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雑草との戦いの火ぶた

土あるところに草は出る。ビルだらけの都会の、アスファルトの隙間からタンポポの黄色い花を見たら、、、。大概の人は、こんなところによく咲いたなと感心する。中には写真に収める人もいるだろう。

でも、それがタンポポではなく、普通に茂る雑草だったらどうだろう。花も咲かず、ただ緑の草。

それでも、場所が都会の街中だったら、感動する人も中にはいるかもしれない。

それが、自宅の庭ならどうだろう。思い思いに伸びた雑草。感動する人は、雑草の研究者か意識的に雑草を求めている人か、どちらかだろう。一般的には、自宅の庭の雑草を歓迎する人はあまりいない。

私も、もちろんそうである。

今までは、歓迎はしないとはいえ、積極的に草を取ることもしなかった。お勤めの仕事をしていたこともあり、忙しさを理由に、気にしないようにしてきた。あまりにもひどい時には、雑草剤をまくとか、上の方をブシッとむしるくらいはしたかもしれないが、、、。

その私が、昨年から、草むしりをするようになった。休みの日に、何となくやってみたら、実に頭の中がスッキリしたのだ。それから、草むしりに、ハマったような気がする。そうは言っても、草むしりをすると、手は汚れる、爪の間に土が入る、腰が痛い、、、等、嫌な要因もたくさんある。それでも、話のネタを考える時など、頭が整理されてくるし、何より、草を取った後の「成敗感」が清々しい。

昨年は、突然、草むしりデビューをしたので、作戦も立てず、我武者羅に草と戦った。兎に角、目に付いたものを取るという感じだった。そんなむやみやたらな草むしりだったので、敗北感を感じたことが幾つかあった。

一番大きな敗北感は、「ヨウシュヤマゴボウ」だった。
「ヨウシュゴボウ」は、茎が太く、ブドウのような実がなる。私にしたら、実に不気味な形状だった。背丈は、1メートルを超えたと思う。その存在感に圧倒されて、なかなか抜けずにいた。そのうちに、「ヨウシュヤマゴボウ」の太い茎が、乾燥してゆらゆら揺れるようになり、ブドウのような実から、たくさんのタネがこぼれた。
「何故、抜くのを躊躇したのだろう」
唖然としながら、敗北感と共に、その様子を眺めた。あれは、今年、一斉に芽を出すのだろうか。考えただけでもおぞましい。

今年も、私と雑草との戦いの火ぶたが切られた。でも、今年は、去年の経験がある。「ヨウシュヤマゴボウ」がたくさん出た場所もわかっている。先ずは、そこから攻めよう。今年、芽を出す前に、昨年の残骸を根こそぎ取る。その上で、新芽が出たら、一気に成敗だ。
多分、相手もそれがわかっていて、圧倒的な数で勝負してくるだろう。でも、負けないぞ。

ここからが、楽しみである。


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