Big Bang Theory S1Ep13 昔のドラマとスタートレックのてんこ盛りエピソード

この記事のタイトルは、ドラマで取り上げられているネタからつけたものですが、ドラマの正式なタイトルはこちらです。

The Bat Jar Conjecture:AAA VS PMSの法則
アメリカでの放送日:2008年4月21日

ビッグバンセオリーを見ていて面白いなと思ったオタクネタで自分が知っているネタ、調べたネタをまとめておいておくために作ったものです。ざっくりとした背景はこちらもご覧ください。目次もかねて作成しています。

エピソードタイトルについて

The Bat Jarというのは、エピソードを見る限りバットマンのクッキー入れのことで、「The Bat Jar Conjecture」は「バットマン・クッキー入れの憶測」。うむ。分からん。今回のエピソードを通じて「バットマンのクッキー入れはレナードが持ち込んだ時と、その後でシェルドンを除く三人の会話で出てきましたが、全体のネタの伏線になっているとは思えなかったですね。

どちらかというと、最初から最後までスタートレックネタで終始していたので、タイトルをつけるならそちらからではないか?と思ったのですけどね。

スタトレ・ネタの最後のオチがひねってあるので、もしかしたらバットネタもバットマンはひねりの一つで、もう一個裏があるのかもしれませんが、いくらなんでもそれはやりすぎのような気がします。一応、最後にダメ元で書いてみることにします。

ちなみに日本語のタイトルは物理学のクイズ大会で決勝を争った4人組が分かれたチームの名前からきていますが、AAAってのが出てきたかな?AAだけなら何回も出てくるのですが。

あらすじ

毎年開催される物理のクイズ大会に、常連チームが参加しないと聞き、レナード達4人でチームを作って参加することになった。
ペニーに出題者になってもらって、クイズ大会の練習をする4人だが、誰がボタンを押そうが関係なく、すべての質問にシェルドンが回答してしまう。
怒った3人はシェルドンを外して、別なメンバーを入れて参加することになるのだが...

冒頭のシーン

いつもの4人組が集まって食事をしている。ハワードが携帯電話で何かの記事を見て、新しいスタートレックの映画でスポックの誕生シーンが描かれると伝える。

本エピソードは2008年4月21日の放送でした。ここで言及されているのは2009年に上映された「スタートレック」のことかと思います。

残念ながらカークの誕生シーンはあるものの、スポックの誕生シーンはカットされた模様。ファンダムに次のような記載があります

In a deleted scene from the film Star Trek, Spock was shown to be born in the year 2230 (specifically, on stardate 2230.06)

会話は、スポックの誕生より受胎のシーンが見たいとおっしゃるラージによって変な方向に走っていき、バルカン人にポン・ファーなる発情期があること(調べると7年周期らしいです)など、新たなオタクネタの知見を得ることができました。(役に立つのかは分かりませんが...笑)

異星人間の生殖は可能か?

スポックの受胎ネタが、異星人も地球人と同じような生殖器なのか?といった話題に話が広がりますが、少なくともスタートレックでスポックは地球人とバルカン人のハーフとされているので、設定上は可能なはず。

とは言え、このあたりはありとあらゆるスペースオペラの根源的な疑問であって、スターウォーズの世界でも「スターウォーズ 反乱者たち」のケイナン・ジャラス(人間)とヘラ・シンドゥーラ(トワイレック)の間にジェイセン・シンドゥーラが生まれています。

ま、「それをいっちゃあおしまいよ」な話題なのですけれどもね。

反乱者たち、コンプリートボックス出ないですね。ディズニーさんは、完全にストリーミングに舵を切ったんだろうなぁ。

ペニー登場と物理学クイズコンテスト

このあたりでペニーが、ノートパソコンのキーボードが固まっちゃったから助けて、と駆け込んできます。ダイエットコークにヨーグルト、ネイルポリッシュをこぼしたって、それはやばすぎるのではないか?

