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ソーシャルワーカーのキャリアアップとして医療福祉人材の紹介・派遣会社TRYTを考えてみる【こんにちは福祉系上場企業③】

写真は、釣りに行った川原で撮ったネコヤナギです。花言葉は自由。凶木とされます。

この記事は、ソーシャルワーカーのキャリアアップとして、医療福祉系に特化した人材派遣・紹介を行っているTRYT(トライト)が一つの選択肢になりえるか考えてみます。
※福祉の理念とか価値とか、一切顧みないでお金のことだけ考えて記述しています。その点はご了解ください。

TRYTの特徴
この会社は医療・福祉系に特化した人材派遣会社で最近上場してます。

人材会社の儲けで、いちばんアツイのは介護士・看護師なんでしょうけど、リハビリ・栄養・相談員・医師なんかも対応していますね。

私みたいな、経営を知らないクッソ素人がみただけですけど、ホームページのIR情報や、みんかぶを見たりすると、優良な成長企業なんじゃないかなと思います。

ソーシャルワーカーのキャリアアップとしてどうか
私、この会社の営業(キャリアアドバイザー)ってケースワーク業務をしてきたソーシャルワーカーには向いているんじゃないかなっておもいました。

こういう福祉まわりの紹介ビジネスなんかでは、有料老人ホームの紹介相談員がありますが、有料の紹介の仕事は悩ましい面があります。カスタマーは、高齢者や家族ではなくって、マージンを払ってくれる施設だっていうのが現実ですからね。

なので、相談に来た人にとって一番いい施設を紹介するのか、一番高いマージンを払ってくれる施設を積極的にすすめるのかっていう天秤が存在します。そして、そんな天秤の先に、地獄をみてる高齢者が多数っていう現状もあります。

でも、人材紹介・派遣の場合、「ほしい」っていう事業所に、「働きたい」っていう人を紹介して金をもらうっていう行為自体には問題がないように思います。その内容がエグいだけですね笑

なぜ人材会社が必要なのか?〜ソーシャルワークが活きそうな理由〜
この会社の↓のサイトの「派遣のメリット」なんかをみると、介護職について、人材会社を利用したい人の気持ちが透けてくるところがあります。
ちょっと面白いのは、こういうときって、メリットを3つとか5つとか奇数個並べるもんですけど、メリット02で終わってる。他にないんでしょうね笑。
ごちゃごちゃと書いてあるけど、目立つのは、転職経歴に傷がつかないって前置きです。要するに、辞めることを前提に転職先を探したいってことです。


ある意味、まっとうな人(やさしい、おっとりしてる、まじめ、倫理観が高いなど)のまっとうさは、会社によっては、つまはじきにされる理由になったりすることがあります。

そういう会社に、個人エントリーで、いちにのさんで入職したら確かに大やけどします。だから、サクッと辞めれて、すぐに次の職場にいけるようにしてくれる後ろ盾がほしいっていう気持ちもわからないでもないです。

そういう理由の派遣労働者は全体の一部かもしれませんが、いずれにしても、就業上なんらかの事情がある状況ってことですね。どの職種にしても。ドクターなんかでも、「もう働くのしんどいからどっか楽な施設医ないかな?」っていう場合は、なかなか自分では探せないですもんね。

そんで、いろんな事情がありつつっていう人と、計画をつくって、サポートして、外部折衝して、モニタリングしてっていう、一連の仕事って、ソーシャルワーカー得意じゃん、ってことです。
また、そういう上っ面の話だけじゃなくて、多職種連携で殿(しんがり)を務めがちなワーカーは、いろんな職種の裏の顔や、現場の汚い本音をみてきています。そういう経験は、この業務において、相手の状況を理解したり適切な現場を紹介するのにアドバンテージがあるんじゃないかなと思います。

