松永炎上/成人式。1月10日の日記

13時ころベッドを出る。この時間に起きるのが普通みたいになってきた。やばい。コーヒーを淹れて洗濯。ご飯を炊き、洗濯物を干し、豆腐となめこの味噌汁を作って食事。録画した『その女、ジルバ』を観る。池脇千鶴が40歳の人生崖っぷちのヒロインを好演していて面白かった。「女は40から、人生を楽しまなくちゃ!」の台詞には「そうだそうだ!」と共感。

部屋に掃除機をかける。今日は出かけず、家でネットしたり本を読んだりと相変わらずだらだら過ごす。

お風呂に入り、『麒麟がくる』を観る。神回だった。信長に反旗を翻した松永久秀。密かに松永を訪れた十兵衛は松永を説得しようとするも、彼の決意は固かった。松永は自身が所有する茶道具「平蜘蛛」を十兵衛に託すという。平蜘蛛は「天下一の名物」といわれており、信長も欲しがっていた。松永は平蜘蛛を太夫に預け、自分が敗れたら十兵衛に渡してほしいという。信長との戦に敗れた松永は、茶器に火をかけ、自刃して果てる。このシーンの吉田鋼太郎が凄まじかった。

信長に呼び出され、平蜘蛛の在りかについて尋ねられた十兵衛は、知らないと答える。信長に嘘をつくことは裏切ることになる。しかし十兵衛は、盟友である松永が大事にしていて自分に託してくれたものを、あっさり信長に差し出すわけにはいかなかったのだろう。十兵衛が嘘をついたことにより、信長は十兵衛に対し不信感を抱いてしまう。

暗い部屋で、太夫から平蜘蛛を受け取る十兵衛。突如、気づく。平蜘蛛を自分に託した松永、そのことを信長に言わなかった自分。これこそが松永の狙いだった。平蜘蛛は、松永の罠だったと。それに気づいた十兵衛は、狂ったように笑い始める。長谷川博己の狂気の演技がすごい。

一般的には、松永は「爆死」したとして知られている。しかしその真偽は定かではなく、ドラマでも爆死としては描かれなかった。けれども松永は平蜘蛛という爆弾を十兵衛に送り届けて死んだ。それは、自分にできなかったことをお前がやってくれと、信長を討ってくれという松永のメッセージだ。太夫により、松永が平蜘蛛について語っていた言葉が語られる。「この器を持つ者は、それだけの覚悟を持たなければならない。心が美しく、誇り高く・・・」松永は十兵衛をそれだけの人物だと認め、平蜘蛛を託した。十兵衛なら、信長を討ち、麒麟がくる世の中を作ってくれると信じたのだ。十兵衛の妻・熙子も、「麒麟を呼ぶ者が、十兵衛様、あなた様であったなら」と言い残して死んでいく。ここで十兵衛は、道三や信長といった人物に仕えて麒麟がくる世の中を待つのではなく、自ら動いていこうというスイッチが入るのではないだろうか。

松永と十兵衛は、第一話目で早くも出会い、意気投合している。二人が酒を酌み交わすシーンはとても印象的だった。吉田鋼太郎と長谷川博己は、昔から舞台でもドラマでも共演している旧知の仲。そんな二人、どちらも酒好きのようだし、たぶんプライベートでもこんな感じで二人で飲んだりしたんじゃないかな、長谷川さんが吉田さんに飲んで絡んだりとかって絶対ありそうだな、と感じられて、微笑ましかったのだった。松永と十兵衛の関係性が、「平蜘蛛」を通して本能寺の変につながっていくとは。なんかこの脚本、本当に神がかってる。

今日は成人式。コロナで中止になったりもしているようだが、うちの姪っ子は無事に挙げられたようで、振袖姿の写真が送られてきた。可愛らしい。赤ん坊だった姪っ子が成人式・・・感慨深い。私も年を取るわけだ。

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