黒猫茶トラ猫
奥沢神社にお参りすると、黒猫と茶トラ猫に会える日がある。
2匹とも、近からず遠からずの距離で陽に当たっていることが多い。
黒猫だけいて茶トラ猫がいないときもあるし、茶トラ猫だけがいて黒猫はいないときもある。
お賽銭箱の向こうの階段で2匹が例のごとく陽に当たっている。
参拝を済ませてからじっと茶トラ猫を見つめると、ゆっくり体を起こして階段を降りてくる。足元に擦り寄ってきた。これは撫でてよろしいとお許しをいただけた訳で、耳の後ろを撫で仕り候う。
喉を鳴らす音は聞こえない。満足している顔も見せない。しかし手を止めると首を回してこちらの顔を見る。再開する。
しかしいつまでも撫で続けるわけにもいかない。日曜の昼前の奥沢神社は、けっこうひとが絶えないのだ。スマホでこちらを撮影しだす群れが出来始めている。参拝の邪魔になってもいけない。意を決してバイバイ、と茶トラ猫に言って去る。
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