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Kindle/Audibleの国ごとの切り替え

AmazonのKindleやAudibleを日米に限らず、ほかの国でも利用することについて、今まで3つの記事を投稿してきました。今回はそれに基づいて一つのKindle端末を複数の国に切り替えて使う方法を説明しています。

ちなみに今まで投稿してきた3つの記事とは以下の通りです。

上記の3つの記事の後で、さらにいくつかの投稿を行い、割とまとまったボリュームになってきました。

以下に目次ページを作成したので、こちらもご覧ください。

Kindle端末のアカウントを切り替える前に

本記事は、一つのKindle端末で、異なる国のAmazonのアカウントを切り替えて使うための方法を説明しています。

スマホやタブレットのアプリでも同じなのですが、Kindle端末の登録を解除すると、それまでの読書履歴やKindle端末に別途に設定した辞書などもすべて削除されてしまいます。

私もKindleには英辞郎の辞書(ちょっと古いけど)を設定して使っているのですが、このような場合はKindle端末とスマホ・タブレットのアプリで個別に国ごとのAmazonアカウントを設定する方が良いと思います。

これもまりこのスペイン語さんがすでに実施しておられる方法と同じですね。またこちらの方も同様の結論を述べておられます。

曰く

複数の端末でKndleアプリを利用しているならば、例えばAndroidタブレットは日本のコンテンツ用、iPadは洋書用、というように使い分けるといいかもしれない。

このような心配はあまりなく、一つの端末またはアプリなどを切り替えて使うことに何の問題もないという方は、以下をご参照ください。

今のKindle端末を別な国のアカウントに切り替える

「海外居住者のKindle/Audibleの利用」でも説明したように、Kindleは端末ではなく、それぞれの国のAmazonのアカウントに紐づいています。

このため、今のKindleの本から別の国のアカウントに切り替えて、その国のKindle書籍を購入・ダウンロードして読みたい場合は次のような手順で行います。

1)現在のアカウントの登録解除を行う。
  設定→すべての設定→登録解除
2)別な国のAmazonアカウントのメールアドレス・パスワードでログイン

これで、別な国のAmazonアカウントに紐づいた状況となりますので、その国のAmazonアカウントで必要なKindle本を購入すればダウンロードして読める様になります。

Audibleの場合は、手順としては次の様になります。

1)Audibleのアプリ(スマホなら右上の歯車マークをタップ)し、
  一番下にあるサインアウトをクリック。  
2)サインインしたい国を選択して、その国のAmazonアカウントの
  メールアドレス・パスワードでログイン

ちなみにAudibleのアプリの場合は、ここに説明したようにログインする場合のアカウントの国を選ぶようになっています。このため、同じメールアドレスであっても国を指定できるので混乱がありません。
上の写真はiPhone用のAudibleアプリですが、下の方に国旗で国が示されているところをタップします。

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上の写真はiPhone用のAudibleアプリですが、下の方に国旗で国が示されているところをタップします。そうしますと、下図のようにログインする国の一覧が表示されますので、必要なアカウントの国をタップしてからサインインすると、自動的にその国のアカウントのAudibleが利用できるようになります。

画像3

一方、Kindleでは国を選択できません。ここは不便なので変更してもらいたいところ。これについて対応するためには、国ごとにメールアドレスを変更するなどの対応が必要なのですが、各国のAmazonアカウントを同一のメールアドレスでよいかどうかは後述します。

上記の手続きで他国のKindle書籍やオーディオブックは購入可能。

タイトルの通りなのですが、上記のように各国のAmazonアカウントのメールアドレスを利用してアクセスすれば、居住地にかかわらず、Kindle書籍は購入できます。わざわざこのタイトルで章分けを行ったのは次にAudibleの説明を置いたからです。

前回「Kindle、AudibleとAmazonのアカウント設定」で事例として取り上げた「Star Wars: Age of the Republicシリーズ」で言えば、日本のAmazonアカウント(日米連結済みを含む)では購入できなかった『Ahsoka』、『Star Wars Queen's Shadow』や『Star Wars Queen's Peril』は購入できるようになります。

この記事のトップ画像は、『Master & Apprentice』と『Star Wars Queen's Shadow』を実際にアメリカのみのAmazonアカウントで購入し、日本で買ったKindle(言語は日本語設定)にダウンロードして撮影したものです。

AudibleはIPアドレスで判別している模様

上述の通り、Kindle書籍は、その国のアカウントを取得すれば購入できるようになります。

ですが、Audibleだけは日本で買えないオーディオブックは、Amazon.comでもAudible.comでも、アメリカのみのアカウントからアクセスしても購入できませんでした。VPNを使えばIPアドレスではじかれなくなるので、Audibleも購入できると思うのですが、VPNそのものが(すでに日常的に使っておられる方以外には)リスクもあるので、安易にお勧めしかねます。

VPNサービス業者も無料のものはセキュリティーリスクがありますし、安全性をうたっている日本の業者でもそれなりにコストがかかります。また、契約期間と販売単価も、ホームページの宣伝だけではわかりにくいところもあります。

