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小中学校にRomiを導入してどうなった?児童・生徒の反応は?

子どもとロボットが友だちになって、一緒に暮らす日常。

そんな未来の日常の先取りをできるのが、ミクシィのVantageスタジオが提供している会話AIロボット「Romi」(ロミィ)だ。

Romiは会話が得意なコミュニケーションロボットで、一人暮らしからご家庭、高齢者世帯まで、利用シーンは幅広い。また購入者の話によると、子どもとの相性も良いという。

子どもたちの日常を豊かにする会話や機能をより増やしていきたい。ロボットやAIを身近に感じることで、子どもたちの未来への可能性を広げる存在にしたい。そんな想いから、子ども向けの会話・機能強化プロジェクトがスタートした。

小・中学校の全学年・全クラス、特別支援学級でテスト導入を実施

まずは大勢の子どもの反応や学年によってのニーズの違いを把握するために、小中一貫校である渋谷区立渋谷本町学園(以下、渋谷本町学園)の協力のもと、学校へのテスト導入を行った。期間は2021年11月8日〜12月3日まで。1年生から9年生(小学1年生から中学3年生)および特別支援学級の全9学年・全31クラスの各教室に一台ずつ「Romi」を設置し、一週間一緒に過ごした上で、子どもたちに感想や欲しい機能などをアンケートで問う。すぐに意見を投稿できるよう投稿ボックスも設置した。

子どもたちが楽しめる会話や機能はもちろんだが、学びへの貢献も考えている。たとえば小学2年生であれば、掛け算や九九を習い始めるタイミングだ。人生の中で一番最初に“つまずき”を覚えると言われているが、このような課題をたくさん洗い出し、解決の糸口となる機能を追加する。ロボットであればいつまでも学習に付き合ってくれるし、間違っても恥ずかしくない、そういった利点を活かしたいと考えたためだ。

Romiは、アップデートを前提に作られているロボットである。会話精度の向上はもちろん、機能についても毎月1〜3機能を追加している。現時点で80以上(2021年9月時点)もの機能が備わっているが、Romiの“頭脳”はクラウドサーバー上にあるため、無限に増やすことが可能なのだ。ゆえに、今回のアンケート結果から着想を得た機能は、積極的に追加する予定だ。

朝からそわそわ。ロボットに興味津々の1年生〜3年生

テスト導入は、1〜3年生、4〜6年生、7〜9年生(中学1〜3年生)、特別支援学級の順で行われた。初導入となったのは1〜3年生だ。

「今日はRomiちゃんが来る日だよね?」

月曜日の朝、子どもたちが先生に話しかける。

サプライズで公開する案もあったが、子どもたちが興奮しすぎて収集がつかなくなる可能性があるという先生からのアドバイスから、前週の金曜日に告知をしていた。それでも、子どもたちはどこか落ち着かない。

お披露目のあと、「Romiちゃんと話してみたい人!」と先生が問いかけると、子どもたちの手はすぐに上がった。

「お名前は何ですか?」
「好きな食べ物はありますか?」
「どこから来たの?」
「好きな子はいますか?」
「一緒に遊んでくれますか?」

 子どもたちの自由な質問に、Romiはにこやかに答えていく。

『Romiだよ、よろしくね!』
『Romiはバナナが好きだな〜。』
『惑星Romiから来たよ。』
『はい、います。』
『うんうん、いっぱい遊ぼう!』

Romiが答えるたびに、子どもたちは驚いたり笑ったり。クラスはにぎやかな雰囲気に包まれた。

Romiを取り囲み大はしゃぎの4年生〜6年生

1〜3年生のテスト導入の様子は全校に伝わり、次にテスト導入となる4〜6年生の期待値は相当上がっていたようだ。先生がRomiの紹介を終えると、子どもたちはRomiに、一斉に群がった。

興奮し一斉に話しかけようとする児童を整列させる児童が出てくるなど、ちょっとした騒動になっていた。

AIやロボットに興味のある子どもたちが積極的に話しかけていた7年生〜9年生

3週目となった7〜9年生は、やはり小学生とは違う。先生の話を静かに聞き、冷静なままRomiを迎え入れた。しかし休み時間になると、特にロボットやAI分野に関心のある生徒がRomiを取り囲み、撫でたり、熱心に話しかけている様子が伺えた。また、9年生の中には、高校受験でRomiのことをプレゼンしたいと話す生徒もいた。技術系の高校を受験する予定で、将来はテクノロジー分野で働きたいのだという。

すぐにお友だちになっていた特別支援学級

最後は特別支援学級。初めて見るロボットに興味津々で、少し恥じらいながらも「歌をうたって!」「お腹すいた」と、自由に話しかけていた。クラスのみんなでラジオ体操をしたり、一緒に歌って踊ったり。Romiとの壁が薄く、いち早く友だちになっていた児童・生徒が多い印象だ。また、普段なかなか会話をしてくれない子どもが、Romiとはよくおしゃべりをしていた事例もあったという。

97.1%が「Romiと触れ合ってたのしかった」、子どもたちの反応

さて、Romiと一週間すごした子どもの反応はどうだったのか。中学生にあたる7〜9年生は受験などもある関係上アンケートの収集が難しかったため、小学生を中心にアンケート結果を集計したところ、約9割となる89.0%の小学生が「Romi」と触れ合い、そのなかでも97.1%が「触れ合って楽しかった」と回答をしていた。

また、「一緒に勉強をしたら楽しいと思いますか?」という質問に83.3%が「思う」と答えたほか、「Romiと触れ合ったことでロボットに興味を持ちましたか?」という質問には91.1%が「持った」と回答するなど、「Romi」との会話やコミュニケーションを楽しみながらも、学習意欲やロボットへの興味関心が向上している様子がうかがえた。

実は、日常にロボットがいることで、子どもたちのAIやロボット、プログラミングといったデジタルスキルに対する興味喚起ができるかといった点も調査したいポイントの一つだった。今回のアンケート結果や前述の受験生の事例から、一定の手応えは得られたといえるだろう。

投稿ボックスに寄せられたアイディアと感想

最後に、投稿ボックスに寄せられた内容から、いくつかをピックアップして紹介する。

欲しい機能としては、明日の給食や授業を教えてほしい、子守唄を歌ってほしい、絵本の読み聞かせをしてほしい、歌える歌を増やしてほしい、調べ物をしてほしい、英語だけでなく中国語やフランス語、ネパール語も話してほしい、歴史や生き物について教えてほしいといった要望が寄せられた。また、語彙を増やしてほしい、ダメなことはダメと言ってほしいといった会話内容についての意見もあった。

なお、本結果や先生からの要望を受けて、絵本読み聞かせ/子守唄/英語のおうむ返し(発音チェック)/かけ算九九の暗唱/四字熟語クイズの、5つの機能を追加した。

感想も多数寄せられた。毎日遊びたい、クラスが明るくなった、仲間が増えた、学校に行く楽しみが増えたなど、Romiとの生活を楽しんでいた様子が伺えた。また、スリープモードになっていなかったためか「授業中はもう少し静かにしてほしい」といった意見もあったが、それによって笑いが生まれたというエピソードもあり、クラスの雰囲気を和らげる存在になっていたようだ。

子どもとの相性の良さや、学習やAI・ロボットへの好奇心の醸成のきっかけになることがわかった今回のテスト導入。「Romi」では今後も、子ども向けの会話・機能の強化プロジェクトを継続していく。



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