【嫌われる勇気】を読んでみた感想

長期に休んでいる最中ですが、月日はあっという間に過ぎていきます。

あまり読書する気力も沸かない中、以前から読んでみたいと思っていたアドラー心理学関連の書籍で、めちゃくちゃ話題になった【嫌われる勇気】を読んでみました。

ざっと読んでみた感じなので、著者の伝えたい内容と齟齬があるかもしれませんが、自分なりの感想を述べてみたいと思います。


まず感想の1つ目は、

【人は人の中でしか生きられない】ということです。

アドラー心理学では、すべての悩みは人間関係であると述べているように、何をするにしても人と人の関わりが生まれてくるということ。

極端な例かもしれませんが、例えば1人で家にずっと過ごしているとしても、日々食べるものを生産している人や、運んでくれる人、ガスや電気を供給してくれる人、はたまたその家を作ってくれた人など、生きていく上で誰かしら人が関わっているはずなのである。

だからこそ、人と人との関わりの中で悩みも生まれてはくるが、それと同時に、生きている喜びや達成感も人との関わりの中で生まれてくるとのこと。

一番わかりやすい感覚としては、誰かの役に立った時にものすごい喜びを感じることではないだろうか。

自分はこの感覚を欲しすぎているために悩む時もあるが、やはり誰かのために役に立てた時の喜びは計り知れない。

ただそれと同時に、役に立たない時の絶望感は果てしないないのだが、本の中に以下のようなことが書いてあった。

「誰かが死の瀬戸際をさまよっている最中、その人の生存を願うことは、その人が役に立つ人かどうかなど関係ない。生きていてほしいと願う気持ちの前に、役に立つ人かどうかの余念を挟む余地があろうものか。」

言い回しは違いますが、こんな感じのことが書かれていたように思います。

めちゃくちゃ府に落ちたわけではないですが、確かに死のうとしている人がいたら生きていてほしいと自然に思うかもしれませんね。それだけで、自分が生きていく理由になるかと言われるとなんとも言えませんが。

とまあ、人というものは、ひとまず生きていることだけで人の関わりの中にあることは間違い無いのであり、その人との関わりの中で他者に貢献することで生きる意味を見出していく生き物であるとのことだ。


そしてその1つ目の感想を受けて、2つ目の感想は、

【世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない】ということです。

人生を変えたいとか、このままの自分じゃ嫌だととか、とにかく現状をどうにか変えたいと思っていた自分は、何か人生のヒントになるための本を探していました。モヤモヤの塊が自分自身の中に蠢いていて、この先の未来は、このままの自分の考え方や生き方では明るく見えない。。。そう思い目に留まったのが、この「嫌われる勇気」というタイトルでした。

自分にもっとも足りていない力。嫌われる勇気。果たしてこの著書の中に、自分が求めている生きるヒントはあるのか。

ありました。それが2つ目の感想に挙げたフレーズです。

世界は、自分自身で変えていくもの。どんなに周りに生きるヒントが溢れていたとしても、それを自分が掴みにいかなければ変わらない。そういった、自分が行動しなければ変わらないという点がまずあります。このあたりについてアドラーは、【馬を水飲み場に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない。水を飲むかどうかは、その馬自身の問題である。】と述べています。

それと、もう一つの視点としては、周りが別に変わらずとも、自分自身が世界の景色の見方を変えることで、世界が変わるということです。この著書の内容で言えば、他人軸と自分軸を分けて考えるということを自分ができれば、世界は変わるであろうと考えられます。

人は人、自分は自分。冷たい表現に聴こえるかもしれませんが、端的に言えばそういうことです。自分の力では変えることのできない他人のことは意識的に自分の生きる軸とは別に置いておいて、無理に変えようとしない。その代わり、自分の生きる軸はきちんと保守する。

この世界のどこかに自分の世界をバラ色に変えてくれる何かがあるわけではなく、自分が世界に対して肯定的に接していくことでこそ、世界は変わっていくであろう。

では、どのように接していけばいいのかということのヒントに、アドラーは【他者貢献】を謳っています。他者貢献こそが、自分の人生に意味をもたらしていくための最大のヒントであろうと。


…と、その他者貢献とはどういうものかどうか等は、ぜひ著書を読んでみていただきたいのですが、最後に、この著書のタイトルについてですが、

自分の読んだ感想としては、

【嫌われる(ことを恐れないで生きる)勇気】

だと感じました。著者もそのような意図でつけたのかもしれませんが。

自分の人生を生きる中で、たくさんの人々の意見や思想とぶつかり合うこともあると思います。柔軟に周りの意見を取り入れていくことも大切ですが、自分が守りたいもの、貫きたい信念など、時には他者に嫌われてでも自分が正しいと思える人生を生きる勇気があるか、そのことを問われているような気がしました。

もちろん、自分の人生を生きる中でも、他者貢献が前提のもとにはなりますが、それは他者貢献に縛られるというネガティヴなものではなく、他者貢献の中に自分の人生を謳歌できる源があるのだと自分は感じました。

定期的に何度か読み直したくなる良著でした。気になる人はぜひご一読下さい!


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