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僕は憧れを超えられたのか?

はじめまして、またはお久しぶりです。
ローマの人と申します。
普段は「カードショップくじから」というお店で店長をしています。

これは2023年の総括のようなものです。気が向いたら読んであげてくれると喜びます。

あとこちらは宣伝になりますが、僕が店長をしているカードショップくじからでは、youtubeチャンネルを運営しております!毎週MTGやFaBの話をするラジオや企画、KMC様の決勝動画の解説などをさせていただいております!
https://www.youtube.com/c/cards_kujikara
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2023年3月22日

日本中が歓喜に沸き上がった。WBC2023、日本は14年ぶりの優勝を果たした。当然、僕もまたその試合を食い入るように観ていた一人だった。大谷翔平がマイク・トラウトを見事三振に抑えた瞬間は思わず声が漏れた。
そんな感動的なWBCはその後映画になり、話題になった。そのタイトルは

【憧れを超えた侍たち】

これは、大谷翔平の試合前の声出しが元になっている。これを読んでいる皆さんもネットやテレビの特集、SNSなどで見たり聞いたりしたことがあるのでは無いだろうか?
「憧れるのをやめましょう」
「憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」
これを最初に聞いた時の僕は、良いこと言うなぁ!やっぱ大谷は格好いい!くらいの感覚でこれを聞き流していた。

同年9月3日

僕はFlesh and Blood 日本選手権のベスト8に立っていた。自分のプレイ歴から考えれば素晴らしい成績ではあるだろうとは思う状況だ。se1の対戦は、自分より圧倒的に格上の相手だとわかっていた。日本のFaBを牽引してきたプレイヤーでもあることは知っていた。知識・経験・練習量何もかもが相手に及ばないのは明確だった。唯一大型大会に対する場慣れだけは自分に一日の長があったかもしれない。

結果として僕は負けた。普通にプレイしている場ならありえないだろ!と思われるようなミスもして負けた。世界選手権への切符を目の前にそれを手にすることは叶わなかった。

その時は、反省することも多くそれ相応の悔しさも当然あったが、我ながらよくできた方かとそこそこに満足してしまった所もあった。というより割と満足していた。なんなら結果の話だけで言えば現状でも満足はしている。ただ、一つ心残りと呼ぶべきか、引っかかる物があることに気づいた。

【僕、もしかして憧れてしまっていないか?恐れてしまっていないか?】

相手は確かに格上だった。界隈の事が詳しくない僕でも名前を知っているようなプレイヤーだった。強いとも聞いていた、みんなそう言ってた。どう考えても雰囲気に飲まれてなかったか?相手の知識や技量を恐れてしまってなかったか?目の前の相手を超えるために来たのに?勝つために来たのに?デッキは違うかもしれないけど同じ土俵で勝負しているのに、周りの意見や、自分の中のイメージで相手を物凄く巨大な存在にしてしまっていなかったか?相手は○○さんだからなぁ、なんて勝手に強者として信仰して納得してしまってないか?

そう感じた瞬間に、今までの色々な場面が頭の中を駆け巡った。

中学、高校とテニス部だった自分。
自分たちより強豪校の相手に緊張して上手くプレーできなかった自分。

遊戯王をプレイしていた時代。
周りの大人やCSに出るようなプレイヤーに勝てなかった自分。

MtGのグランプリでプロプレイヤー相手に緊張してちゃんとキープ判断が出来ずに負けてしまった自分。

そして、今の自分。

ずっと同じこと繰り返してきてないか?これって……。(こんな図体をしておきながら何を言うんだと言われるかもしれないが、意外と緊張するタイプなんだなこれが)

それから

思えば、MtGのレガシーで僕はそんな風に考えた事はここ数年無かった気がする。なぜならそれは自信があるからだ。他の相手を恐れる必要なんて無い。○○さんだから勝てそうに無いなぁ。なんて僕が思うことはない。思う必要が無い。堂々としたものだ。いつでもかかっておいでなさいとでも言ったものだ。

だったら他の事でだってそうなれるはずだろう?もちろんそこに行き着くまでには練習だって勉強だって必要ではあるが、○○さんが相手だから僕が勝てるわけ無いなんていくらなんでもちょっとダサいんじゃあないか?

精神の持ちようではあると思うが、勝てないと思うのはシンプルに損だと思うことにした。勝てないより勝てると思う方がいいし、そもそも勝つために大会に出るのだから勝てないと思い込むのは勿体ない。ただでさえ格上の相手と対面しているなら、ビビったり焦ったりしてミスをするなんて、より敗北に直結するだけだ。損しかない。堂々としよう。そう決意してからの4ヵ月が過ぎた。

2023年の終わりそして2024年の始まりを前に

結果として、僕はMtGエターナルウィークエンドヴィンテージ2023でベスト8に入ることができた。
ヴィンテージは僕の土俵ではない。しかし恐れる必要はない。
ヴィンテージの世界にも当然僕が憧れるようなプレイヤーはいる。しかしそれを超えるために行ったのだ。勝つことだけ考えて行った結果はあったと思う。

来年も、きっと僕は多くの大会に出るだろう。有名なプレイヤーにも、僕より歴も長く知識も実績もあるプレイヤーにも当たることになるだろう。もちろんその中には僕の憧れるプレイヤーや尊敬しているプレイヤーもいるだろう。

でも、きっと来年の僕は今年より堂々と彼らと渡り合うだろう。緊張するかもしれないがどっしりと構えてやろう。そう思っている。憧れや恐れといった色眼鏡を外せば、対面もただのカードゲーマーなのだ。大谷翔平のように、侍JAPANのように自分が世界一になれるかはわからないが、少なくとも「憧れてしまっては超えられない」というのはカードゲームでも同じはずなのだから……。


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