見出し画像

創造主と作品の位置が入れかわるとき~『推しの王子様』。7月27日の日記

昨夜0時近くに寝て、今朝6時すぎに起きる。一度も目が覚めなかった。最近はよく眠れている。掛布団を夏用のものに替えたからかしら。

ご飯を炊いたり用意したりするのがだるくなり、冷凍してあった味噌汁と、パルシステムの冷凍チャーハンを温めて食べる。

今日は台風接近という予報だったが、東京のほうは大丈夫だったよう。が、風が強く天気も不安定だったので外には出ず。お昼はまたウーバーを利用。ウーバーのEatsパスに入って2週間、結構使ってて、もう700円分も得している。あと半月の間に使いまくろう(Eatsパスは一カ月無料なので)。今日は前にも頼んだことのあるタイ料理の店でレッドカレー。おいしかった。豚肉と茄子などの野菜がごろっと入っていてボリューミー。なにより量が結構あるのがうれしい。私の場合、ある程度の量がないと満足感がないので。。。

仕事は重めの原稿を上げる。文字数がかなり多くなってしまったが、今回は盛り込むべき要素が多く、私にはどこを削除すべきか判断できなくなっていたので、そのまま提出。明日なにか反応があるだろう。

オリンピックのメダルとかで盛り上がってるようだが、東京の感染者は3000人に迫る勢い。3000人の大台はあと数日で突破するだろうし、この連休やオリンピック中の人出を見ていると、4000人、5000人と増えていくことも考えられる。それでも高齢者はワクチン接種済みの人が多いから、重症者は少なくなっているよう。とはいえ感染者が増えたら入院する人とかも増え、医療崩壊の危機にさらされているわけだが・・・。どっちみち私は、前にも書いたように、2回目のワクチン接種が8月頭なので、それまでは絶対感染したくないという感じ。あと、ワクチンパスポートというのも、接種後すぐに申請しようと思っている。というのは、ワクチン予約のときでよくわかったが、こういうのはとにかく「早く」申請したほうがいいから。時間が経てば経つほど申請したい人が増えていき、そうなるとシステムがパンクして遅延したりしてしまう、この国は。ワクチンパスポートがないと自由に海外旅行できない、みたいになるのは目に見えているので、とにかく私は一日も早く自由に海外旅行がしたいので、すぐにワクチンパスポート申請しようと思ってます。

録画していたドラマ『推しの王子様』を二話分観る。期待してなかったのだけど、すごく面白い。これ、ラブコメというよりお仕事ドラマだよね。 比嘉愛未演じる乙女ゲーム会社の社長・日高泉美が、自ら「推し」がいて乙女ゲームが大好きで、それで会社をはじめてしまったという情熱のある女性を好演。私は、女性がはっきりとした意思を持って働いている姿を描いたドラマというのはすごく好きなので、好感を持った。

一方、渡邊圭祐演じる航は、顔がイケメンなだけで教養やマナーのないダメ男、みたいに描かれているが、おそらく彼はある種の機能不全家族に生まれ育ち、ネグレクトみたいな虐待をされて、一般の人より教養がないという状態になってしまったのだと思う。そうなると当然普通に会社勤めもできず、非正規のバイトにしかありつけず、そのバイトもあっさりクビになってしまう。

まだ23歳の航は言う。「夢なんて持っても無駄だ。なにやってもうまくいかない。終わってんだよはじめから。居場所なんてどこにもない」

親のせいで十分な教育を受けられないと、このように居場所を奪われ、仕事も収入もなく、とんでもない人生を送る羽目になる。つまり被害者、社会的弱者だ。だが本人は「自分のせいだ」と思い込んでいる。

そこに現れたのが泉美。彼女は航を、乙女ゲームのヒーローよろしく「自分が育ててやろう」と思い、航を会社に雇い入れる。一般常識がない航は苦労することになるが、泉美の情熱や、会社の人々が「推しに夢中になっている姿」に魅力を感じ、会社でがんばろうと決意。これは航にとっても人生のチャンスなのだ。航は泉美によって美容院に連れていかれ、洋服も買ってもらい、乙女ゲームのヒーローのような「王子様」に外見上はなることに成功する。

こういう「ピグマリオン」的な話・・・つまり「創造主」みたいな人間がいて、自分より弱い立場だけど魅力のある人間を「育てよう」とする話、というのは結構いっぱいあるけれど、私が真っ先に思い浮かべるのは栗本薫の『真夜中の天使』だ。

この作品では、滝俊介という凄腕のプロデューサーが、今西良という不良少年だけどダイヤモンドの原石みたいな少年に出会い、彼をプロデュースして大スターに育て上げる。二人の間にはさまざまな愛憎劇がある。当初は滝に逆らえなかった良だが、スターとして有名になり、さらに結城という愛人を得ると、滝のもとを離れようとする。それでも滝とのビジネスの関係は継続している。けれども、滝のほうは良の存在を渇望しており、やがて3人のバランスは崩れ始める。この小説は、こんな残酷な文章で終わっている。

「いま、作品と創造主の位置はゆるやかに、しかし完璧に入れかわりおわった。これからは、良こそが王──神であり、滝を支配しあやつるものなのだ。」

良はその魅力で、自らの「創造主」である滝をもあやつるようになってしまった。滝はその魅力にあらがえない。

このように、「創造主」と「作品」の逆転ってしばしば起こる。そう考えると『推しの王子様』の展開も読めてくる。おそらくは航が教養やマナーを身に着け泉美の「理想の王子様」となった時点で、彼はSNSだとかで話題になり大スターとなり、泉美の手の届かないところに行ってしまう。泉美のもとに残るのはディーン・フジオカ。まあドラマだから、それでも航が泉美のもとに戻ってくる、という展開になるのだろうけど。ああもう私って、毎回毎回ドラマの展開を読んでしまって、ダメだね!!でも、展開が予想できてても楽しいドラマは楽しいのよ。これ、逆にヒロイン深キョンじゃなくてよかったかもね。深キョンだと「キャリアウーマン」という感じがうまく出せなかったんじゃないかなあ。

ああ、今日も長々書いてしまったわ。おやすみなさい。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?