アニメログ(追加その1)

冬アニメで未視聴の作品を12話まで視聴したので追加ログを残します。

「魔法少女にあこがれて」
通称は「まほあこ」。いわゆる深夜アニメのエロ枠の作品です。冬アニメ感想ログをあさっていると、この作品は評判が良いので視聴。

単なるエロ枠を超えたストーリー展開で脚本、構成の良さが光ります。作画も崩れる事なく安定しています。まあ、エロ枠作品はあまり人に勧められないのが玉に瑕です。

作品中では語られる事は無かったのですが、この作品世界では魔力の源は欲望の強さや業の深さで大きくなる傾向があるようです。

普段の主人公はどちらかと言えば、おどおどしたあまり自分に自信が持てない様子ですが、内に秘めた魔法少女に対する愛情はとても深いものがあります。中学生なのか高校生なのかわかりませんがセーラー服が制服の学校に通っています。ある日、いつものように魔法少女にあこがれて「変身してみたいなぁ」などとつぶやいていると魔法少女につきもののマスコット的な黒いうさぎのようなものに「変身してみるかい?」と話しかけられます。「君にはその力がある」との言葉に一も二もなく変身してみると、その姿はプリキュア的魔法少女とは全く違うエロコスでした。戸惑っているとそれは当たり前で「君の力は悪の女幹部の力」と言われます。思っていたのと違う展開にその場で「じゃあやめます」と言って去って行くのですが……

魔法少女の歴史は中々なもので、魔法使いサリーは1966年に放映ですから58年前です。ふたりはプリキュア(いわゆる御初代様)が2004年でまとかマギカは2011年です。最早一体どのくらいの魔法少女が生み出されたかちょっと数える気がしません。世界に類を見ない魔法少女大国が日本です。

主人公が悪の女幹部ですから逆から見た魔法少女ものになるのでしょうか?色々な甘い設定や矛盾点が「まあ、エロ枠だし」で片付けられる傾向があるのですが、この作品は設定も展開も見るべきものがあります。

悪の女幹部というこの設定は悪の組織の幹部、つまり悪い事をする組織にいるある程度の責任者なのでひどい事をされても因果応報という、ひどい事をする心理的なハードルを下げる舞台装置です。

悪い事をしている側視点で言えば、悪い事をする組織なのですから作戦の失敗などで女幹部に破廉恥な事をしても、そもそもが悪い事をするのは普通な事なのであらゆるひどい事は当然とされます。

次に悪を裁く側視点では悪い事をしている奴を懲らしめるのが目的で自分の嗜虐心を満たす為にしているのでは無いという言い訳を用意している点で二重に悪辣な設定なのです。

つまりどちら側からもひどい事をされるのが悪の女幹部という設定の中心なります。

私は色々なものに耐性があるので視聴には困りませんが、人は皆違うのでこのようなセンシティブな要素を含むものは語るにも苦労があります。また、人に勧めるのも憚れます。

ですがこの作品は良いものだと思います。少なくとも「なろう系」の凡百な作品を観るならこちらの方が100万倍良いと思います。

では、また別の記事でお会いしましょう。


この記事が参加している募集

アニメ感想文

頂いたサポートは創作活動に活かして行きます。