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定点観測09

海上釣り堀あれこれ

09わかんね〜だろな

釣りをした事がない人によく「1日中じっとしていられるね」と言われる事があります。「いやいやすごく忙しんだけど」と釣り人は思いますが、「わかんねだろ〜な」とも思っています。その「わかんね〜だろな」ひとつが誘いなんです。

誘い

ここからは、釣りのテクニックについて考えていきたいと思います。
これまでも何度も誘いという言葉は出てきてますが、それを深く掘っていきましょう。

誘いとは?食い気のない魚を刺激してエサに食いつく動作をさせる事です。魚の活性が高くエサを入れれば食いついてくるいわゆる入れ食い状態の時は誘いよりいかに効率よく釣るかが問題になるので、それと真逆の魚に活性がない、近くに居ない時どうやって魚のやる気スイッチをONにしてやるかを考察します。

じっと待っているのが釣りじゃないこと。

エサが生きて動いてない限り、針にエサをつけて釣り糸を垂らしている状態だけではなかなか魚は食ってくれません。エサから匂いが水の中を漂って行く、エサが上から落ちてくる。ねりエサならばパラパラと溶けていく等何かの動きが加わって魚はエサを認識して食ってきます。撒き餌を使う時も同じです。圧倒的な量の餌と匂い、視覚、嗅覚を刺激されて我を忘れてエサを漁っている中に針の付いた食わせ餌を入れるとそれを一緒に食ってしまいます。撒き餌を使う釣りでは、いかに撒き餌の煙幕の中に食わせ餌を紛れ込ますかが鍵になります。しかし釣り堀では撒き餌は禁止です。

そこでエサをどうアピールするかと言うところで誘いが必要になってきます。

簡単に言えば一度落ち着いたエサにアタリがなければ、もう一度上げて落とし直すと言う事です。この動作の中にチャンスが3回あります。

1回目のチャンスは止まっているエサが動き出した時。エサが逃げると思うのでしょうか?魚は反射的に追いかけます。ここで魚の動きが早かった場合あげる途中で食ってしまいます。竿先に重みが乗るので、アワセを入れます。

2回目は上げてたエサが止まった時下から追いかけて来た魚は止まった時に食い付きます。止まった時がポイントです。下ろす前にひとま開けてアタリを待ってみても良いでしょう。

3回目は上に上がったエサに魚が興味を示している間に、再びエサが落ちてきた時。下で魚があまり動かない時は、何回か落ちてくるエサを見せるのが効果的です。

しかしこれが早く一気に1m、2mと上げてしまうと魚が追いつけなくて逃げてしまいます。それでも何回かに一回早く大きな動きを入れて見るのも刺激になります。

誘い反応

この魚の動きを想像しながら、誘ってあげると、エサの側にいて食い気の無かった魚の活性が上がったり、回遊してきた群れを足止め出来たりと、じっと待っていたら食わなかった魚に火をつけてやる事ができるかもしれません。時に早く時にゆっくり、水中の様子を想像しながら魚の食い気を引き出してみましょう。
こうして掛けた魚は「釣れた」からあなたが「釣った」魚になります。

誘いの仕方を横から見ると下の図になります。
ウキ釣りはウキの動きやウキ止めの位置を見て、脈釣りでは、竿と海面の距離で、10cm〜50cmを目安に誘ってみて下さい。なんの反応もなかったら、たまに1m〜2m上げてゆっくり落としながら探るのも良いですが、始めは細かく誘った方が良いと思います。大きく探るときは、棚が変わっているかも?と思いながらやってみて下さい。上の方でアタリがあれば魚が浮いてきているので、狙う棚を変える必要があります。

誘い横

上から見ると下の図のようになります。縦だけではなく横の誘いも入れていくと更に変化を加える事ができます。
ウキ釣りでは何度か繰り返すと、潮の流れが前に向かってない限り手前に寄ってきてしまいますので、数回誘いを入れたら、打ち返しをしてみて下さい。

誘い上


釣り堀では最初バタバタと釣れて1〜2時間したらアタリが止まって追加放流後にまた釣れ出すようなパターンの時、あまり釣れない中弛なかだるみ期にぽつりぽつりとでも活性の悪くなった魚を拾って結果最後の釣果につなげることが出来るかもしれません。

魚の気持ちを変える方法として他に「エサのローテーション」がありますが、それはまた別の話で。

釣れた100匹より釣った1匹に「ニヤリ」とした時 貴方は釣りの沼に膝まで浸かっていることに気づくことでしょう。




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