キャリアアップになるのか
はっきりいって、業界自体がきれいな現場じゃないはずなので、そもそもそれが嫌だっていう人には、アップというか、キャリアになりようがないと思います。家で死ぬからいいよとか言ってるおじいちゃんに「在宅は限界」とか嘘ついて施設入所を説得する現場とどっちが汚いかは、価値観しだいですけど笑

ひたすらお金っていう面ではどうかっていう観点で下の募集要項をみてみましょう。

資格も学歴も不要ですね。また、アイデアがなければ、どぶ板営業をせざるをえない気配も感じます。
「貪欲」って言葉、久しぶりに聞きました。欲をむさぼるですからね。うちの施設に貪欲な営業きたらいやだわー。
あ、あと、下品な言葉遣いでは私も負けるわけにはいきません。こんど、貪婪(どんらん)っていう言葉を使いたいと思います!

どぶ板以外に、アプローチ方法が見つけられなければ、その人は社福のキャリアも活かせないでしょうし、営業の才能はないってことですね。その際はとっとと辞めたほうがいいでしょう。とっととヤメ太郎です。
器用にやれば700万くらいはいくし、ぜんぜんダメなら500万に届くかどうかもわからんっていう感じでしょうか。紹介を1件とって100万の売り上げだから、1ヵ月60万ほしいなとおもったら、月に7,8件は成立させたいところ。急性期病院のMSWの業務量くらいでしょうね。

この手の仕事をしておくと、M&Aの仕事につながってくるかもしれません。体力的に厳しい事業所が手に取るようにわかりますし、事業所のトップとつながりができますから。
おそらく、このあともインフレやAI時代を背景に、弱小の事業所は整理される、医療福祉のM&Aブームは続くでしょうから、うまくすれば、正直不動産の桐山みたいになるかもしれませんね。ぜんぜんソーシャルワーカー関係なくなっちゃったけど笑。ソーシャルブローカー。

この会社の展望を考えてみる
人材系の会社って、人手不足の業界のほうが楽だと思います。買い手の需要があるほうがブローカーは楽にきまってますから。2040年までは高齢者人口が増え人材不足が予測されているので、そこまでは、人口構造的な点では、成長しそうな気がします。

だけど、派遣労働制度は、もともと柔軟な労働力の調整のためにってことで、規制が緩和されてきた経緯があります。医療・福祉の業界なんか柔軟な調整ができるといいというか、飢餓状態じゃないですか。

紹介料にしたって、払う側からしたら、100万の根拠ってなに?って感じで、もらう側の「ほしいから」ってだけでしょう。人材教育なんてほとんどお金かけてないんだから。

だから、医療福祉業界では、派遣労働者制度や紹介っていう枠組みの意義がそもそも失われているわけです。私は、派遣労働者制度については、医療福祉は規制の対象を拡大したほうが健全な社会になると思います。そういう意味では、法改正の可能性を見積もるなら、この事業の持続性のリスクにはなると思います。

それから、本当は各事業所が、いろんな状況や性格の人の、柔軟な受け容れ方を開発して、退職する際も思い遣りみたいのがあれば、本来労働者が派遣会社を頼ったりする必要もないんだと思いますけどね。
だけど、これも無理でしょ。甲子園で野次ってる人に「野次らないでくださーい」って注意するようなもんですわ。

まとめ
この会社については、金を稼ぐってことでは、なんとなくおもしろそうな気がします。私が若かったらやりたいなって思うかもしれませんし、思わないかもしれません。

ソーシャルワーカーをやってると金を稼げないって状況に息苦しさを感じることもありますが、こういう仕事を知っておけば、金をそこそこ稼げる現場はあるよ、っていうファクトの認識にはなりますね。それなのに、ソーシャルワーカーをやるっていうなら自分が選択した結果として受け入れやすくなるかもしれませんね。
総合病院なんかでも、医者は、急性期で勤務医やってるよりか、慢性期や美容なんかにいったほうがコスパはいいのに、急性期で長くやる医師もいたりしますから。


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