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何でお前さんはファティーグデッキを選ぶんだ

はじめまして、またはお久しぶりです。
ローマの人と申します。
普段は「カードショップくじから」というお店で店長をしています。

先日のBattle Hardened Tokyoにて、Yojiを使用しました。(結果は5-2、惜しかったー!くやしーー!)
その時に友人や仲良くなったプレイヤーの方から
「日本選手権ではコントロールDash使ってたけど何でファティーグデッキばっかり選ぶんですか?」
と聞かれたので、書き起こしてみようと思った次第です。いったいなぜ私はこのデッキを持ってくるに至ったのか。また選択肢としてファティーグデッキを選ぶことが多いのか。読んだ方の何かの手助けになればと思います。

有料記事にはしておきますが、無料で全部読めるので読み終わった後、よう書いた!面白かった!大会よく頑張った!と思ってくださった方だけ、投げ銭代わりに記事代を購入いただけるとすごく喜びます!

あとこちらは宣伝になりますが、私が店長をしているカードショップくじからでは、youtubeチャンネルを運営しております!毎週MTGやFaBの話をするラジオや企画、KMC様の決勝動画の解説などをさせていただいております!
https://www.youtube.com/c/cards_kujikara
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ファティーグデッキって難しくない?

まず最初にこれがよく言われ、一番多い質問です。
結論から言うと、難しくはないです。私としてはゲームの組み立て方・目線が違うだけだと考えています。ここではそれを解説します。

まず、このFaBというゲームの個人的な組み立てを説明します。
このゲームは毎ターン4枚の手札が入れ替わっていきます。そのシステム上、私は各ターンを100としてそれより上か下かでそのターンの質を判断しています(便宜上100なだけなので別に10でも5でもなんでもいいです)。

この数字が上に振れているターンをいかにして作るのか、作るために要求されるものは何なのか?この要求値が少ない事がデッキの強度だと思っています。以降この上振れているターンを山場と呼ぶことにします。

この山場が最もわかりやすいデッキはBravoだと思っています。1番わかりやすいのはPulverizeをアーセナルに置いた次のターンです。

デカすぎるだろ、サイズ感考えろ

たいてい、これをアーセナルに置くターンは準備のターンになることが多いです。手札の枚数やコスト次第ではあるけれど、せいぜいハンマーを振る・3コスト以下のカードをプレイする・Tectonic Platingの起動など行動に制限がかかる。
つまりこのターンは40や50のターンとなる。しかし次のターンは間違いなく150以上のターンが来る。これが山場であり、山場を作るゲーム作りの例である。

しかし、このゲームは防御に手札のカードを使ってしまう。つまり、防御にカードを使えば使うほどデッキおよびターンの質は落ちてしまう。
例えば、上記のPulverizeをアーセナルに置いたターンにCommand and Conquerを打たれた場合を考えてみよう。

Force of Willだよこいつは

アーセナルのPulverizeを破壊できれば相手の出力は当然落ちる。手札の防御値3のカードを2枚使わせれば、BravoのHero能力を起動するコストはなくなり、dominateがつかなくなるだろう。そうなれば150の山場が120や100にすることも可能だ。手札のコスト次第では80以下のターンになる可能性だってあるかもしれない。

このゲームの難しさはそのやり取りだと思う。つまり、攻防のやり取りの中で手札のカードでいかに出力を上げ、ターンの質を上げるのかがこのゲームの難所であり、手札の温存のためにどこまでライフで受けていいのかの判断が上手いプレイヤーが強いプレイヤーだと私は考えている。


だからお前はほんまにおかしい

ここからが本題です。じゃあファティーグデッキを使うときの私はどんな視点を持っているのでしょうか。

今回のBHで使用したYoji・日本選手権で使用したコントロールDashに共通する点がある。それは自分のターンに青ピッチのカードが1枚あれば条件はあれど武器だけで4点出ることである。そしてこのデッキは両方とも最終的にこの行動を繰り返してデッキ切れを防ぎながら、相手のデッキ切れを待つ。

