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②パプテマス・シロッコ(コーエー世界史風に数値化してみたシリーズ)

 ↓前回の記事のつづきです。

 さて、今回は「パプテマス・シロッコ」です。
 一般的に「頭がいい」といわれていますが、果たして「知力」はいかほどになるのでしょうか。はたして彼の「天職」とは何でしょうか。そういったことも考えてみたいと思います。
 参照作品は映像作品である「機動戦士Zガンダム」に準拠しています。

統率・・・57
 パプテマス・シロッコの統率力を評価する。
 彼はジュピトリスという大型戦艦で木星という極めて遠いところまで航海を行い、資源を採取して無事に帰還している。この一点で最低限の統率力はあると思われる。
 しかしながら、ジュピトリスで苦楽を共にしたメンバー以外のメンバーの割合が増えると、失策が目立つようになる。
 特に致命的なのは、ジャミトフがある程度上手に飼いならしていたバスク率いるドゴスギア艦隊に離反されたことだろう。この点ではハマーンと同質といえ、それほどでもない。それどころか、法的に「地球を支配するだけの根拠」をある程度持ちながら瓦解してしまったのはいくらかハマーンに劣ると言えよう。もともとの部下もハマーンと比べ弱兵ばかりということもなく、不協和音がそれなりにあり、上手とは言えない。艦隊レベルの統率でちょこちょこ下手を打っている。ハマーンには少し劣るが普通レベルよりはましといえるので統率は「うまくはないが普通よりはまし」の57とする。

武力・・・52
 パプテマスシロッコのMSの操縦能力を評価する。
 彼がMSに乗って登場する最初のシーンは「メッサーラ」を駆ってエウーゴとティターンズの前に現れるということである。当時のメッサーラはほぼ初の「可変機」であり、機体そのものは革新的であり、それがゆえに百式を圧倒しているものの、勝負というほどのことはできていない。最低限の能力はあるが、それ以上であるとは言えない。また、ハマーン・カーンの項目でも書いたが、キュベレイ1機に対して「一時代先レベルのMS」含む最新鋭機3機でかかったにもかかわらず苦戦している。相当なNT能力とそれを生かせる機体があってもそのレベルなので、MSの操縦技量という点ではハマーン・カーンには大幅に劣り、少なくとも宇宙世紀で上位の腕前とは言えない。劇中でネームドキャラを打ち取ったわけでもなく、一時代先のレベルのMSに乗ってようやく当時の新鋭機であるZガンダムと互角である。カミーユがそれなりのエースクラスだったことを考えると、そのレベルにはない。
 それでもバイオセンサーの奇跡を引き起こしたカミーユに打ち取られるまでは生きており、そのことを考え、「一応普通レベル」の52とする。

知力・・・54
 パプテマス・シロッコの知力を評価する。
 知力については、ティターンズにジュピトリス艦隊を売り込む時期とアポロ作戦、ジャミトフ暗殺のタイミングでこの地力が生かされている。アポロ作戦は味方を出しぬくという意味でも見事であり、この一点をもって一定水準の知力はあるといえる。しかしながら、ティターンズを掌握するとその判断能力は明らかに低下しており、独断専行していたバスク・オムを打ち取るために少なくない部隊を派遣したせいでグリプス2を奪取されたうえに大量の「遊兵」を出してしまう。これは結構致命的なミスで、結局落とせなかったグリプス2から発射されたコロニー・レーザーで敗戦が決まっている。彼の場合は地球の統治機構とティターンズの相当な部分をジャミトフ暗殺後に「合法的に」掌握しており、ハマーンのように「そもそも人材難だった」という言い訳も難しい。
 それでも、アポロ作戦の知力を評価し、ハマーンと同等の「ふつうだけど少しマシ」レベルの「53」とする。

政治・・・51
 パプテマス・シロッコの政治力を評価する。
 彼が政治力を発揮したのはメッサーラでの「示威行為」、アポロ作戦、ジャミトフ暗殺といったところであり、上位者に自分を売り込む能力に関しては一級品である。
 しかしながら、自らが国家レベルの組織を率い、外交をする段になるとボロが出ており、アクシズに手玉に取られてグリプス2を失っている。それ以前にも(主としてジャミトフのせいだが)ゼダンの門を失っており、そのことが後々シロッコがティターンズを率いる段になると大きなマイナスになっている。
 まとめると、自分を売り込むことと謀略はできるが、外交が致命的に下手であり、その点を総合的に判断し。「一応上手といえる」63とする。

魅力・・・78
 パプテマス・シロッコの魅力を評価する。
 魅力については、とにかく人を引き付ける能力が高かった。
 彼と直接会ったもので彼のために死んだ者は少なくない。サラ・ザビアロフ、レコア・ロンドのみならず、結果的にはジェリト・メサや間接的にはマウアー・ファラオなども彼のために死んでおり、ヤザン・ゲーブルも懐柔している。また、ジャミトフに取り入ることができているのも彼の魅力ゆえだろう。
 ほかの能力がないのにこれほどの人を引き付けられるのはひとえに「魅力」といえる。とはいえ、バスク、ロザミア、ゲーツなど引き付けられなかったものもおり、国家的とまでは言えない。総合的に判断し、「十分に一流」レベルの「78」と判断する。

特殊能力
 ニュータイプA ニュータイプ専用MSを文句なく乗りこなせるが、奇跡は起こせない。
 エンジニアリング   一時代先のMSを生み出すことができる・

正しい使い方・・・「スーパーエンジニア」
 おそらく宇宙世紀でもとびぬけたMSの開発者である。
 彼の設計したMSはメッサーラ(ほぼ初代可変機)、ボリノーク・サマーン(優秀な強行偵察機)、パラス・アテネ、(優秀な対艦専用機)、そしてジ・O(一時代先のMS、νガンダムに近いレベル)と、とにかく優れたMSを量産しています。それもジュピトリスの限りある資源でである。艦隊指揮官や組織のトップをやりながらこれですから、専念していればどれほどのものができたかは想像がつかないレベルである。
 しかしながら、彼は中途半端に木星で「目覚めて」しまったばっかりに「天下」を意識してしまい自滅する。そのさまはまるでもともとエンジニア中心の企業でありながらその魅力をちやほやされて「WOKE」し、挙句自滅しそうになったTWITTERの姿にかぶる。特にエンジニア畑の人が社会科学などを語るときには彼の姿を反面教師にするといいだろう。

 以上、雑な部分はあるかと思いますが、「パプテマス・シロッコ」を数値化してみました。