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ハンマーが振り下ろされる日

はじめまして、またはお久しぶりです。
ローマの人と申します。
普段は「カードショップくじから」というお店で店長をしています。

この度、BMO2022チームモダンに向けて、ハンマータイムのデッキレシピを作り練習しました。最終的に結果としては、個人6-1-1 チーム6-2 11位という結果となりました。レシピを提供した友人も、個人6-1-1と非常に素晴らしい成績でした。前回関東で開催されたMMMFでもベスト8に入ることが出来たので、せっかくなので少しハンマータイムの事を書いていきたいと思います。

あとこちらは宣伝になりますが、私が店長をしているカードショップくじからでは、youtubeチャンネルを運営しております!毎週MTGの話をするラジオや企画、KMC様の決勝動画の解説などをさせていただいております!
https://www.youtube.com/c/cards_kujikara
この記事を読んでくださった皆様、お手数ですがぜひチャンネル登録よろしくお願いします!

私が作ったハンマータイム

まず最初に、今回私が使用したハンマータイムのデッキレシピはこちらです

これはチーム戦を意識しての構築ですので普段の大会に使うには少しサイドが歪んでいます。しかし採用したカードは現行のモダン環境で活躍の場があるカードばかりですので、どれも一考の余地のあるカードであるとは考えています。
まずはメインの構成特徴から書いていきます。
メインの特徴は
・平地の3枚採用
・メムナイトの不採用
・テフェリーの2枚採用
・ジンジャーブルートの不採用
・呪文貫きと鍛冶屋の技の計4枚採用
・火と氷の剣の不採用
です。ではそれぞれの解説をしていきます。

平地の3枚採用
前回のMMMFにて、平地2枚、皇国の地、永岩城1の割合にしていった結果血染めの月と月の大魔術師によって白マナ2マナが出ず2ゲームほど落としてしまったため、サイド後によくバネ葉の太鼓を減らす都合もあり今回は平地3枚の採用となりました。

メムナイトの不採用
好きなカードではあるのですが、正直弱いに尽きます。利点はウルザの物語を2ターン目に起動できる機会が増えること。2キルの可能性が上がること。1ターン目に出てきたラガバンを止められることです。
しかし、元々ウルザの物語の2ターン目起動にはバネ葉の太鼓と0マナ生物と2枚目の土地と4枚のカードが必要なので安定しませんしレガシーほどの爆発力があるわけでもないです。2キルに関しても、ことチーム戦においてほぼ確実にメタられる側であるハンマータイムの地上の20点が素通りすると考えるのは少し無理があるかと思います。ラガバンを止められると言いますが、その2キルは逆にラガバンに止められるというのが現実です。

テフェリーの2枚採用
体感苦手寄りだった死せる生デッキに対してのガードを上げる意味合いも込めて2枚の採用に落ち着きました。個人的にはカスケードクラッシュはあまり苦手意識は無いのですが、置いておくとついでに黙ってくれてうれしい気持ちになります。ミラーでのカルドラの完成体やウルザの物語をけん制する仕事もあるので、やはり流石のカードパワーと言ったとこでしょうか。

ジンジャーブルートの不採用
速攻と速攻以外にブロックされない点が強みです。1枚採用されているレシピをよく見ますが、これをウルザの物語の3章で持ってくるの?ほんとに?となったとともに、挙句の果てには絡み根の霊にブロックされて懲罰交代となりスタメンから外されました。

呪文貫きと鍛冶屋の技の計4枚採用
これは、人によって好みが別れる所ではあるのですが、チーム戦である事を考慮して自分の行動を押し込むことが出来るカードを採用したいという気持ちから4枠を使いました。メムナイトを採用していない構築は金属の叱責より呪文貫きの方がいいと思っています。鍛冶屋の技は今回初めて使用したのですが、広がりゆく海などからウルザの物語を守ったりと役割が広く面白いカードでした。

火と氷の剣の不採用
URにしか効かないので、入れるなら孤独にも強い戦争と平和の剣の方がマシだなと思って入れませんでした。

次にサイドボードの構成特徴は
・アーティファクト・エンチャントの極端な採用枚数の少なさ
・各種ヘイトベアーの採用
・マナ漏出の採用
・万力鎖の採用
・虹色の終焉の採用
です。ではそれぞれの解説をしていきます。