つまり、山場が無い。

正しくは、極論だが手札の青いカード1枚で100のターンの質が保証されている。つまり、防御に手札を3枚まで投げても最低限の動きができてしまう。しかし当然、それをし続けていたら自分のデッキがなくなってしまうので、防具やディフェンスリアクションを駆使して枚数消費を抑えたり、コントロールDashならアイテムによってターンの質を地味に上げることで勝ちに近づける要因が必要ではあるのだが…。

山場が無い。あっても少し高低差がある、といった程度のターンを繰り返すこれらデッキはつまり山場を作る準備のターンが無い。あっても少ない(アイテムを置くターンとか)。
つまり、自分のターンに山場を作るためのやり取りを可能な限りシンプルにできる。防御という要素の中に次のターンの質を考えてやり取りする必要がほとんどないのである。純粋にライフとデッキ枚数だけを見続ければいい。つまり皆が思っているほど私は難しいことはしていない。むしろ他のプレイヤーの方が難しいことをしていると思いながらFaBをプレイしている。

私は、そう判断してファティーグデッキを選択する事が多い。管理しなければいけない要素が多ければ多いほどミスの可能性が増える。つまり可能な限り攻防をシンプルにしてしまえば、そのリソースを常に考えながらゲーム運びを行っている相手よりシンプルなゲームを展開することができる。カードゲームはシンプルな方が強いのだ。そしてこのFaBというゲームはミスを取り戻す事が非常に難しい。ミスをしない、ミスが起きにくいはそれだけで武器だ。

ファティーグデッキで勝つための考え方

ではそんな山場のないデッキで勝つために、私はいったい何を考えているのだろうか?
先程の項で、山場をいかに作るかがこのゲームの難所と唱えたが、ファティーグデッキにおいてはそこが勝負の本筋ではない。では、何がゲームの焦点なのだろうか。実は皆さんが思うほど大きくズレてはいない。

相手の山場をいかに乗り越えるか

これがファティーグデッキのゲームの焦点である。つまり山場への見方が違うだけなのだ。いかにして山場を作り出すかを考えるフェアデッキに対して、いかにして山場を乗り切るかを考えるのがファティーグデッキだと考えている。しかしこれは本質的には実はどちらも変わらない。
手札をリソースに、ターンの質を上げるために防御の枚数を調整するのか、手札をリソースに相手の山場をどう耐え抜き、どこまでを通すか。

私がいつも相手の墓地を確認する際に見ているのは、相手の山場を作る準備に必要なカードの枚数だ。LexiならRain RazorsとThree of a KindとArt of War (Codexも見とくとよりgood)。Brute相手のBloodrush Bellowなどがこの準備のカードにあたる。これらの枚数を認識しておけば、それに備えた準備をすることができる。これは皆が、相手のリアクションの枚数を確認しているのと変わらない。手数や防御札の足りない部分はライフで受けることになるので、それに備えたライフの水準を残しておくことも重要である。

こう長々と書いても、結局よくわからないなと感じる方も多いかもしれないので、最終的に私が行き着いた結論を纏めてこの記事を終わりにしようと思います。



結論、君たちは全員

Kanoです。

皆さんがBlitzでKanoにめちゃくちゃにされないように手札の青ピッチを温存して、その中でちょっとずつ殴ったり、相手のターンに打たれるカードにAB使ったりと悩んでるのを僕は全マッチでやってるだけ!

Lexiを使ってる君も、Bravo使いの君も、Dromaiが大好きな君も、俺はLeviaしか使わないぜ!っていう君も、台北で優勝してたAzaleaすげえ!俺も使うぜ!っていう君も

僕にとってはKanoです!


さいごに

ここまで読んでくださってありがとうございました。
日本でも今後どんどん競技イベントが増えてくるであろうFaB。そんな面白いゲームにたくさん新しいプレイヤーが増える事を祈って、今回筆を取りました!

明日からのトーナメントシーンで、この記事のどこか1行がお役に立てば幸いです。

また、どこかの大会でお会いしましょう!もし何か聞きたいことがありましたら
X アカウント @gakuran1043
までDMください

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