信頼関係

少し前に、なんとなく越路吹雪の「ろくでなし」が聴きたくなって検索して、最初この動画を見たとき、なんか派手なドラムだなと思って、「ラストダンスは私に」に移った時のバンド紹介を見てたら、ジョージ川口かよ?!(しかもこの編成で2バスとはほんまに派手やな…)とびっくりして妙に印象に残ってました。

で、この動画、とてもいいしごとをしてるバンドを文字どおり従えて、おそらくニナリッチのドレスを着て、くるくる表情を変えつつ、銀色のハイヒールを履いて優雅だけどもどこか激しく踊りながら(さすがヅカ出身だなぁ…)、バンドのひとりひとりの前を会釈するように回りながら歌う越路さんに、終始心を奪われる。
極めつけ、何よりもぐっとくるのは、4分17秒あたりから、計ったようにちょうど旦那さんの前で「♪あなたに夢中~なの~」と歌ってちょっと照れてるみたいな感じになった越路さんと、そのあとに、ピアノ弾きながらなんとなーく満足そうに微笑む旦那さん!

バンドで音楽を演っていると、ちょっとした目くばせや表情で、相手がどんなようすなのかがわかる瞬間があるんですが、越路さんの会釈にバンドメンバーみんなが微笑みを返してるようすが、このバンドとフロントの信頼関係を雄弁に物語っています。でもなによりも、ほんとに夢中だったんだろう旦那さんの前で、歌にのせてそれを伝え、微笑みでそれに応える、っていうのは、音楽家としての信頼関係を超えたなにかがなければ成立しないだろうな、と思います。
そういう”なにか”が、心に残る音楽を産み出すんだろうな。

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