見出し画像

縁もゆかりも。

10年はひと昔〜お祭りはふた昔。もう黒田さんに初めて会ってから20年くらいになります。

最初に話したのはトキハの屋上だったか?それともななせ川か。もう記憶が曖昧だけど、どっちにしても「遊々バンド」の頃。

当時僕は「やっちゃり!」(まだひらがな表記)を始めたばかりで、声をかけてもらえるイベントには全部手を上げて出してもらっていたような頃でした。今思えば「オヤジバンド」って言葉あったのかな?オヤジバトルはやってたんですよね。昔から。でもトキハのイベントとかは「お父さんバンド」って言ってたような…まあどうでもいいか(笑)同じですね(爆笑)。

いろんなイベントで顔を合わせるうちに、あれこれ話すようになって、黒田さんが主催する中津でのイベントにも声をかけていただくようになりました。「お寺DEライヴ」。子どもから大人まで、文字通り世代を超えた出演者が出るイベント。中津に行っていいなあ、うらやましいなあと思ったのは、大人たちが「子どもたちのために」「次の世代のために」って動いていることでした。今でこそそういう流れはあるというか、そうせざるを得ないところがあるけど、当時の自分を振り返れば、自分の場所を整えることの方が優先だったと思います。はっとしたのを今でも覚えているんです。

そのライヴに初めて出た時、なんかやたらとマニアックなギターを抱えた、今日もラーメンという不思議なユニット名のグループがいて。楽屋の「本堂」(お寺の境内がステージだった)に並んだギターを見て「むむ、ただものではない」と思ったのが正解。やっぱりただものでなかった初山さんでした^^。僕もかなりなマニアだと自分で思っていますが、とてもかないません(笑)。あれから20年、おたがいギターが増えましたね^^

その年だったか、次の年だったか。黒田さんに「チャーリーさん、中津のチャーに会ったことありますか?」と言われて。いやもうぜひ!と。サイトを始めたあと、全国のCharファンとは交流があったものの、地元のCharファンにまだほとんどあったことない頃でした。当日。「!!」中津のチャーが中津のチャーたる所以を見た瞬間。ステーションワゴンのラゲッジルームから彼がおもむろに引っ張り出したのは毛布にくるまれたJC-160でした^^。当時は僕もまだ探していたころで「うわー現役で持ってる人初めて見た!」って感じでした。音でギターを選ぶ人、はるさん。今回もたくさんのギターを使い分けて多彩な音からリズムまで弾き出していました。

「遊々バンド」「今日もラーメン」「Electric Lady Land」の3人が集まってできたバンドなので「きょうもゆうゆうらんどおいさんず」…頭文字でKULO。そのうちに見るたびメンバーが増えて^^、パーカッション、ベース、キーボードのみなさんも合体して6人編成に。仕事の都合でフレキシブルにメンバーと編成が変わるところがうまい人たちの証明ですね。

さて。そのKULOが15周年ということで、大分の老舗ライヴスペース「ブリックブロック」でコンサートをやるという話になったのが2年前。あいにくのコロナ禍で延期を重ねざるを得ず。ようやく開催の運びとなりました。名づけて「KULO15+2周年ライヴ」。

「縁もゆかりも」というタイトルは、黒田さんが毎週やっているNOAS FMの番組、「縁もゆかりもミュージック」から拝借しましたが、昨夜のライヴは、まさにその言葉を地で行くステージと客席でした。会場入り口で並んでいる人も、中に入ってからも、大分でずっと活動している人と音楽を好きな人たち。久しぶりに顔を合わせてご挨拶しながら、そういう場所を提供してくれたKULOとスタッフのみなさんに改めて感謝です。

ライヴはカヴァーの「なごり雪」でスタート。KULOの魅力はカヴァー、オリジナル区別なく演奏できるところですね。カヴァーのやり方っていろいろあると思うんですが、あくまでも完コピできる人だから、というのがあると僕は思っています。奇しくも帰り際にギターのはるさんが「昔の仲間が集まったんで」と渡してくれたCD聴いてひっくり返りました。中津のCharはハチさんで森園さんだった^^そういうベースがあってのカヴァー。そういうベースがあって初めて自分たちの色が出せる。

ソングライターがふたりいるKULOはそれぞれのカラーを十二分に出しながら、大人の消化(昇華?)で曲を呑み込んでいる感じ^^名バラードとからあげが隣り合わせになれるふところの広さ^^。2部構成のあいだに、KULOのスタート地点になったNHKでの特集が流されたり、歴史を振り返りながら換気もできるという^^にくい演出が。

この2年間はいずれぼくらの人生に影を落とすことになるのか、それとも新たな転機となるのか。ライヴを見ながらそんなことを考えていましたが、黒田さんが「音楽を楽しむ」という話をされているのを聞いて、昔、学生のころに参加していたバンドのリーダーが言っていたのを思い出しました。「それでも希望を歌うんだ」。あのころ、彼がどんな気持ちでそう言っていたのかは確かめたこともないし、仮に聞いても当時の僕には理解できなかったと思います。今、この年齢になって、そしてこういう状況下で、もちろん当時の気持ちにはなれないけれど、今の年齢でその言葉をかみしめることができる。最後の「始めることで何かが始まる」という曲は、この歌を初めて聴いた当時僕がよく思っていたことで、ああ、みんな同じなんだなあと嬉しかったのを覚えています。

立ち止まりたくても、時は過ぎていくから、それを楽しんで、歩いて行きたい。ひさしぶりにそういう気持ちにさせてもらえたコンサートでした。KULOのみなさん、スタッフのみなさん、昨夜会えたみなさんに感謝。

この記事が参加している募集

#休日のすごし方

54,342件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?