初期のRTA in Japan~RTA in Japanの成長を振り返る~

普段とは全く違う話題になりますがたまには脱線してみようということで。
皆さんRTA in Japanはご存知でしょうか?
何をやっているか知らなくても名前くらいは目や耳にしたことがあるのでは無いかと思います。RTAを生で披露する日本最大のイベントで、今やGDQやESAと並ぶspeedrunの世界的イベントとなりつつあります。配信はTwitchのチャンネルで行われます。

個人的には、第一回一番最初のスプラトゥーンからほとんど全部視聴していて(さすがに全てリアルタイムという訳ではないですが)、非常に思い入れが深い配信イベントであると同時に、今のようにインターネットにおけるお盆と年末の恒例イベントとなるまで成長したことにとても感慨深く感じています(後方腕組古参面)。
その一方でRTA in Japanはオフラインイベントであるからこそ面白いと考えているため、コロナ禍以降年末もオンラインイベントとして開催せざるを得なくなってから(本来オンラインは夏のみ)はどうも以前ほどのめりこめないなと思うようになっていました。
これはちょうどRTA in Japanが今くらいの大きなイベントになった頃からの話なので”RTA in Japanはマイナーだった頃の方が面白い”という最悪の老害になってしまっているのではと危惧していましたが、今年の夏にオンラインと混在する形でオフラインイベントとしても復活し、やっぱりオフラインは面白いなあとなって安堵しているところです。
今年2022年の年末は2019年末以来3年ぶりの完全オフライン開催が予定されているということで今からとても楽しみにしています。(記事公開後修正:完全オフラインではなく、一部オンラインありです。)

ということでRTA in Japanの始まりからコロナ禍までのオフラインイベントが開催されていた頃を振り返りながら、年末のRTA in Japanのオフライン開催に期待を膨らませていきたいと思います。
と同時にこれはRTA in Japanがイベントとして成長していく過程を振り返ることになると思います。
RTA in Japanってなんかいつの間にか有名になってるけどどういう歴史があるの?という方にも分かるようにおすすめのアーカイブを紹介しながら色々と書いていきたいと思います(ただしオンライン開催の夏は省きます)。
なお、アーカイブ視聴の際はYouTubeではなくTwitchを利用することを推奨します。Twitchなら配信当時のチャットをリプレイすることができ、当時の配信の雰囲気も楽しむことができます。

■第1回RTA in Japan(正式名称:RTA in Japan 開催時期:2016年末)
まずは2016年に開催された記念すべき第1回RTA in Japanです。
この第1回目は日本初のジャンルを問わないオフラインRTAイベントということでノウハウが蓄積されていなかったのか、大小様々なトラブルも起きつつ、観客の反応も少々ぎこちない、配信のレイアウトも今と違って分かりにくいなど粗削りなところが多く感じます。
しかしながら初めてのイベントというワクワク感やこれからこのイベントを大きくしていくんだという気概を端々に感じることができ、総じて面白いイベントで、来年も絶対に見たいという気持ちを強く持ったことをよく憶えています。

・スーパードンキーコング2
第1回RTA in Japanと言えばこのスーパードンキーコング2です。
特に当時世界記録保持者のふぃす氏によるエンターテイメント精神溢れるパフォーマンスは、RTA in Japanの方向性を大きく決定づけた…のかもしれません。
特にコースターでのバナナパフォーマンスはTwitchチャンネルのエモートのバナナの元ネタとなっており、RTA in Japan最初期の最も大きなミームであると言えます。プレイ中にバナナを食べ始めるパフォーマンスの大元は大体これです。

・がんばれゴエモン〜ネオ桃山幕府のおどり〜
やや夜が深まってきたタイミングでのゴエモンということでRTAらしからぬまったりした雰囲気が良い。見栄えのいい技が次から次へと飛び出しつつ解説も分かりやすい。中盤で同時視聴中の海外勢に触発されてカラオケが始まるのもRTA in Japanらしい。ゲーム問わずに歌い出すのもこの辺りから始まる恒例行事。ついでにもう既にバナナネタが拾われています。


■第2回RTA in Japan(正式名称:RTA in Japan 2 開催時期:2017年末)
第2回RTA in Japanは配信レイアウトがほぼ今の形になり、海外勢の参加やトーナメントの開催などの要素が加わり、前年から正当進化していると言えます。

・ポケットモンスター金/銀
前年の初代ポケモンに引き続き走者プニュタ氏、解説イトタカ氏によるポケモン金銀です。このコンビによる本編ポケモンRTAは恒例ですね。
深夜スタートということもあって、全体的に静かな緩い雰囲気で走者も眠そう。その中で緻密に計算されたチャートに沿ったプレイングは見事。
RTA走者、ポケモンプレイヤーとしての話も面白く、特に後半のRTAに関する話はRTAの文化としての厚みが感じられて趣深いです。