アーティファクト・エンチャントの極端な採用枚数の少なさ
前述の通り、ハンマータイムというデッキは今メタられる側のデッキです。それも構築に制限がかかるチーム戦なら、パーツの取り合いの少ないこのデッキはかなりのチームが使用するのが予想されていました。その中でサイド後には間違いなくアーティファクト・エンチャントに対するありとあらゆる対策カードが採用されるだろうと予想するのは簡単でした。よって、サイド後に追加するカードは可能な限りクリーチャーにしておこうと考えました。そのため、今回は万力鎖以外は採用しないと決めました。

各種ヘイトベアーの採用
そのため、今回はヘイト生物に10枠を使いました。赤系デッキ及び、墓地利用デッキに対してのヴェクの聖別者。赤デッキ対策であり、唯一バーンの使ってくる跳ね返す掌に対抗できるブレンタンの炉の世話人。カスケードデッキや各種想起に強く、時折いる親和やトロンにも多少の役割があるアゾリウスの造反者、ラヴィニア。コンボデッキに対して明確に回答になる翻弄する魔道士、そして今回最後に採用を決定した封じ込める僧侶です。もともとはこの僧侶の枠は静寂をもたらすものでした。しかし当初ヨーグモス医院に効くかもと使ってみた結果いまいち効かなかったので、対ヨーグモス相手は翻弄する魔道士と封じ込める僧侶で絶対ヨーグモス出させないと強く思ってました。

マナ漏出の採用
サイドから追加するカウンターですが、今回はマナ漏出を採用していました。サイドに入れるカウンターにはしっかりとした役割が必要だと考えています。
除去だけを弾きたい→狼狽の嵐
赤緑だけ強く見たい→霊気の疾風
青だけ強く見たい→神秘の論争
などです。私は今回、コンボ各種・アミュレットタイタンの原始のタイタン・ヨーグモス・青白コントロールに対してサイドからカウンターを追加したかったのでマナ漏出に落ち着きました。役割がふわふわしたカウンターは入れない方がマシだと思っています。

万力鎖の採用
ミラーにおいてゲームを一方的なものにしてくれるカードです。今回レシピを共有していた人たちとミラーの練習をしていた時にやはり必要だと判断し採用に至りました。
勘違いされやすいのですが、ハンマータイムのミラーマッチはいかに速攻ゲームを決めるかではなく、いかに敗北しないかを目指すゲームになります。あとは、ミスした隙を叩く展開になりがちです。万力鎖が間に合わないゲームも起きることはあるかもしれませんが、採用しておくことでできるゲームの形が大きく増えます。影槍と併用することでカルドラの完成体をも破壊できます。親和にもイラクサ嚢胞や現実チップが壊せるので専用機というわけでもありません。

虹色の終焉の採用

冥途灯りの行進の人が多いです。私は1ターン目に出されたラガバンやアミュレット、シガルダの助けを手札を使わないと割れないのが嫌すぎて虹色の終焉にしました。ウルザの物語を触れる!みたいなことを言われましたがミラーでその展開で負けるのはめっちゃマリガンしてる時くらいです。


なぜハンマータイムを選んだのか


そもそもなぜハンマータイムを選んだのかという点からお話しします。
理由はシンプルです。このデッキはモダンでは数少ない2ターン目にウルザの物語の2章を起動できるデッキだったからです。おそらく、私をよくご存じの皆さんは私がウルザの物語に対して圧倒的な信頼を寄せているのを知っているんじゃないかと思います。メムナイトを採用していない構築なのでそこまで可能性が高いわけではありませんが普通に採用されているカードだけでこの動きが可能なのはすごく魅力です。8試合で2ゲームこの動きがありました。レガシーで使い慣れたこのカードをモダンの動きの中に持って行けるなら、勝つこともできるだろうと考えました。

