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一ヶ月、ヴィンテージの墓荒らしを回してみた

みなさん、はじめまして。またはお久しぶりです。ローマの人です。今回は色々な巡り合わせでヴィンテージの『墓荒らし』というデッキの記事を書くことにしました。拙い文ではありますが、お付き合いいただけたらと思います。

〜なぜ男はヴィンテージをプレイすることになったのか?〜

事の発端は7月のある日のこと、友人からのlineでした。

友人K「エターナルウィークエンド出る?」
ワイ「いやー、レガシーだけしに行くのはちょっとしんどいっすね。GPの後すぐなんで、パスですわ」

友人K「俺行けなくなっちゃったから、ヴィンテージの墓荒らし一ヶ月貸すから練習して出てきたら?」

ワイ「行きます」

こうして、エターナルウィークエンド入賞を目指したヴィンテージの練習が始まったのです。


〜デッキ作り〜

まず、最初に取り掛かったのは当然デッキ作りでした。貸していただいたデッキは『墓荒らし』というBUGカラーの超フェアデッキです。

ヴィンテージというフォーマットはイメージだけだと即死コンボと理不尽の蔓延る魔境だと思われがちです。実際思っていました。ただ実際にやってみると、案外レガシーの延長線なんだと言うことを知りました(【精神を刻む者、ジェイス】がたまに先行1ターン目に出てきたりするだけです、そうなると大体死にますが)。その中で、『墓荒らし』というデッキは普段レガシーを中心にプレイしている人にはとても親しみやすいデッキだと思います。

まず早速ですが、私と友人が作ったレシピを見てもらおうと思います。

https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/243368/show/

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これが、私たちがまず作ったレシピです。デッキ枚数61なのは、持ち主のアイデンティティだったりジンクスだったりするのでそれに従いました。

ここからはこのデッキを解説していきます。

〜そもそも墓荒らしってなんぞや〜

『墓荒らし』とは緑青黒フィッシュと呼ばれるグッドスタッフです。
【死儀礼のシャーマン】、【闇の腹心】、【瞬唱の魔道士】などのクリーチャーを中心に【突然の衰微】などの優良除去で場や墓地を荒らしていくデッキです。Moxが色の合っている三色だけを採用していることで、不意なアーティファクト対策などでマナ基盤が崩れることがなく、自分でアーティファクト対策を容赦なく使える利点があります。
しかし、決定打に乏しく相手の勢いに押されてしまったり、除去の応酬で息切れしてゲームがもたつくこともあるのが弱点です。
ここからはカードの採用理由などを説明していきますが、【死儀礼のシャーマン】、【瞬唱の魔道士】や各種パワー9などの必ず入っているカードに関しては割愛します。

〜メイン採用カード〜

【闇の腹心】


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『墓荒らし』というデッキはこのカードを採用している型と採用していない型に分かれます。このカードが入っていない型には【宝船の巡航】、【時を越えた探索】が採用されています。わかりやすい違いは採用している型は【覆いを割く者、ナーセット】に強く【レンと六番】に少し弱くなります。採用していない型はその逆です。
今回は上記の二種類の探査カードよりも、早く特定のデッキに対するキラーカード(『カーンフォージ』・『MUD』に対する【溜め込み屋のアウフ】や【活性の力】、『ドレッジ 』に対する【イクスリッドの看守】など)にアクセスできること、同型の採用している【トレストの使者、レオヴォルド】や【覆いを割く者、ナーセット】などに対し強く出られるからです。

【トレストの使者、レオヴォルド】

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たいていの『墓荒らし』には必ず採用されているのがこのカードです。多くのデッキは2枚程度採用され、役割の近い【覆いを割く者、ナーセット】と散らされている事が多いです。しかし今回はあえて3枚採用し、ナーセットの採用を見送りました。メインからの【活性の力】の採用と、【戦慄衆の秘儀術師】を採用したデッキの存在です。
【活性の力】の採用によりデッキ内の緑のカード枚数を増やしたかった事、【戦慄衆の秘儀術師】に対してパワー3のクリーチャーとして殴り合える事が三枚採用の理由となりました。

【タルモゴイフ】

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一時期なりを潜め、レガシーでもその活躍が過去のものになりつつあった彼。最近の『墓荒らし』では3枚採用されている事が多いです。
前述の【活性の力】の採用による緑のカードカウントの水増し。『ドレッジ 』、『サバイバル』に採用されている【虚ろな者】や【復讐蔦】、数は減りましたが『白エルドラージ』に採用されている【難題の予見者】を一方的に打ち取れるサイズが魅力です。同型戦でもこのカードを戦線に維持するように意識する事で勝ちに繋がる場合が多いです。