そして改めてハワード。携帯で新しいニュースを発見。

Howard: Gentlemen, switching to local nerd news. Fishman, Chen, Chowdry, McNair aren’t fielding a team in the university physics bowl this year.

アメリカに、「アメリカ物理学教師協会」が主催する「Physics Bowl=物理学クイズ大会」は実在していますが、4人一組ではないようです。

また、この常連組は苗字だけなので、特定はできませんでしたが、この四人が「床屋カルテット」を作ってアカペラを披露する「遊園地(字幕)」はカリフォルニアに実在していました。パサデナから60キロぐらいのところなので、十分あり得ますね。

Howard: They formed a barbershop quartet, and got a gig playing Knott's Berry Farm.

しかも、今年が100周年を迎えるようです。

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いずれにしろ、この常連4人組が今年は物理クイズ大会に出ないのは、床屋カルテットを作ってノッツベリー・ファームでアカペラを披露すると聞いたペニーとハワードのやり取りは、ペニーの皮肉をハワードが誤解してるの図?

Howard: They formed a barbershop quartet, and got a gig playing Knotsbury Farm.
Penny: Wow, so in your world, you’re like, the cool guys.
(字幕)オタクの中でもあなたたちはイケてるほうね
Howard: Recognise.
(字幕)見直した?

ゾッド将軍はきっとシェルドン

そんな二人のやり取りに続いて、レナードのセリフ

Leonard: This is our year! With those guys out, the entire physics bowl will kneel before Zod. 
(字幕)じゃ 今年の大会は みんな ゾッドの前に降伏だ
Penny: Zod?
(字幕)ゾッド?
Howard: Kryptonian villain. Long story.
(字幕)クリプトン星の悪党だ
Raj: Good story. (Clasps hands to mouth in shock.)
(字幕)いい話だ

日本語の字幕では、単にゾッドの前に降伏としか書いていませんが、英文では「This is our year! With those guys out, the entire physics bowl will kneel before Zod. 」ですから、彼らがいないなら我々が勝ちで、今年の物理クイズ大会はゾッドに跪くことになるな、となっています。

ハワードのセリフの通り、ゾッド=ゾッド将軍とはクリプトン星の悪党で、クリストファー・リーブ版のスーパーマンII、ヘンリー・カビル版のマン・オブ・スティールでもクリプトン政府に対する反逆罪で有罪にされてファントムゾーンに閉じ込められていました。

クリプトン星の悪役ですから、この場合はシェルドンしかいませんね。

そしてもう一つハワードのセリフの通り、ゾッド将軍と「ゾッド(将軍)に跪け」は話が長くなります。

まず外見から。マン・オブ・スティールではこんな感じで登場してました。

クリプトン星にいた=地球ではスーパーマンと同じ能力を持っているということで、スーパーマンも大変な苦労を強いられることになります。

この「Kneel before Zod」(ゾッドに跪け)は、ゾッド将軍が登場するシーンでは必ずでてくるセリフです。

こちらはスーパーマンII。

マン・オブ・スティール。セリフでは言ってないように思いますが、動画のタイトルにしっかり入っています。

さらにダメ押し。こちらはドラマ Smallvilleのシーンから。写っているのは、青年クラーク・ケントとゾッド将軍に乗っ取られたレックス・ルーサーですが。このシーンはシーズン6で、それまでの経緯もありますので、細かいことは割愛します。

このシーンは、クリストファー・リーブのスーパーマンIIのオマージュですね。

ゾッド将軍がクリプトン星の悪役で、「ゾッド将軍に跪け」が口癖で、今年の物理クイズ大会はシェルドン=ゾッド将軍のいるチームが優勝するから、というのはペニーにとっては長い話になっただろうと思います。

