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沖縄かぶれの私が作る沖縄そば

わたしは沖縄が大好きだ。飲むお酒は泡盛だし、食べ物にも興味津々だ。百貨店の最上階の催し物会場で開催される、「大北海道展」には見向きもせず「めんそーれ沖縄展」にいそいそと出かけるのが常である。

そんな私にとって、朝ドラ「ちむどんどん」はもはやストーリーよりも出てくる料理が気になって仕方ないドラマだった。ラフテーを作るために皮付きの豚肉を探すくだりでは、私も皮付きの豚肉を手に入れるにはどうしたらいいのかと考えてばかりいた。

そんな折、家の近くに大型スーパーができた。野菜も魚もほかの食品も安くて量が多い。そして何より肉類がめちゃくちゃ豊富なのだ。あれこれ物色しながら楽しく買い物をしていた私は、そこで皮付きの豚バラのかたまりを手に入れることになったのだ。あれこれレシピを検索し、ラフテーを作ってみる。いつも作る和風の豚の角煮と違って、ラフテーは鰹だしを使って煮込んでいく。味見をしたら、思っているよりあっさりと、豚の油もしつこくなく大変美味。

初めてのラフテー

皿に盛り付けて、さあ泡盛とともにいただこうとしたとき、いや、今じゃない、沖縄そばを作るのだ。という心の声が聞こえた。そうだ、今日のところはラフテーは寝かせておこう。

次の日、またもやレシピを検索し、生地をこねてこねてこねて、のばして切る。縮れ麺にしたかったのでレシピ通りにやってみる。ひとり分をまとめて両手でぎゅっと握るのだ。ぎゅっと握ってひとかたまりの生地に戻ったらどうしよう。なにしろ餃子の皮を作っていて、重ねて置いた皮がくっついてひとかたまりになった経験があるのだ。恐る恐るしかし勇気を持って握ってみた。するとなんとも美しい縮れ麺ができあがった。

初めての沖縄そば縮れ麺

さあ、あとはスープだ。ここまできたら顆粒のスープの素を使うとかいうレシピでは満足できない。かつて沖縄の情報番組で、沖縄そばのスープには濃い鰹だしを使うのだとかいうのを見たことがある。そこで惜しげもなく鰹節を使ってスープを作り、ついに沖縄そばが完成した。「ちむどんどん」で見たように、紅しょうが(こちらも手作り)とネギをたっぷりのせて。

後日、次男夫婦が帰ってきたとき、麺好きの次男と沖縄好きのお嫁さんに沖縄そばを披露した。

「もし多過ぎて食えへんへんかったら、俺食ってあげるしな」
「えっ何?欲しいの?欲しいんやったらちょっとぐらいやったらあげるけど?」
「欲しいっちゃ欲しいけど、もし多くて無理して食うんやったら可哀想やし」
「それやったら大丈夫。食べるの遅いしそう思うかもしれんけど、私は全部食べたいねん」

ああ、私は幸せだ。
料理はたのしい。

ちなみに私は本場の沖縄そばを食べたことがない。なのでこれが正解かどうかはわからない。

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