ギャグ


 夜明けの高速道路、いくつもの外灯が目尻に流れて背に光が溜まる。ぐっとハンドルを握り夜を越えてゆく。日にち薬が効いてきた頃なのか、なんか経ったんだな。会いたい人達の事を思うと背筋が伸びる、そう思えることもその人達の存在そのものも、全てが嬉しいような気が遠くなるような、夜明けの道路に一人、立ち尽くす。無理くり堪える必要があることなんてきっとないのかな、それは甘えなのかな、最近よくそんな事を考えます。出したい分だけ出せるものを出す事が必要な時があります。体と心は常に排泄と摂取を繰り返さないと腐ります。泣きたい分だけ泣き、笑いたい分だけ声をあげ、抱きしめたい気持ちの分だけ背筋を伸ばす。泣きもしない笑いもしない誰のことを思いもしない自分を想像すると、その姿はやっぱり腐ってる気がします。良いものを授かったら分けたいし、辛いことは誰かに少しずつ取ってもらいたいから、出来るだけ多くの人に少しずつ配れるように、辛いことは面白いものに料理しておきます。どうしてもギャグになる、毎日をそんなふうに飾りたい。どうしてもギャグになる日々を連れて、私として。笑は割る、咲くは裂く、そういう由来があるらしい。今の私を割って裂いて、歩みのリズムを変える為に金曜の夜に言葉を書くのをやめる。デバイスの中でいつかまた。

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