・美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負
恒例のバカゲーRTAトーナメントの原点とも言える。目的の意味不明さに対するRTAとしてのガチさ、解説の濃さ、そして勝負の熱さ、どれを取っても伝説的。1アンキモ(=約3分)という単位が生み出されたりも。
Twitchチャンネルのエモートのアンキモ、アンキモ、アンキモ!の元ネタがこちら。使いどころはほぼ無く、元ネタを知らないと意味不明、それでもなおエモートとして残っているあたりこの企画の残した衝撃の大きさが伺えます。

・Tetris: The Grand Master series(TGM1・2・3)
最初期のRTA in Japanで最も凄まじいパフォーマンスを見れるのがこのテトリス。各々とんでもない技量を披露しますが、特におかしいのは目隠しRTA。目隠しレギュは今やそれなりにポピュラーになりましたが、当時でのこのスーパープレイの衝撃は相当なものでした。

・ラチェット&クランク2 ガガガ!銀河のコマンドーっす
終始緩い雰囲気の中で走者と解説の掛け合いがあまりにも面白い。通称RTA漫才。
多少ミスはあるものの一発勝負の重要さは単にプレイングの凄さだけでないということを示しています(とはいえプレイングを蔑ろにしてはいけないのは当然ですが)。


■第3回RTA in Japan(正式名称:RTA in Japan 3 開催時期:2018年末)
第3回RTA in Japanはほぼほぼ形式は第2回と変わらず、しかしRTA走者にとっては年末恒例のイベントとしてかなり定着し始めていた頃で走者それぞれのパフォーマンスも成熟してきた時期と言えます。
また前回のラチェット&クランク、今回のポケモンスナップなど解説が好評を博すことによって、動画だけでなくオフラインイベントでも解説役は走者と同程度に重要であるという認識もこの頃から広まり始めてきた印象があります。
どのタイトルも完成度が高く、個人的にこの第3回が一番好きです。
ただし第3回は音声トラブルがあり、度々インターフェース由来と思われるptptが起きてしまっていることはやや残念です。

・麻雀ウォーズ
ももよバグというあまりにもローカルなglitch、麻雀としての無茶苦茶さ、そもそものゲームのイカれたコンセプトなどがあまりにも映える。
またTwitchチャンネルのエモートの”し゜”は本タイトル後半のパスワード入力RTAが元ネタ。そのため現在もゲームを問わず迅速なパスワード入力が求められる場面で使用されています。

・時と永遠~トキトワ~
RTA in Japan主催によるプレイング。トキトワと言えばクソゲーオブザイヤーにも次点に選ばれるなど広く知られたクソゲーなのですが、これを主催がやるのがまさにRTA in Japan。クソゲーにありがちな音楽の良さのおかげで割と作業中のお供として結構良いです。
またこのトキトワまでのゲームの流れは壺おじ→ACE OF SEAFOOD→野生動物のレース→プーさんのホームランダービー→トキトワという怪しすぎる流れ。ここまで終わった後、待機場面でマリオ64の水中面のアレンジが流れ始めるのが得も言われずいい(個別のアーカイブだとそこもカットされているので配信そのもののアーカイブもおすすめ)。

・Undertale
RTA in Japanにしては珍しくゆったりした滋味深い雰囲気。
ストーリーゲーはRTAに向かないとよく言われますが、その中で最大限のリスペクトあるパフォーマンス。特に最終盤の選択肢。
やはり最後に物を言うのはゲームへの愛なんだなと思わされます。

・15m challenge tournament
Barbie Super Modelという謎ゲーのRTAトーナメント。
何をやるかは事前に明かされず、15分でチャートを覚えて走ってもらいトーナメントをするという企画です。音声トラブルがやや残念なのですが、後半はむしろトラブルによって面白くなっていたり。
またTwitchチャンネルのエモートのPixel Perfect、Frame Perfectの元ネタはこちら。完璧なピクセル入力、フレーム入力がある時に使われています。(記事公開後修正:厳密には他の元ネタあり。またFrame PerfectはPixel Perfectの派生として使われ始めたものと考えられます。)

・ポケモンスナップ
第1回で好評だったポケモンスナップ学会によるRTAが今回第3回では満を持して大トリ前を飾る。
解説の凄まじい濃さとプレイングの緻密さがあまりにも面白い。比較的マイナーゲーにも関わらず一時期はyoutubeのRTA in Japanチャンネルの中で再生数第2位に位置付けていたこともあります。

・スーパードンキーコングシリーズ1,2,3完全クリアトリロジーリレー
上記ポケモンスナップが再生数第2位の頃から2022年現在まで頭一つ抜けての再生数第1位がこちら。プレイングのレベルの高さ、解説の滑らかさ面白さどれをとっても納得のトップでしょう。
またコースター中には当然バナナを食べるし、「ポケモンスナップ学会の皆さんも胸を熱くされている」(ポケスナ)、「表紙を飾ってしまいました」(Barbie Super Model)など各ゲームのネタも拾っているのもRTA in Japanらしい。当然ですが走者の多くもRTA in Japanが好きな視聴者でもあります。

