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AG#5 CF Martin 000-28
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Specification
トップ:シトカスプルース単板
サイドバック:ローズウッド単板
ネック:ソリッドマホガニー
フィンガーボード:エボニー
ブリッジ:エボニー
ペグ:シャーラー
弦長:632.5mm(24.9")
1986年製
About
マーティンの000(トリプルオー)シリーズはドレッドノートより歴史が古く、1900年代初頭には登場するモデルです。ボディサイズを0(シングルオー)、00(ダブルオー)、000(トリプルオー)という風に分けています。90年代に一時0000という表記のものもあったと思いますが、最近見ないですね。別名オーディトリアムモデル。バランスに優れ、低音から高音まできっちり出てくる印象。このギターが作られた1986年は、マーティンが最も売れていない時期で、職人も多数リストラされており、000はごくわずかしか作られていないらしいです。意外に貴重な一本。
Story
今年2022年はエリッククラプトンのUnpluggedアルバムがリリースされて30年だそうです。1992年1月に録音され、8月にリリースされたこのアルバムは、間違いなくその後のギター業界に大きな影響を与えたと思います。
この頃、僕はまだクラプトンのことをほとんど知りませんでした。どれくらい知らなかったかというと、本当にお恥ずかしいんですけど、90年、ピンククラウドのINDEXツアーの渋谷公演かな?アンコールでCrossroadsが演奏されたときに、いい曲だなあ、カッコいいなあ、新曲?って思って友人に笑われたくらい知らなかった。だから、Charさんがいなければ僕はエリッククラプトンに出会っていません。彼が何のギターを使っているかとか、全くと言っていいほど知りませんでした。
1992年の夏。初めての海外旅行でアメリカ西海岸へ。事前に何かで調べてハリウッドからほんの少し筋違いなサンセットブールヴァードに楽器屋街があること知っていた。で、アメリカに行っても楽器屋巡り^^。当時はアンプラグドもグランジも流行る前で、行く店行く店「マーティン?タカミネかテイラーだろ」「ムスタング?そんなギターはない」みたいなやりとり。まあ一見さんお断り、みたいのも多分にあったんでしょうけどね。このギターを買ったのはハリウッドギターセンター。この当時は置いてあるアコギが圧倒的に少なくて、まず「アコースティック?じゃヤマハね」と勧められ(爆笑)、断ったらJasmineというTakamineそっくりなギターを勧められた。通りの反対側にある店もテイラーかタコマだった。「マーティンは?」と聞くと、「マーティンはこの2本しかない」って奥の部屋に掛かっていたのが60年代のD-35とこの000。そのときはギブソンのギの字もなかった。「ていうか予算いくらなの?」という言葉が今から思えばバックヤードへの道だったのかもしれないけど、怖くて駆け引きできなかった。1300ドルくらいだったこの000を一晩考えて購入。ホテルの部屋では「うーんいい音だなあ」と思っていたのに、日本に帰ってきたら鳴らなくなって湿度ってやっぱりあるんだなと思ったり。
しばらくしてアンプラグドブームが来て、いやーこれからはこれだよなみたいな(爆笑)。使ううちにサイドが割れていたり、ピッチが甘かったりしたのを少しずつ直して。バインディングがはがれちゃって、そのタイミングでブリッジを削ってもらったら劇的に鳴りが変わりました。いろいろするつもりはなかったのに結果的にかなりいじってしまったギターです。
あれから30年。トリプルオーはいったいどれくらい売れたんでしょうか?
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