しかし、ゾッド将軍はでないという理由

それにも関わらず、肝心のゾッド将軍は「自分はでない」という連れないお返事。

Sheldon: You want me to use my intelligence in a tawdry competition? Would you ask Picasso to play Pictionary? Would you ask Noah Webster to play Boggle? Would you ask Jacques Cousteau to play Go Fish?(僕の知性を趣味の悪い競技に使いたいってかい?ピカソにピクショナリーに誘うかい?ノア・ウェブスターをボグルに?ジャック・クストーをGo Fishに誘ったりするのかな?)

https://bigbangtrans.wordpress.com/series-1-episode-13-the-bat-jar-conjecture/

自分の才能を安っぽい競争に使えっての?と、ずいぶんと高飛車な=ずいぶんとシェルドンらしいセリフで断った後で上げた名前がすごい。

ピカソをお絵描きゲームに誘う?ノア・ウェブスターをボグルに誘う?ジャック・クストーを「Go Fish(おさかなゲーム)」に誘う?っていうのは、確かに爆笑もの。

ピカソは説明不要ですね。ノア・ウェブスターはウェブスター辞書で知られていますが、アメリカ建国時の教育者で辞書編集者として、イギリス英語とアメリカ英語で綴りが違う単語ができたのは彼が整理したアメリカ英語の正書法によります。

こちらのウィキペディアにも「Color」や「Music」、「Center」の綴りのことが記載されていますね。

そんなノア・ウェブスターをボグルという単語遊びに誘うか?というのは、確かにピカソをお絵描きに誘うかと同じレベルで違和感がありますね。ボグルは過去にも取り上げたので、ご覧ください。

そして、ジャック・クストー。アクアラングを発明した海洋学者です。

そして、シェルドンが言っている「Go Fish」はいくつかタイプがあるようですが要はこんな感じの子供用のカードゲームのようです。

はい。たしかにジャック・クストーをこのお遊びには誘いませんね。

4人でなきゃ参加できないのなら…

シェルドンの知識をあてにしていたほかのメンバーは、シェルドンに抜けられると困るので、「4人じゃないと参加できない」と言って説得しようとしますが、シェルドンの答えが傑作。

By that reasoning we should also play bridge, hold up a chuppah and enter the Olympic bobsled competition.
(字幕)四人組ならボブスレーでオリンピックに出るかい?

字幕ではボブスレーでオリンピックしか書いていませんが、元のセリフは、「その理屈で言うなら、カードゲームのブリッジもプレイしないといけないし、勇気を出してオリンピックのボブスレーにもでなきゃいけない」となってます。

ブリッジも4人でやるゲームのようですね。

問題は次のセリフ。「hold up a chuppah and enter the Olympic bobsled competition.」

「Hold up a chuppah」で検索すると、こんな感じの結果が表示されます。天蓋とか、ユダヤ人の結婚式はこの天蓋の下で行うとか。

たしかに四人いるから、四隅を支えることができるので「天蓋を持つ」などという直訳的理解もできますが、その後にオリンピックのボブスレー?

いや、なにか変ですよね。

あちこち見ていると、日本語のウィキペディアでこんな記載があったのです。

フッパーの項目に、「なおフツパー(Chutzpah)とはヘブライ語由来の語で、別の意味である。」ということで、ヘブライ語由来の別の「フツパー(Chutzpah)」というのがこちら。

なんとこんなことが書いてあります。

ヘブライ語では否定的な意味で使われる言葉だった。アメリカのユダヤ人社会から、アメリカでの小説、映画、テレビなどで「普通はできないことを敢然と行う勇気に感嘆する」という肯定的な意味に使われるようになり、アメリカでの表現として定着した。

これなら、オリンピックのボブスレー競技に参加するとはつながる。シェルドンの発言を聞きなおしても、「フツパー」と言っていますね。

相手の発言をきちんと、正しく理解するのは大変です。

シェルドン、スポックの発言に屈する

自分の才能をピカソやノア・ウェブスター、ジャック・クストーに並べて、お遊びには付き合わないと突き放したシェルドンですが、レナードの「スポックの臨終に際しての言葉」を持ち出されて屈します。

The needs of the many outweigh the needs of the few or the one.
多数の要求は、少数または一人の要求に勝る。

これは1982年のカーンの逆襲でのシーンですね。

スタートレックはあまり詳しくないのですが、調べてみるとあちこちで使われているようなので、ファンにはおなじみのセリフなのでしょう。

こんなに書いてきても、まだオープニング・クレジット前なのですから、なんと濃すぎな冒頭シーンでしょう!

