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政策論集7 「戻り校」促進制度改め「だれでも習熟度テスト」

 勉強というものは10代のうちは往々にして「なんでこんなことするんだ」と思うものである。
 そして、いわゆる「七五三」(小学校3割・中学校5割・高校7割)の脱落者を生むといわれている。

 しかしながら、社会人になった後にいざ勉強しようとしたときに、大学に関しては放送大学があるが、それ以前の学校については勉強する手段が「自学自習」によらざるを得ない。

 例えばこちらの記事のように、なかなか苦労する羽目になる。

 となると、何らかの理由で10代のうちに勉強がうまくいかなかった人の逆転が困難ということになる。

 となるとどうすればいいか。

 「戻り校」すなわち、「必要に応じて小学校からやり直す」ことを助成する仕組みが必要になる。

 まず小学校から高校までの「習熟度テスト」を用意する。
 これは一定の年齢に達すれば、希望すればだれでも受けられるようにする。まあ年齢的には25歳くらいでいいだろう。このくらいであれば「強制」されることがそれほど多くはないからである。(あったとしたらそれなりに深刻な「社会参加ができない状態」であろう。)

 当然このテストは「学びなおす必要を感じた人」が受けることになる。

 そのうえで、各科目でどこでつまずいているかを発見し、その学年の授業まで「戻って勉強する」権利を与える。

 例えば、中学2年の数学がわからなければそのレベルまで「一回戻って勉強する」ことを可能にするのである。

 もちろん強制はしない。

 例えば公立学校で小学生に混ざって勉強するというパターンにした場合、ひょっとしたら学校の治安維持にも貢献するかもしれないし、大人がヒイヒイ言いながら勉強しているさまは意外と子供にとっても「勉強する」という意欲を向けるかもしれない。

 また、これをたとえば一定程度の水準を満たした塾などにする場合、新たな産業が生まれることになる。
 少なくとも現状の「多すぎるよくわからない大学」よりよほどましであろう。なにしろ「研究教育」ができるような状態でない学生に「研究教育」という不毛なことをせずに「基礎的な学習」に徹することができるのだから。

 そして、わざわざそうするに至った大人の学習意欲は高い。
 なにしろ、わざわざ「習熟度テスト」を受け、「戻る」覚悟をした人間である。当然そこからの習熟は早いであろうし、その先の「研究」や「技術習得」「実践」なども有意義なものとなる。

 私立の塾などにする場合は当然それなりの助成をすることになるが、そもそも、だれが受けてもいい習熟度テストを行うだけでも、学びなおしに大きな可能性を見出すと思われる。