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grey gray

空が灰色で無音だ。

こんな日は早く過ぎる事を願ってしまう
太陽の光の偉大さを感じる

私にとって大した日では無い日が誰かにとっては人生で特別な日であったりするから泣きそうになる


スーパーに向かったら道端に”ご自由にお持ち下さい”と書かれてダンボールに食器が重なっていた
2人ほど先客がいたので先に買い物をしてから見てみようと思った


濃紺に金の縁取りが目を引いたお皿は買い物を終える頃にはお持ち帰りされていた

何かしらの事情でここにある食器に一種の切なさを感じた
ラッキー!とは手放しで思えないが手に取っている自分が少し恥ずかしい



後ろからおじ様に「カレーとかに使える食器がこっちにもあるがもらってくれたら嬉しい」と声をかけられた
道を挟んでシャッターのしまったテナントへ案内される(つねきち商法?!と一瞬よぎった自分の頬を叩きたい)

早く処分したいけど捨てるのは勿体ないから•••と言うおじ様にどういう事情で、なんて聞けるはずがなかった
あまりに立派な陶器の食器だったのでおいくらでしょうかと恐る恐る尋ねてしまった(失礼だったかもしれない)

大切に使わせていただきますと伝えた

買い物袋と合わせると重すぎる帰り道の手荷物は、私にとって大した事ない日から覚えていたい特別な日になる理由には十分だった

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