インテルvsリヴァプール 表裏一体の戦いの中で

スターティングメンバー

見応えのある好ゲームだった。特徴は、インテルのビルドアップとそれに対応するリバプールである。結果としては、リバプール勝利に終わったが、インテルにもチャンスはあった。インテルペースになった後半に、リバプールがセットプレーで先制。そのままインテルは、ずるずる引きずってしまい、そのままもう1失点。先制されるまでの戦いをインテルには続けて欲しかったが、あのインテルペースの中で、先制できるリバプールはやはり強い。優勝候補と言えるだろう。インテルの2ndレグの戦いにも期待したい。

インテルのビルドアップ、攻撃とリバプールの守備

インテルのビルドアップの配置

インテルは、ディフェンスライン3枚とキーパー、ブロゾビッチの5人でビルドアップを始める。ペナルティエリア周辺ではボールを持てるが、そこから前進しようとすると、リバプールのハイプレスに遭う。チャルハノール、またはビダルが降りてきてビルドアップに参加する。そこから展開、前進を狙う。インテルは相手のハイプレスを利用して、ドゥンフリースの裏抜けを狙ったロングボール、降りてくるジェコを使ったビルドアップで前進を目指す。それに対して、リバプールは、スプリント力を生かして相手に脅威を与えるプレッシングを行う。前がかりに守備を行う中で、ディフェンスラインと中盤のスペースをファビーニョが埋める。この人の立ち位置、スペースの消し方は、絶妙。
インテルの攻撃としては、ドゥンフリースを高い位置に出すが活かせなかった。一番、脅威となったのは左サイドのペリシッチだろう。左サイドは、インテル優位で進んだ。ペリシッチの突破、クロスからチャンスを多く作り出した。また、インテルは、リバプールのハイプレスを受けながらも、プレス回避を行い、前進する場面ではチャンスにつながった。ブロゾビッチ、チャルハノール、ビダルが前を向き、プレスを回避したような場面ではやはりチャンスになる。
リバプールの守備としては、ハイラインでコンパクトな形を作る。リバプールの守備は、ディフェンスラインがずるずる下がることはない。特にファンダイクがいるからこそできるハイラインの形を作る。また、リバプールは、攻撃で押し込んでから、ボールを奪われた時の守備への切り替えが圧倒的に早く、即時奪還を目指す。

リバプールのビルドアップ、インテルの守備

インテルも高い位置からはめに行った。特に相手陣内、センターバックがボールを持った時は、同数プレスではめに行った。しかしリバプールほどのハイプレスの強度ではなかった。その中でも、上手くセットして対応していた。チャンスも多く作らせなかった。リバプールは、ビルドアップ時では、チアゴが降りて、ロバートソンが高い位置をとる。エリオットが降りて、アーノルドが高い位置をとる。ファンダイクが持てば、ロングボールで背後を狙う。ジョタが降りて、中盤で数的優位を作る。これらのことを行いながら、ビルドアップで前進。ビルドアップ時での困難はなかった。

試合の分かれ道

リバプールのハイプレスをインテルが得意のビルドアップで剥がす場面も見られ、レベルが高く、拮抗した試合なった中で、試合を動かしたのは交代であった。リバプールの交代カードのレベルはインテルよりも高かった。クロップ監督も先手で交代カードを切り、先制点まで奪った。フィルミーノ、ルイスディアス、ヘンダーソン、ナビケイタ、強かった。インテルは、自分たちの流れの時に先制出来れば、、、という試合だっただろう。インテルのビルドアップは、低い位置で引っ掛けられればピンチ、プレスを剥がせば、チャンス、リバプールのハイラインは、コンパクトでボールを奪い返しやすくチャンスにもなりうる、しかし1歩間違えれば大ピンチ、まさに表裏一体であった。

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