チームの名前

めでたく4人で参加することになりましたが、チームの名前を付けるところで、再びもめます。

ハワードは、PMS=Perpetual Motion Squad(永久機関分隊)。そのココロは、「一晩中寝かさない」で女性に受けるからとのことですが、ほんまかいな?ちなみにPMSで調べると、いろんな略語が出てきますが、女性に向ってこの略語を放ったら、「Pre-Menstrual Syndrome(月経前症候群)」と誤解されて距離を置かれると思いますけども。

後述しますが、女性がメンバーに入った時、この名前を見て「Pre-Menstrual Syndrome」と理解していました。

ビッグバンセオリーはなぜかこの単語が好きなようで、他のエピソードでも見たような気がします。シェルドンがペニーに言ってしまって、ドアをバタン!と閉じられていたような感じがする。

一方でシェルドンは、狂暴な生物の名前を付けるのが慣習だと言い出し、それを聞いたラージは「ベンガルタイガー」を提案するが、シェルドンはここでも独自の論理で、体重の単位当たりの強さでは軍隊蟻(Army Ant)だということで、AA=Army Antsにしようと言い、その名前は譲らないというので、結局全員が賛成させられてこの名前を付けることに。

PMSがPerpetual Motion Squadだけでなくてほかの意味があったように、AAもArmy Antsではなくてほかの略称もたくさんあります。

個人的には単三電池ですかね。アメリカでは電池のサイズは単一電池はD、単二電池はC、単三電池はAAと呼ばれているようですし。

他にもビッグバンセオリーのファンダムでも取り上げられていて、アメリカン・エアラインってのもあって笑ってしまいました。

この軍隊アリ、確かに最強とはきくもののどれくらいなのかなと思って調べてみたら、なんと直接噛まれてみた人がいるらしい。

もう、お疲れ様ですとしか言いようがないです。私は遠慮しておくことします。

シェルドンと使い捨て女性用洗浄プロダクト

シェルドンが参加することになり、チーム名もArmy Antsに決まり、土曜日にペニーに問題の読み上げ係を依頼して練習を始める4人。

しかし、どの問題も、そして誰が回答ボタンをおそうともシェルドンが勝手に回答してしまう上、ここでもハワードに「博士号もないくせに」と上から目線。

皆が怒るのをみて、ペニーは「問題読み上げるだけでいいからって聞いてたんだけど」とこちらも切れ気味。

それでいったん休止にしたのですが、「ゲームのやりすぎで手が痛いから」といって手当をしに自室にシェルドンが消えた後で、ラージはシェルドンのことを使い捨ての女性用清浄プロダクトに喩えていて、観客も大爆笑しているのですが、ここはさすがによくわかりませんでした。

Howard: He compared Sheldon to a disposable feminine cleansing product one might use on a summer’s eve.

世の中、広いですね。

シェルドンをチームから外すための贈り物:バットマンのクッキー入れ

さて、チームの3人がこの状況でどうするか相談した結果、入れ替わりの候補も見つかっていないうちにシェルドンをチームから外すことに決めます。

そしてそれを抵抗なく伝えるために、ということで買ってきたのがバットマンのクッキー入れ。英語のタイトル回収!

