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龍孫江の環論道具箱

環論の初歩について,基本事項をまとめます.環論を学び始めた人,もう少し良く知りたい人におすすめです.月6回ほどの更新と,おまけテキストを載せる予定です.
環論の初歩について,基本事項をまとめます.教科書にはあまり書かれない細々とした計算や寄り道っぽい話…
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2024年4月の記事一覧

剰余環の普遍性〈龍孫江の環論道具箱〉

 前回は「準同型の経由」という関係を紹介しました.今回は,この関係を利用して剰余環(と自…

準同型の経由〈龍孫江の環論道具箱〉

 前回,いよいよ剰余環を構成した.前回までの話は,そもそもの動機づけを準同型(が導く同型…

演算と同値関係〈龍孫江の環論道具箱〉

 イデアルによる剰余類を導入し,この剰余類の空間$${A/I}$$に環構造を(できるだけ自然な形…

整数の剰余類〈龍孫江の環論道具箱〉

 前回はイデアルによる剰余類を導入し,準同型の核$${\ker f}$$の剰余類は$${f}$$が定める同…

ベクトル空間って何ですか?──公理とその役割

 数学科でどんなことが行われているのか,コミカルに,しかしかなり具体的に描かれているマン…

環論道具箱ダイジェスト(01~10回)

各見出しから,各回の記事へと飛べます.マガジン 龍孫江の環論道具箱(月額400円) または …

剰余類〈龍孫江の環論道具箱〉

 前回は,環準同型$${f \colon A \to B}$$を足場にして,剰余類の全体$${A/\ker f}$$に環構造を定めました.これをより広げていくことが当面の目標です. 補題(イデアルが定める同値関係) $${A}$$を環,$${I}$$をイデアルとする.次で定義される$${A}$$の関係$${\sim}$$は同値関係である. $$ x \sim y \iff x-y \in I. $$

誘導される演算〈龍孫江の環論道具箱〉

 前回,全単射が誘導する演算と称して,環$${A}$$とある集合$${B}$$の間に全単射$${f : A \to…

新たな仲間に進める何冊か(2024年の春に)

 以前「新たな仲間に進める3冊」として,これから数学科に進学する人,数学を学び始める人に…