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誰かにとっての駄作が自分にとっての駄作とは限らない。逆も然り。

こんにちは、Ianです。

音楽が好きな人は日々、新しいアーティスト、新しい作品と出会うと思います。
次に聴く作品を選ぶ一つの判断材料として、人のレビューがあります。
もちろん、時に役立ちます。おかげで良い作品に出会えることもあると思います。
でも、人にとって良い作品が自分にとって良い作品とは限らないし、人にとって駄作とされているものが自分にとってもそうであるとは限らない。そんなことを今日はぐだぐだと語ってみます。

やっぱり、良い評判のものもそうでないものも、ちょっとでも気になったら聴いてみるべきだと思います。
いくつか個人的な例を挙げます。

Sonata Arcticaというメロディックスピードメタル(いわゆるメロスピ)のバンドを、僕は中学生、高校生の頃によく聴きました。そして当時のファンを落胆させ、駄作と悪名高い「Unia」というアルバムと、不朽の名作として名高い「Silence」というアルバムがあります。一応断っておくと、僕は生粋のメロスパーではありません。メロスピは好きだけれど、スピードが命、クサメロのギターソロが必ずないといけない、という原理主義的メロスパー(今どれほどそういう人いるのかは不明ですが少なくとも当時はたくさんいました)ではありません。
そんな当時のメロスパーにとって、圧倒的なスピード、押し寄せる美麗なメロディの洪水、唸るボーカル、トニー・カッコのハイトーン、ギタリスト、ヤニ・リマタイネンの流麗かつテクニカルなギターソロを随所に散りばめた、メロスピの一つの到達点とも言える「Silence」は不朽の名作でした。一方で、スローテンポな曲が多く、前作「Reckoning night」で片鱗を見せていたプログレッシブ路線を全面的に押し出した「Unia」は多くのファンを失望させ、駄作のレッテルを貼られていました。
更に、当時、新世代のギターヒーローとして注目を浴びていたヤニ・リマタイネンが参加する最後のアルバムになってしまいました。
しかし、僕はどちらが好きかというと、「Unia」の方でした。むしろ「Silence」はそれほどハマらなかったのです。Uniaについては、発売当初、重厚で深い世界観に浸かり、まだ行ったことがなかったフィンランドの冬に思いを馳せました。今でもSonata Arcticaで一番好きな作品です。

次に、全然違うジャンルになってしまいますがMr.Childrenの作品について触れたいと思います。
Mr.Childrenといえば、日本では知らない人がいないほどの超人気バンドですね。
僕にとっては音楽に触れるきっかけの一つとなり、メロディの大切さを教えてくれたバンドです。
彼らは1997年、人気絶頂期に活動休止を宣言し、1999年に復帰後初なるアルバム「DISCOVERY」をリリースしました。超人気曲である「終わりなき旅」を収録しているのですが、世間的なアルバムとしての評価はいまいちです。ハードロックにも近い、骨太なロックサウンド、どこか厭世的で暗い作風が、それまで(そして以後)の「ミスチル像」とかけ離れていることが原因だと思われます。
そして続いてリリースされたアルバム、「Q」はセールス的には当時のMr.Children基準では少し奮いませんでしたが、コアなファンからは非常に愛されている印象です。このアルバムの特徴は、なんと言っても多彩であること。「口笛」のような彼ららしい王道バラードを収録しながら、肩の抜けた実験的とも言える作品がたくさん収録されています。この多彩さが、多くのファンを惹きつける要因です。当時まだ見せたことがなかった一面、そしてもう見せることがなくなってしまった一面を見せてくれるアルバムです。
ですが個人的には、正直、「Q」はそれほど好きなアルバムではありません。一方で、「DISCOVERY」はミスチルの中で1、2を争うレベルで好きなアルバムです。ポップな印象のミスチルが当時様々な葛藤を抱え、苦しみながら、もがきながら全力でロックしている「DISCOVERY」が、僕はたまらなく好きなのです。当の桜井さんは、あまり気に入っていらっしゃらないようなのですが。

最後に、BUMP OF CHICKENの2014年にリリースしたアルバム「RAY」は新規のファンをたくさん獲得したきっかけともなり、特に若い世代のファンからは好きなアルバムとして挙げられることも多いけれど、個人的には正直なところ全く好きではありません。むしろ彼らの作品の中では圧倒的に一番聴かないアルバムです。好きな曲もあるのですが。反対に、それほど人気ではなく存在感がない「COSMONAUT」は僕にとっては一番好きな作品です。

こんな感じで、人によっての傑作が自分にとってそうである保証はないし、人にとっての駄作が自分にとっては傑作かもしれません。とにかく、聴いてみましょう。いろんな音楽に触れてみましょう。

それでは、à bientôt !

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