さすがにアメリカのAmazonでも同じ商品はなくなっています。これ調べたのですが、今でもすごい値段がついているのがありまして、eBayでは1500ドルもの価格が付いています。

こちらでは、25ドルスタートのオークションで307ドルで取引されたようですが。

こちらには「Dark Knight」とのタイトルがついていますが、本エピソードの放映時期(2008年4月21日)だと、ダークナイトのティーザーなんかが流れていた時期でしょうか。ダークナイトの公開は2008年7月18日でした。

ダークナイト。今はAmazonプライムにラインナップされています。

シェルドンの「挑戦、受けた」のセリフ:It's on, bitch!

レナードは、3人で会議改め井戸端会議(coffee klatch)でシェルドンとは組まないと決めたことを伝えられ、お互い別のチームとして参加することに決めました。

バットマンのクッキー入れだけはしっかり持っていくシェルドン。去り際に曰く。

Sheldon: It’s on, bitch.

この「It's on.」は「いざ、勝負だ!」の意味で使われるのですが、最後の「bitch」がちょっと分かりません。

なんでレナードがBitch?

ちなみに、「The Hills」というアメリカのドラマのシーズン5第11話のエピソードタイトルが、「It's On Bitch」だったらしいですが、こちらは2009年9月29日と、1年以上も後ですので、無関係っぽい。

日本のAmazonではなんとシーズン4までしか見られないようです。しかも、プライムとは別にMTVの月額料金を支払う必要があるようです。シーズン1の第1話だけは無料でみられるようです。

決別した後の4人とラージの笑い

シェルドンとそれ以外の3人は、大学の食堂でも別々に座るようになりました。レナードに様子を聞いても、何も言わずに笑ってバットマンのクッキー入れからクッキーを食べているだけ。(原文ではマカロンを食べるとなっていますが。)

それを心理戦だと言って、「君は賢いが、我々も賢く、キミに勝てる十分な理由があるぞ、っていう感じの笑いを見せよう」というのですが、その笑い方が怪しいだけ。かつ、ハワードにこんなセリフを言われてしまいます。

Raj: Hee hee hee hee hee hee hee!
Howard: That sounds more like, we are a tall thin woman who wants to make a coat out of your Dalmatians.
(字幕)ダルメシアンの毛皮でコートを作りたがる女みたいだ

誰が聞いてもこれを思い浮かべますよね。

エマ・ストーンがクルエラを演じる前日譚が上映されるようですが、映画館が開くなら見に行きたいと思っています。

笑い方は、ラージのやるような感じではなかったですが(笑

シェルドンに、この笑いをぶつけるラージでしたが軽くいなされて、シェルドンに対抗しうる強力な四人目のメンバーが必要となります。

ラージの出してきた第一候補は、「ブロッサムというテレビドラマに出てきた主演女優は賢いよ。神経科学の博士らしい」と言っていますが、この主人公こそほかならぬマイム・ビアリク。のちに女シェルドンとして登場するエイミー・フェラ・ファウラー博士のこと。

レナードから「ブロッサム」の女優をチームに呼べない」とたしなめられましたが、番組は別名でシェルドンの彼女として登場させるというのは、何と呼んだらよいのでしょうね?力業?剛腕?

レナードからたしなめられたラージが次に挙げたのは、これまたテレビドラマの主人公で、「素晴らしき日々」の女優は?との提案。レナードはもう返事すらせずに、ただ眺めるだけでした。

ところで、この「素晴らしき日々」の女優ですがケヴィンの恋人役であるウィニー・クーパー役を務めたダニカ・マッケラーのことですね。

ダニカ・マッケラーは1975年生まれでレナードと同い年。2008年は32歳でしょうか。ウィキペディアにこんな記載があります。

放送終了後はUCLAを首席で卒業。数学の学士号も取得したため、数学者としての顔も持っている。その知識を活かして、数学関連の本も出版した。しかし女優としての活動は辞めておらず、今も尚多くのテレビドラマなどに出演している。

