京大経済への転学部失敗体験記

どうも、るいぼす茶です。
今回は京大生の私が受けた転学部試験の体験談について語りたいと思います。前半は転学部の説明になっていますのでそこだけ読みたい人もどうぞ。

1.転学部とは

まず転学部について説明しましょう。
転学部とはその名の通り

大学在学中に現在所属してる学部とは別の学部へ転入すること

を指します。
京大では学年が上がる際に別学部・別学科へ転入できる場合があるのです。
とはいっても転学部は簡単にできるものではありません。転学部には

①転学部資格照会票を提出し、転学部試験の出願許可を得ること
②転学部試験を受け、学部長から転学部の許可を得ること

の2つが必要になります。①は比較的簡単ですが、②は非常に高倍率であり学部・年度によっては許可者がゼロの場合もあります。以下の画像が許可者数と出願者数の一覧です。


京都大学運営のサイトから引用(https://www.assdr.kyoto-u.ac.jp/ssc/students/shinrohenkou/)


例年のスケジュールですが

9月中旬          転学部試験概要発表
10月初旬      出願資格照会手続き
11月初旬      出願資格有無発表・出願
12月~3月      面接・筆記試験など
2月末~3月中旬   転学部許可発表

となります。

〇転学部資格照会

一つ目の関門となるのが「出願資格照会」です。これはいわゆる「足切り」であり、国際高等教育院の1階にある「出願資格照会票」と書かれた用紙に記入して所属学部の教務課に10月頭に提出します。これは学部ごとに提出するのですが学部数に制限はありませんし、資格有りでも出願しなくてもいいので気になる人はどんどん出しましょう。


転学部出願資格照会票




資格有無の参考材料は「二次試験の点数」であり、各学部が指定する科目で一定の点数を超えていることが条件になります。

科目が指定されているため、「文系→理系」や「特色入学→他学部」は基本的にはできないようですが、年度によって変わるかもしれないので要確認です。

具体的な点数は公表されていませんがネットでは「自分の点数を0.9倍した点数が行きたい学部の合格最低点を超えていること」が条件だといわれています。しかしこれはあくまでも噂に過ぎず、超えてなくても資格ありだったとの報告があるのでとりあえず出してみることが大事です。

〇転学部出願・試験

資格照会提出の1か月後の11月頭に資格照会発表と出願があります。
資格ありの学部は出願用紙と試験概要用紙がもらえるので、この時に試験内容や合格発表の時期などが詳しくわかります。

一例として経済学部の概要を載せておきます。


転学部試験概要(経済)


出願ですが一つの学部にしか出願できないうえ、許可されたら必ず転学しなくてはなりません。この点は要注意です。

また学部によって引き継げる単位が大きく変わりますので、すでにとった単位のうちどれだけ転学先の学部に引き継げるのかを確認しておきましょう。

試験ですがこれは学部によって大きく異なります。上記の通り、経済学部は筆記試験や面接などがなく、志望理由書を出願の際に提出するのみでした。総合人間学部などは面接などがあるそうですが年度によって変わるそうなのでご自身で確認してみてください。

〇結果発表

試験が一通り終わればあとは待つだけです。学部によって異なりますが、二次試験の数日前から3月中旬にかけて発表されます。発表は基本的には郵送であり、「許可」や「不許可」などと書かれた紙が封筒の中に入っているだけです。

もちろんですが不許可であれば、現在いる学部に残留となります。ちなみに1度不許可を出されても翌年度に再度出願することができるようですがあくまでも制度上の話であるので期待はしない方がよいでしょう。


以上が転学部の説明になります。


2.転学部失敗体験記

ここからは私の転学部の失敗体験記をつづりたいと思います。

〇経済への転学を志した理由

私が経済学部に転学したくなった理由ですが、純粋に「経済学、とりわけ行動経済学がやりたかったから」です。

私は一浪して京大に入学したのですが現役も一浪も法学部を受験しました。これは共通テストの点数云々ではなくて単に「政治を勉強したかったから」でした。

でも実際法学部に入学してみると法学が大部分を占め、肝心の政治に関しても理論的な政治学であり自分の求めていた「政治の勉強」とは少しずれがあったので法学部の専門科目にあまり意欲的になれませんでした。

また実をいうと私は高3夏まで京大経済志望であり、経済学とりわけ行動経済学に興味がありました。般教科目として履修したマクロ経済学も面白かったですし、私が出願した時の経済学部長である依田高典先生の専門が行動経済学部なのもあって自分は明らかに経済学部に向いていると感じ転学部へのチャレンジを決めました。

〇落ちた理由

結果はタイトルの通り「不許可」でした。試験概要には「3月中旬発送」と書いてあったのですが、3月5日ごろに封筒で送られてきました。

転学部結果通知

考えられる落ちた理由ですが
純粋に取得単位数・GPAが悪かった
TOEFLの結果が悪かった
の2つが考えられます。

依田学部長のTwitterを見てもらえれば分かるのですが、非常に情報発信と制度改革に取り組まれており、なかでも英語・数学・データサイエンスの3つができる優秀な学生を育成することを目標としているようです。これは京大経済学部ホームページの「学部長あいさつ」にも記載されています。私はその理想の学生とはかけ離れていたのでしょう。落ちて当然ですね。転学部を考えている人は学部長や学部がどのような人材を求めているのか把握しておきましょう。

〇転学部を考えている方へ

「共通テストが悪かったから志望学部を変えてあとから転学部をしよう」と考えている受験生・新入生は少なくないのではないでしょうか。正直この戦略は危険でありやめた方がよく、それなら潔く浪人するか別大学に入学するのお勧めします。

また法学部・経済学部を考えている人はなおさら別大学に行きましょう。この2学部は3年次編入試験があり、倍率はかなり高いですが転学部よりはまだ望みがあります。そちらを目指しましょう。

第一志望学部には合格できたけれど、入ってから「なんか違うな」と思ったみなさんはダメもとで転学部に挑戦してみましょう。しかし般教・専門の単位はしっかりとっておきましょう。転学部の結果に関わるだけでなく、失敗した時に留年を回避するためにも単位は必要になるので。また転学部成功ありきの皮算用は絶対にやめましょう


最後に

以上が転学部の説明と失敗体験記になります。
私から言えるのは「転学部ありきの皮算用はやめとけ」ということです。私は公認会計士を目指していますが、これは法学部でも目指せる資格試験であったからセーフなだけで院進などを考えていたら明らかに人生終了していたでしょう。そのため転学部を考えている方は成功・失敗両方の結果を考慮して計画を立ててもらえればと思います。

長くなりましたがここまで読んでくださりありがとうございました。




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