・番外編:DEMENTO(RTA in Japan Online 2019)
オンラインも含めて紹介しようとすると量が増えすぎるので省いていますが、例外としてこのDEMENTを取り上げます。開催前はあまり注目されていないタイトルでした(むしろこの後のバイオ勢の前座のような立ち位置だった)が、一発勝負ならではの事故を連発しつつプレイヤーのガチ焦りやリアクションが臨場感ありすぎる。RTAにおいて花火が不吉の象徴とされたり、デメる(ガバや事故の意)というミームを生み出したりとあまりにも残した爪痕が大きい伝説回。



■第4回RTA in Japan(正式名称:RTA in Japan 2019 開催時期:2019年末)
この年からイベントの正式名称にはナンバリングではなく、開催年が付くようになります。
RTA in Japan 2019はRTA in Japanの認知度が飛躍的に広まり、現在の規模になる足掛かりとなった回だと言えると思います(バズった、とも言い換えられるでしょう)。
ここに至るまでに、まず開催前にYoutubeのRTA in Japanチャンネルが一気に伸び始めたことも密かに重要かもしれません。上記のドンキー、ポケスナ、はたまた64ドラえもんなどが一気に再生数を獲得し始め、バズの下地を作っていたのかもしれません。

・スーパーモンキーボールデラックス
モンキーボールは未プレイなのですが、それでもプレイングの凄さが分かりやすい非常に画面映えするRTA。シンプルに見ていて爽快、気持ちいい。

・ゼルダの伝説 ムジュラの仮面
この辺りからRTA in Japanでプレイ中のゲーム名が次々とtwitterのトレンド入りをするなど着々とバズの下地が整っていきます。特にムジュラは衝撃的なバグの内容、そして最終的なクリアタイムの速さなどが大きな話題となりかなり長い間トレンド入りをしていた印象です。ゼルダRTA界隈にも触れている解説が分かりやすく面白いです。

・街へいこうよどうぶつの森
有名な借金返済RTAです。一気に同時接続者数が増えて初の1万人突破を果たします。twitterで切り抜きがいくつもバズったため、見たことがある人が多いでしょう。
アンキモRTA等に通じる目的の意味不明さに対するRTAとしてのガチさ、勝負の熱さ。RTA in Japan最大のターニングポイントの一つでしょう。

・夏色ハイスクル★青春白書
これまたRTAをするにはあまりにも意味不明のタイトルとそれに反する画面映えする内容でここでも大きな話題を呼びます。なんとここで初の同時接続者数2万人突破。バズの影響力をひしと感じます。
最初から最後までテンポのいいプレイングと諧謔味ある解説で飽きさせない。
またここまでのゲームの流れは実写ガンダム→ 摩訶摩訶→悪代官2→QWOP→ピカチュウげんきでちゅう→夏色ハイスクルというユニークゾーンに相応しいタイトルばかり。

・ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち
確かにドラクエ7だけどドラクエ7じゃないトンデモRTA。これぞ特殊レギュレーションRTAの真骨頂とも言える。RTA in Japan主催も関わるチャート成立の歴史も深みがある。

・ジャンボ尾崎のホールインワン・プロフェッショナル
本編もさることながら後半のおまけがやっぱり意味不明すぎる。こういう狂ったレギュレーションもたまに見受けられるのがRTA in Japan。
またTwitchチャンネルのエモートの”いいぞ。”の元ネタはこちら(厳密にはさらなる別界隈の元ネタはありますが)。いいぞ。

・ポケットモンスターORAS
恒例のプニュタ氏イトタカ氏の今度は走者解説逆のポケモンORAS。もう何回も参加しているだけあって安定感抜群。最初期からのイベント成長にも感慨深くなったりして歴史の厚みを感じられます。

・スーパードンキーコング
バグを用いて正規の順とは逆の順番でボスを倒すレギュレーション。バグが前提になっているだけあってゲーム性が滅茶苦茶、しかしプレイのレベルが高い上に解説が分かりやすいためエンタメ性が高められすぎる。


個別の紹介は以上となります。
RTA in Japanは期間中リレー形式で延々と配信が続いていくため、作業用のBGM的にアーカイブをとりあえず流しておくみたいな楽しみ方もできたりします。ここで紹介した以外にも面白いアーカイブはたくさんあるのでのんびりと流しつつ新たな発見があればと思います。

今年のRTA in Japan Winter 2022は12/26(月)~12/31(土)の期間で行われます。採用ゲームやタイムテーブルはhoraroで公開されています。

個人的な楽しみとしてはやはり久しぶりの64ポケモンスナップでしょうか。初っ端のバーガーバーガーもチャートの組み方が面白そうで楽しみです。大トリのSFCドンキーはもはや安定でしょう。
RTA in Japan注目のゲームに関しては恐らく開催直前に誰かのゲーム紹介ツイートが拡散されると思いますのでそれを参考にするのが一番良いのかなと思います。またデメントのように注目されていないタイトルが大きな話題になったりするので、今何やってるか知らなくてもとりあえず見てみると良い場面に出くわしたりするかもしれません。
約五日間ぶっ続け配信なので全部生で見るのは不可能ということで、無理せず気楽に見ていくのが基本です。年末の大掃除中とか、暇な時とかにでも配信を覗いてみるのはいかがでしょうか。


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