ブロッサムの主人公=マイム・ビアリクの博士号ほどではないですが、このレナードやハワード、ラージが招待したくなる候補者の一人なのは間違いないでしょう。

しかし、この二人のうちの誰かを「カメオ出演」させるわけにはいかず、そこで見つけたのが、レズリー・ウィンクル。レナードとの過去のいきさつがらみでひと悶着あったものの、シェルドンを倒すためということで一致団結。3人のメンバーに加わりました。
上述したPMSを永久機関ではなく、女性のものと理解誤解したのもレズリーでした。

物理学クイズ 最後の難問

物理学クイズのほとんどのシーンやそこでの問題については、うちのネタではないので割愛しますが、最後に100点獲得問題として出された図式と方程式は、並み居る天才をして全く訳が分からないと困惑させる代物。

こちらのサイトによれば上の図式はファインマン・ダイアグラムで、ソ連の元レニングラード工科大の物理学者の出した「-8πα」という答えは間違いとの批判もあるようです。

ファインマン・ダイアグラムならシェルドンやレナードには既知の知識のような気もしますので、この展開は違和感があります。

そして、ロシアへの扱い、さすがビッグバンセオリーと言っちゃっていいのかな、これ。こういう扱い、本当に聞いていてひやひやします。今更ひやひやしても、なんの意味もありませんが(笑

これを見たハワードが「宇宙船で見かけるような代物だ(字幕)」と言っていますが、オリジナルでは「ロズウェルに出てくる船で見つかるような代物だ」となってますね。

Howard: It looks like something they found on the ship at Roswell.

ロズウェル/星の恋人たちですよね。懐かしい。

最後まで過去のSFネタが次から次へと登場するエピソードですした。

結局、勝者は?

物理学クイズ大会は、シェルドンの依怙地なこだわりによりPMSの勝利になりました。優勝が宣言されるなりクイーンのあの名曲をBGMにハワードが舞台から駆け下りてTシャツを引き裂きました。

これ、なんの演出だったのでしょうかね?今回のは難解なネタが多いです。

帰宅後、ペニーがクイズ大会のホストに

物理学クイズ大会では途中で興味を失って眠りこけていたペニー。シェルドンとレナードがまだ争っているところに、本当に賢いのは誰か決めるクイズをするわ!と乗り込んで来て、次々と質問を投げかけます。

「マーシャ ジャン シンディ 何ていうドラマの三姉妹?」

二人とも答えられず。これは「ゆかいなブレイディ一家」だそうです。

この「ゆかいなブレイディ一家」は、つい先日、ディズニー+で公開されていたワンダビジョンのオープニングでオマージュとして使われていたとされていたドラマの一つですね。

ペニーの次の質問は「サミー・ヘイガーがデイヴィッド・リー・ロスと交代してリード・ボーカルになったのは?」

相変わらず二人は答えられませんが、ヴァン・ヘイレン。この辺は昔のハードロック・ヘビメタファンの方ならご存じではないでしょうか。

こちらはサミー・ヘイガーがボーカルを務めていた時期に開催されたライブCDです。

次の質問。「マドンナと結婚していたリッジモンドハイの俳優は?」

これも案の定、二人は答えられず。答えはショーン・ペン。

次の質問。「ピープル詩で最もセクシーな男に選ばれたのは?」

シェルドンが反応して、「ウィリアム・シャトナー」。いや、絶対違いますよね、それ?ウィリアム・シャトナーが対象になりそうだった時期にはピープル誌ではその特集をやっていませんでした。いうまでもなくウィリアム・シャトナーはカーク船長の俳優。

ピープル誌が「最もセクシーな男」を始めたのは1985年。この初回の時に、ウィリアム・シャトナーはすでに54歳でした。2008年では77歳。さすがにちょっと無理がありますかね。

レナードはさすがに違うと思ったらしく、ウィリアム・シャトナーは違うと思うよ、と。次の候補はパトリック・ステュワート。...いや、彼もさすがに無理が...。2008年には67歳です。XメンのプロフェッサーXなどいくつもの映画に出ていますが、新スター・トレックでジャン=リュック・ピカード役として人気を博しています。

