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新体操が私にもたらしてくれたもの

 見ていただきありがとうございます。

はじめに 

先日、インターハイの中止が決定されました。ここを目標に頑張っていた選手の皆さん、特に「今年で最後」と思っている選手の皆さんのことを思うともう何も言えないのですが…少し年上の人間から、

「どうか目的を見失わないで」

 県の総体をはじめとする「インターハイ」は、中・高校生にとっては非常に大きな意味を持つ大会であり、大きな目標の一つです。ですが、インターハイのために新体操をしているのではないと思います。一つ目標がなくなってしまったことは本当に悲しいですが、どうか「目的:あなたが新体操をする意味」だけは見失ってほしくないと思います。

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前回は「新体操が嫌いだった」なんて記事を書いてしまいましたが(笑)

 今の私があるのは新体操と新体操での経験があるおかげだということは明白で、新体操には本当に感謝しています。

 ところで、以前youtubeで『スポーツブル』という、大学スポーツ各種目のトップアスリートを取材している動画を拝見しました。ここでは必ず最後に『あなたが大学スポーツから得たものは?』という質問をされていました。トップアスリートの回答は、「スポーツの技術」ではなく、「〇〇力」といったような人間性に関わる力を身につけたというものばかりでした。トップアスリートではない私でも、新体操から新体操以外の世界でも通用するような力を得られたと思っています。

 そこで、今日は「新体操から得たもの」について考えていきたいと思います。皆さんは新体操から何を得た/得ていますか?

”新体操だからこその学び“との区別

 まず、先日(といっても大分前ですが)のゼミナール(大学の教授や学生と少人数で研究について話す場)での話です。

 部活動について。あるアンケートによると、『部活動で何を学びましたか?』という質問に対し、運動部員は「一生懸命取り組む大切さ」「仲間の大切さ」といった内容が多かったのに対し、文化部員は「音楽の楽しさ」「絵画の奥深さ」といったような内容が多かった。文化部ではその分野(音楽・絵・書道…)について学べたという回答が多いのに、運動部ではその種目についての回答が少ない。運動部員が学んだことは、その種目ではなくても学べたのではないか?

 ゼミではこの後も議論は続くのですが、ここではあまり関係ないので割愛します。この「他の種目でもスポーツじゃなくてもいいじゃないか」という視点、私も多くの運動部員と同じ回答をしていたと思うので耳が痛かったのですが、他の種目でいいわけないだろ!!と思いました。だって、新体操と出会っていなければ今の私はいないんですから。新体操という種目だからこそ学べることがあるはずだと思うんです。

 この話を踏まえ、次のように考えてみませんか?それは、「新体操だからこそ」の学びかそうでないか、という区別です。新体操という競技特性だからこそ学べたことと、新体操ではなくスポーツとして・集団として学べたこと等の区別です。まずは、後者を考えてみましょう。

新体操の経験で学んだこと①

 「新体操だからこそ」ではない学びは、「仲間と協力すること」「一生懸命取り組むこと」といった内容が出てくるかなと思います。少し時間をとって考えてみてください。

 私の「新体操だからこそ」ではない学びは、“ 冷静になることの大切さ”です。激しい練習の中で、はたまたものすごい緊張感漂う本番の中で、心拍数も上がり気持ちも“熱く”なります。熱いことは悪いことではないのですが、それは自分を制御できなくなり、結局失敗を誘う要因になってしまうこともしばしば。冷静になれば、今自分がどういう立ち位置なのかといったことや、自分がやるべきことが見えるようになります。他にもたくさんありますが、その中の一つです。


新体操の経験で学んだこと②

 次は、新体操だからこそ身につけたものについて考えてみます。といってもさすがに新体操だけ!というのは難しいので(笑)新体操特有の、という表現でもしてみましょうか(これも違う気がしますが)。ちょっと難しいかもしれませんが、考えてみてください。

 私は、「動きの善し悪しがわかる」ことが一つ大きいなと思います。どの人も運動を見て、「きれい」「汚い」という判断ができるとは思いますが、その判断のレベルが高くなったなと思います。そして、それは見る幅が広まったとも言えます。人がただ「綺麗」という中にも、新体操の経験で得た「観察眼」でその綺麗の奥まで見ることができるようになったなと感じます。大それたことを言っているような感じになってしまいましたが、これは新体操に近いスポーツや芸術分野の方にも通じる部分があるかもしれません。

 新体操を通じて、もっと広い世界を見ることができるようになりました。

スポーツは世界を広げてくれる

 私は新体操を通して、色んな世界を広げることができました。

 新体操と出会った時点で世界は一つ広がります。新体操という世界を知り、そこで人と出会い、そして自分を見つめて成長していきます。そしてまた新しい世界に出会っていくのです。この「世界制作」「他者理解」「自己発見」という3つ、豊かな学びの3本柱だと思っています。私は新体操というコミュニティで学び、そして今また別のコミュニティで学んでいるというわけです。

 皆さんは、新体操を通じてどのような世界と出会い、どんな人と出会って、どんな自分になりましたか?そして、どのような学びがあったでしょうか。今新体操をしている人も、引退して新しい世界で頑張っている人も、一度考えてみるとよいかもしれません。その考えるという行為が新しい自分を発見し、また新たな世界に導いてくれるかもしれません。


 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 前2つの記事もよかったら読んでみてください。

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余談

 noteにコメント機能がなくて悲しいです。私は自分の思考を記事にしていますが、あくまでも私個人の思いです。もっと色んな人の考えを知りたいなって思います。


 あと、「世界制作」「他者理解」「自己発見」これは樋口聡『社会体育におけるアート教育の役割』という論文からの引用です。音楽・美術の枠を超えた「あーと教育」という考え方があります。このアート教育についてはまた機会があれば&私がしっかり勉強してからnoteに書けたらいいなと思います。

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