そして次にゲーム速度の自由度です。このデッキは

シガルダの助けとハンマーによる高速なゲーム
ウルザの物語による粘り強いゲーム
石鍛冶の神秘家とカルドラの完成体による低速で力強いゲーム

これらの速度のゲームを相手によって的確に切り替えていく事ができるのが個人的にはこのデッキの強みだと考えています。ハンマータイムを使っているけどあまり勝てないよー!って人は高速のコンボであるという視点をあえて捨て、相手によるゲームレンジの切り替えを意識してみると勝率の向上につながるかもしれません。むしろ私は最近のハンマータイムはどんどん青白石鍛冶に近づき遅くなっていると感じています。かつてオパールのモックスがあった時のようなぶっぱなしデッキの時代はとっくに終わっています。


ハンマータイムを回すにあたって心掛ける事

ここからは、私がハンマータイムを回すにあたって心掛けていること、考えていることを書き連ねていきたいと思います。あくまでこれは私が考えていることですので、皆さんのプレイスタイルとは合わないかもしれませんが、このデッキを使っていくうえで何かの参考になればいいなと思います。

マリガンを厳しくする
これは私の中でウルザの物語を採用しているデッキ全てに言えることだと思っています。ハンマータイムはその中でもかなり顕著で、3回マリガンしても3キルできます、引き方によっては4マリガンでも3キルのパターンがあるデッキです。キープは厳しくして得なデッキだと考えています。中途半端な手札で始めるくらいなら思い切り引き直して下さい。

相手によってゲーム速度を変える
ハンマータイムというデッキは前述の通り3つのゲーム速度を持っています。それぞれを相手のデッキに対して使い分けていくことが重要です。高速のゲーム展開だけでは勝てないので、ウルザの物語やカルドラの完成体を中軸に据える展開を練習することで苦手なマッチに勝つことが出来るようになります。例えばヨーグモス医院はかなり苦手なのですが、ハンマーを軸にせずカルドラの完成体を軸にするゲーム展開にするとかなり戦いやすくなります。

セットランドの順番
基本的にウルザの物語を使うデッキは、2ターン目に2章の能力が起動できる場合は1ターン目に、そうでない場合は2ターン目に置いていくのが定石です。しかし、サイドボード後はウルザの物語の1章の誘発にスタックで破壊される可能性があるため、石鍛冶の神秘家を2ターン目に必ず着地させたい場合などは普通にマナの出せる土地から置くようにしていくようにしましょう。なお3章の能力の後に生け贄になるので、金属海の沿岸が再度アンタップインの条件を満たすことが出来るのも覚えておきましょう。

殺すことより死なないことを考える
特にミラーマッチでこれは言える事なのですが、このデッキは相手のミスがあればそこを突いて一瞬で勝つことが出来るデッキです。つまり殺すのはとても簡単と言えます。しかし面には除去もほぼなくカウンターも最低限と守りにリソースは割かれていません。ですのでミスは当然気を抜くと一瞬で死にます。逆に死ななければどこかに隙が生まれる可能性があります。死なないことを第一に考えるのがハンマータイムで勝つ第一歩です。

割り切る
無理なものは無理だと諦める心が大切です。私はいつもマイティー・ソーになるかアイスクライマーのピンクの方になるかの2択だと言い続けています。上振れが強いですが下振れも凄いです。

さいごに

ここまで読んでくださってありがとうございました。
ハンマータイムというデッキを使い始めたあなた、いまいち勝ちきれないんだよなというあなたに向けて、書きなぐりですがこの記事を書かせていただきました。

明日からのトーナメントシーンで、この記事のどこか1行がお役に立てば幸いです。

ハンマータイムに関してこれはどうしているのだろうという疑問や質問などありましたら
twitter @gakuran1043
までDM頂けたら答えられる限りですが答えたいと思いますのでお気軽にご連絡くださいませ。

以下に有料部分をつけておきますが、どのデッキに対してはどの勝ち筋を目指しているかを書いていってます。ハンマータイムに対する理解が不要な方には無用だと思いますがそこそこに内容はなくはないと思うので、めちゃくちゃ興味ある!って方と良い記事でしたお疲れさん!投げ銭したろ受け取れや!という男気のある方は買って頂けると滅茶苦茶喜びます。泣いて喜びます。


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