今回はとことん、スタートレックネタのオンパレード。

ところで、2008年の3月に話題にしたはずのピープル誌の最もセクシーな男は2007年11月に発表された人だと思いますが、こちらを見ると、マット・デイモンですね。2007年にはオーシャンズ13、ボーン・アルティメイタム、コッポラの胡蝶の夢の3本の映画に出ており、この選出は納得です。

さて、まだまだ終わりません。

次の質問「Oops! I did it Againを歌った歌手は?」

二人は答えられないし、回答もありませんでしたが、ブリトニース・ピアーズの2000年の曲ですね。

これも二人は全く分からないので、ペニーは次の質問に行きます。

Penny: Alright, singer who sang “Oops I Did It Again.” (Sheldon starts involuntarily twitching again.) Okay, Tweetie Bird, taut he taw a what?
(字幕)トゥイーティーが“見た見た”と言うのは?
Sheldon (after they pass a smug look between each other): Romulan.
(字幕)ロミュラン人
Penny: Yes. He taut he taw a Romulan.
(字幕)そう トゥイーティーも異星人に会うの

これがまた難解。

トゥイーティーは分かる。割と有名なキャラクターですしね。こんなひよこのキャラ。

ペニーの変なセリフはこちらからきているわけですね。これは、「I thought I saw a Pussy Cat.」が正確な英文で、それをまだ発音がおぼつかない幼児が一生懸命「にゃんこちゃん みたとおもったの」と言ってるような感じなんでしょう。

ペニーの質問の答えは「Tweety Bird thought he saw a Pussy Cat.」⇒「Tweety Bird taut he taw a Puddy Tat.」

さすがにシェルドンとレナードもこれは知っているはずですが、なぜここにロミュラン人が?

スタトレファンにはおなじみかもしれませんが、ロミュラン人の宇宙船は「Birds of Prey」(猛禽類級)と呼ぶものがあったようです。

...これは分からんよね。

シェルドンとレナードは勝ち誇って手をすりすりしてますが、ペニーは呆れて問題カードを放り投げたところで劇終。

分かったのは、今回の脚本か監督、またはどちらもがスタトレの大ファンだということ。

そして、古き良きドラマを愛しているか関係者だったか。

最後に、バットマンのクッキー入れとスタトレネタの絡みについての憶測

エピソードタイトルは、上述しましたように、原題では「The Bat Jar Conjecture」(バットマン・クッキー入れの憶測)でしたが、お読みいただいてわかります様に、今回のエピソード全体としては、もう最初から最後まで徹底して、オチまでがスタトレネタです。

なのに、なぜ「The Bat Jar Conjecture」なのか?

もうここまでくるとこちらも憶測でしかないのですが、トゥイーティーが入っている鳥かごと、Bat Jarとをかけているのかな?と。

「Batman Jar」で検索すると、こんな風にドラマにも出てきたクッキー入れがたくさん出てきます。

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ちなみに青い色のは日本のAmazonでも販売しています。驚きの値段がついていますが。

一方、「Bat Jar」にするとこんな感じ。

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バットマンも右上にみえてますが、他は明らかに蝙蝠の標本みたいになってます。ちょっとえぐいですが、要するに生き物を入れておくものになっています。

で、さんざんスタートレックで引っ張ってきておいて、最後が「Birds of Prey」でロミュラン人の宇宙船に持ってきたところからすると、「The Batman Jar Conjecture」ではなく「The Bat Jar Conjecture」とした意味も「Bat Jar」と鳥かごをかけたタイトルなのかと。

もう憶測以外の何物でもありませんが、そこまで想定してこのタイトルだとすると、もう恐れ入りましたという感じですが。

ここまでわかってないと、アメリカ人といっしょには笑えないということで。日常会話とか、日常の話題ってのが、実は難しいと改めてかみしめたこのエピソードでした。

今日も長いネタ記事、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本エピソードで他に見落としているネタがありましたら、コメントいただけると嬉しいです。

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