【溜め込み屋のアウフ】

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ヴィンテージに送り込まれたモダンホライゾン第一の刺客です。『MUD』や『ラベジャーショップ』の弱体化の一端となる生物版【無のロッド】です。
ゲームシステム上、アーティファクトを多用するヴィンテージという環境にてかなりの脅威になります。『墓荒らし』はその丸さが故に尖ったデッキに対してメインを落としてしまう場合が多いのですが、このカードは対アーティファクトデッキのメインを覆す力を持っています。最悪でも各種moxや【Black Lotus】が止まるので完全に腐ることは無いかと思いメインに1枚採用しました。自分のmox等も巻き込む事(やらかし回数1回)、同型に不意に出されて不具合が生まれる場合があるのでなるべくmoxからマナを出して、土地が使えるように常に心がけておきましょう!(やらかし回数2回)

【ラムナプの採掘者】

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生きた【世界のるつぼ】です。今回のお楽しみ枠で【不毛の大地】、【露天鉱床】を使い回せます。自分がマウントを取っているゲームを盤石にしてくれます。余裕のある時に【悪魔の教示者】でサーチするカード1位が多分こいつです。【レンと六番】を殴りながら土地も攻めてくれるのでたまらんね。【Mishra's Workshop】など特定の土地に頼りきっているデッキには致命的に効きます。

【突然の衰微】と【暗殺者の戦利品】

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『墓荒らし』を使う理由でもある環境最強除去です。両方合わせて4〜5枚採用されています。今回は【暗殺者の戦利品】を3枚、【突然の衰微】を1枚採用しました。
【暗殺者の戦利品】は相手に基本土地をプレゼントするデメリットこそあれ、ヴィンテージにおける致命的なカードほぼ全ての解答となっています(倒せなかったのは、『オース』が出してきた【鋼の風のスフィンクス】と【暗黒の深部】から出てきたトークンだけでした)。
【突然の衰微】は一枚入れておくと【ドルイドの誓い】、同型の【タルモゴイフ】、【戦慄衆の秘儀術師】などカウンターによるバックアップを乗り越えて必ず割りたいカードに対するお守りになります。打ち消されないって偉大なんだなぁ。

【活性の力】

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ヴィンテージに送り込まれたモダンホライゾン第二の刺客です。なんならこっちの方が問題です。このカードの登場で、対アーティファクトデッキや『オース』に対して『墓荒らし』の立ち位置はかなりよくなりました。大会等で実際に『カーンフォージ』、『オース』にも何度か当たりましたが、体感としてはかなり有利にゲームを運ぶことができました。上記のデッキに対しては追加の【意志の力】以上の活躍が期待できます。
ただし、このカードの登場で『ドレッジ 』に対する【虚空の力線】、【墓掘りの檻】の信用は消え失せました。例えマリガンルールが変わってロンドンマリガンになっても【血清の粉末】を持ってる相手のマリガンの方が何倍も強いと覚悟してください。

〜サイドボード〜

墓地対策
【外科的摘出】【貪欲な罠】【イクスリッドの看守】【漁る軟泥】

墓地対策としてこの四種のカードを採用しました。今の『ドレッジ 』は【意志の力】、【否定の力】、【活性の力】、【精神的つまづき】をメインに採用している『ピッチドレッジ 』と呼ばれる型が主流です。こちらも各種墓地対策を散らして挑みました。【外科的摘出】はサバイバルにもかなり強く使えます。

対アーティファクトデッキ対策
【溜め込み屋のアウフ】【活性の力】【冥府の報い】

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メイン採用カードの欄でも取り上げた二種類のアーティファクト対策の追加と、【冥府の報い】の採用です。このカードはエルドラージ全般、【磁石のゴーレム】、【ウルザの後継、カーン】や【最高工匠卿、ウルザ】によって生み出されるトークンを除去するだけでなく、大幅な延命をしてくれます。その他のアーティファクト対策に届いてしまえばこっちのものです。めちゃくちゃにしてやりましょう。

クリーチャー除去
【毒の濁流】【致命的な一押し】

対フェアデッキに対しての追加除去です。『墓荒らし』や【戦慄衆の秘儀術師】デッキ、【僧院の導師】を採用したデッキなど、活躍の場は多いです。

対青系デッキ対策
【覆いを割く者、ナーセット】【狼狽の嵐】

対青デッキ、特に除去の多い同型や【戦慄衆の秘儀術師】デッキには狼狽の嵐が強いです。土地を攻める戦術とも噛み合っています。【覆いを割く者、ナーセット】は主に『パラドックスストーム』などに圧をかけるために使います、アドバンテージ差が重要になる同型にも入れます。

〜最終的に完成したデッキ〜

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