才能は発掘して磨くもの

こんにちは、RooKです。


わたしの周りには絵を描く人が少ないため、展覧会に出展することをお伝えすると「スゴいね、才能があるんだね」と返ってくることがあります。


展覧会は、お金を払って申し込めば出展できるものもありますが、監修の方がついていてその目に留まったからお誘いを受けるという、ちょっとしたフィルターがあるものもあります。
そこを通れる資格が才能のアリ、ナシになるかとも思いますが…
少しでも絵心があり真剣に向き合っている方なら、それを才能とは思いもしないでしょう。もっと上、高みであるプロの方、プロとして食べている方なら一流の世界的な活躍ができることを才能といい、さらに歴史に名を残せるくらいのゴッホやゴーギャン、ミュシャやクリムトなど…


そう、才能とはどこに立っているかによって見方が変わるものだと思うのですよね。


そしてこの才能とは、自分で見つけて磨いて使わなければ何の意味もないとも思っています。

才能は比べるものではなく、自覚して使い倒すものですが…他人がいないと気づきにくく、けれども他人の評価は正しいとは限らない。
扱いが難しいですよね。


わたしは、他人の評価を気にしすぎて離婚へと至るという経験を通して…自分で自分を見つめなければただ振り回される人生になってしまう!
と気づきました。


そこから、自分の絵を求めて右往左往してようやくの『今』です。
手探りして40年くらいかけて今の絵が描けるところへ来たのですが…さてこれは、才能でしょうか。
諦めて、でも諦めきれなくてまた戻ってきて学んで、得たことから次の道を選び、進む。
もちろん努力を努力と思わず楽しめるということも才能なのですが、一般的な才能とは、若いうちから開花して活躍して輝く存在を指しているような気がします。


それでいえば、30代の頃にいたゲーム業界では、才能ある絵描きの方々はゴロゴロいました。絵の専門学校や芸大を出て20代で活躍されるキラキラしたプロの方々。
ただ、どんなに才能があっても、売り出し方や磨き方が分からず、埋もれて食べていくことが難しくなり東京を離れて地元で実家の手伝いをしながら単発で絵の仕事をもらい細々と続けていく方もいました。


また、作曲というフィールドで、10年近く作曲家を続けたものの辞めて実家のある地元へ帰ることにした方、同じ時期にフリーランスから作曲の会社を立ち上げ業績を伸ばした方もいました。
あまりに対照的なお二人だったため、記憶に強く残っています。


長々と書きましたがわたしが言いたいのは、何でもかんでも『才能だね』と言われるのはあまり好きではないです。最初から持っていていいね、的な軽い意味合いで言われるのが好きではないということです。
目に見える形にするまでに40年かかりましたよ。
結婚していたときはゲーム業界にいて絵のプロに囲まれていたので、その当時の夫に「絵なんて誰かに頼んで描いてもらえばいいじゃん。なんで自分が描けるように努力するの?」などと、理解してもらえませんでした。


あと、言われるとあまり心地よくないのが「わたしは絵心ないから絵を描けるのスゴいね」です。
ごめんなさい。


知らんがな


です笑
自分ができないことをできる人を尊敬するのは分かります。けれど、ウグイスがホーホケキョと綺麗に鳴けることにスゴいね、とは思えません。
ウグイスも、ちゃんと鳴けるまでに何度も練習するようですが…鳴き声を聞いたら、美しい声を聞かせてくれてありがとう、と感じるだけです。
わたしはそんな風に鳴けないからスゴいね、とはどうしても思えません。


そこは比べる必要がないからです。
褒めてくれているのだから素直に受けとればいいかとも思いますが、どうしてもモヤモヤしてしまうのです。
ここに至るまでにどれくらい年月を費やしたのか。心を砕いて挑んだのか。そこまで理解しての言葉なのか?
…なんて。


ピカソか誰か忘れてしまったのですが、有名な画家に対してサッと絵を描いてと依頼した方が高額な料金を請求され驚いた、というお話。
依頼した方は、ササッと数分で描いたのだからそんなにお金を取られるなんて思わなかったのでしょうが、画家がそこまでサッと絵を描けるようになるまで何十年もかけた積み重ねの結果の代金だと。


ちょっとしたことなので、いちいち腹を立てるのは心が狭いのかもしれませんが…
才能に対する価値観の違いなのだろうな、と。
ひとつのことに結果を出すまで挑んだ方は、素直に尊敬します。


ここ1年で出会ったなかでとても印象深い出会いは、初対面で「自分ホームレスなんです」というインパクト強めな挨拶をくれた方が、料理が好きで飲食店やりたいとおっしゃっていてその半年後には飲食店の店長になっていたこと。
あ、もちろん今はきちんと住む場所があり近々引っ越したいなとも言っています。わずか半年で、住む所どころか、お店まで持つとは…
本当に尊敬しています。


そして、自分で自分を知って行動して結果を出している方は、才能に対する敬意を示してくれるので話していて楽しいです。


誰にでも何かしらの才能がありますが、そもそも見つけようともしていない方が多い気がします。
そして見つけていないから自分の活かし方が分からず、自信が持てない。


才能は、見つけるのに苦労がかかることもありますが、それを見つけるのも人生の醍醐味だと思うのですよね。


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