダンスダンスの中に「電話をかけてみたけど誰も出ない」ってのは出てくるんですよね(正確には…電話をかけてみた。もちろん彼は出なかった)。まあ本人がそこを意識していたかどうかは知らないけど、ひとりで「おお!」と思っていた。で、先日、これも驚いたけど早稲田にできた村上春樹記念館みたいな図書館でスガシカオがライヴやってそのあと村上春樹とトークするというイベントがあり、参加した人が当日ツイートしまくるの見てうわ~うらやましいと思っていました。そのイベントを経てのこの番組なんで、いやもうここは聴かないと、的な感じで。タイムフリーも終わっちゃってるタイミングなんで今更書いてもシェアできるものがないんですけど、この番組はよかったです。

音楽番組なんで音楽の話が中心でしたけど、これまで村上春樹作品や彼のエッセイで語られてきた内容が、スガシカオとのやりとりで語られていくのは非常に面白く、またいい内容でした。スガシカオと僕は年が同じなので、聴いてきた音楽はかなり違いますけど(大汗)、背景となる時代が同じなのでそこから村上春樹の世代を見る感覚は理解できます。「おしえて春樹さん」っていうくらい聞きたいことがあるのもよくわかる^^。放送に乗っていない部分もあるんだろうなと思いながらも楽しく聞きました。

番組の後半で「J-POPをどう思うか」というくだりがあって。これは面白かったですね。曰く、「歌詞にエッジがない」「メロディが月並み」「グルーブを感じない」「メッセージ性なんかあると最悪」…スガシカオ苦笑い、みたいな感じでしたけど、この「エッジ」っていうことば、けっこう怖いなあ、鋭いなあと思いながら聴いていました。

Charさんが昔、「俺はあんなエッジのない弾き方しない」って言ってるのを聴いて以来「切れ味の鋭さ」と解釈してますけど、合ってますよね?演奏であっても、歌詞であっても、もちろん文であっても、伝えたいことありきでやってるから、なんらかの思いや形が成立する「はず」ですよね。プロの人はそこに何を見ているのかってところかな。アマチュアは形になることが先行してるとこありますよね(汗)。伝えたいことみたいな感じでギターソロ考えてるアマチュアのひととか少ないと思う。だから逆にそういう人に出会うと本当に惹かれますけどね。エッジに対する追求とかしてないなあ。僕の歌詞見てどきっとしたなんていう人がひとりでもいてくれればいいですけど。村上春樹は含み笑い、スガシカオは苦笑いな感じでふたりは笑いながら話してたんだけど、このくだり聴きながら、そうかあ…みたいな感じになっちゃいました^^;

終わりあたりで出てきた「一に足腰、二に文体。」というフレーズは、村上春樹がどっかで書いてた気がするけど「文体大事。」という言葉、「文章にグルーブが必要」というのは、これまた印象に残りました。スガシカオが「以前文体大事だって言われてからそこは意識してる」って言ってて。文体ねえ…好き勝手書いてますからね…プロってそういうところなんだなあ。まあたしかに、その人の口調や内容に惹かれて読んだり聴いたりするようになるわけで、大切に決まってますよね。その人の言葉を求める理由。

一時間弱の番組でしたが、僕にとっては非常に濃い内容でした。おかげで何回も聴いてる(笑)。余談だけど、スガシカオが「海辺のカフカ」の一節を村上春樹に朗読してもらうくだりがあるんですよ。これはプリンスの曲をかけるための流れだったんだけど、そこに出てくる一節、当時読んだ時に、プリンスの曲にはまったく頓着なかった(汗)んだけど、「沈黙は耳に聞こえるものなんだ」という一節がとても印象に残って(田舎の人にはわかりますよね)、ここが読まれたのは個人的にとても嬉しかったなあ^^。そのほかにもシェリルクロウの話とかたいそう面白い一時間でした。せっかくなんでひさびさに。








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