VPN等を利用してAudibleの購入まで行うのは自己責任でお願いいたします。

日本のAmazonとアメリカのAmazon(ただしアクセスは日本から)の場合の取扱い状況を比較してみました。

Star Wars: Age of the Republicシリーズ
※今は『Star Wars (Young Adult Standalones)』シリーズとなって、内容も6冊から11冊に増えているようです。

日本のAmazonでの取扱い状況
書籍タイトル       書籍  Kindle  Audible
Dark Disciple: Star Wars   〇    〇    〇
Master & Apprentice     〇   〇     〇
Dooku: Jedi Lost (Star Wars)  〇   〇     〇
Ahsoka: Star Wars       〇    ×     〇
Star Wars Queen's Shadow   〇    ×     ×
Star Wars Queen's Peril    〇    ×     ×

日本からアクセスしたアメリカのAmazonアカウントでの取扱い状況
書籍タイトル       書籍  Kindle  Audible
Dark Disciple: Star Wars   〇    〇    〇
Master & Apprentice     〇   〇     〇
Dooku: Jedi Lost (Star Wars)  〇   〇     〇
Ahsoka: Star Wars     〇   〇     〇
Star Wars Queen's Shadow 〇      〇     ×
Star Wars Queen's Peril    〇      〇     ×

各国のアカウントのメールアドレスは同一でよいか?

1)使うアカウントが2か国で、一つが日本、もう一つがそれ以外なら、
パスワードが違えばメールアドレスは同一でOK

日米のAmazonのアカウントが連結されておらず、使うのが日米、日仏、日西、日独のように二か国程度しかないのであれば、同一でも良いのではないでしょうか。パスワードが異なれば、正しいパスワードの方でログインされると思われます。こんな記事もありました。

日米のアカウントが連結されてしまっている場合は若干面倒で、日本の居住国制限がアメリカのアカウントに影響します。(後述します。)

2)3カ国以上のAmazonアカウントを使う場合は、アメリカとそれ以外は分けた方が良いと思われます。

このケースに該当する人は、ほとんどいないと思いますし、仮にそんな人がいるなら、この記事をご覧になる前に既にいろいろと試行錯誤されていらっしゃると思います。今後のために一応場合分けをしておくことにしました。

日米仏とか、日米西のように、3カ国以上のAmazonのアカウントを横断的にどれもよく使うような方の場合も、アメリカと他の国のアカウントのID(メールアドレス)は分けた方が良いと思われます。

アメリカのアカウントとほかの国のアカウントが最初から紐づいていると思われるからです。このアカウントの連結がされていると日本の居住国制限がアメリカのAmazonで本を買うときの制約になるようなことが、他の国でも生じる可能性があります。

この記事を書くためにこんなテストをしてみました。

現状:私は日米のAmazonのアカウントを持っていますが、今までスペインのAmazonは利用していません。なお、日米のAmazonで利用しているメールアドレスは同じものですが、パスワードは日米それぞれ別にしています。

試行:今回、試しにスペインのAmazonで、アメリカと同じメールアドレスで登録しようとしたところ、すでに利用済みとされてしまいました。

そこでアメリカのパスワードを入力するとあっさりとアメリカのAmazonと同じ登録情報のアカウントに入れてしまいました。日米のAmazonが連結されているため、住所は日本のものに設定されていました。

このように、今まで利用していなかったスペインのアカウントも米国のメールアドレスとパスワードで使えるので、米西のAmazonはすくなくとも自動連携されていると考えられます。このため、日米の連携で居住地制限がかかるのと同じ様に、アメリカとスペインのAmazonの書籍購入でも、居住地制限がかかる可能性があるかもしれません。法律や条約によって取り決めがあるのかもしれませんが、さすがにそちらの方は詳しくないですし、現状なかったとしても将来的に生じる可能性がゼロではないです。

そういうケースがあっては困るほど、大量に現地書籍を購入するのであれば、最初から別のメールアドレスでアカウントを作る方が良いと思います。何冊もKindle本を購入した後になって、1冊か2冊、居住国制限で買えない本があって、その1・2冊のために別のアカウントを作り直して、別のアプリや端末にダウンロードするのでは、Kindleの便利さを犠牲にしてしまうようなものなので。

日米については、後述する「日米のAmazonアカウントの連結」をしていなければ、同じメールアドレスでアカウントを作っても、完全に別ものとして扱われるので、問題ありません。

日米アカウントが連結されている場合の注意

「Kindle、AudibleとAmazonのアカウント設定」でも書きましたが、以前は日米のAmazonのアカウントが連結できて、どちらの国で買ってもKindleにダウンロードできました。

時期がいつからかは正確にはわからないのですが、2019年にはできなくなっていると書いておられる方が多数いらっしゃいましたので、それ以前に既に連結手続きを済ませておられない方は、両者の連結はできなくなっていると思われます。

このような方の場合、上述したようにたとえば日本のアカウントで紐づいているKindleの端末の接続解除を行い、言語設定をアメリカ英語に切り替え、アメリカのAmazonのIDとパスワードでログインしても、それらの日米のアカウントが連結されているので、日本のライブラリと同じものがダウンロードできるだけとなります。

つまり、居住地制限もそのまま紐づいた形のアカウントとなってしまっているため、せっかくアメリカのAmazonでログインしたにも関わらず、日本の居住者扱いとなって日本のAmazonでは買えない書籍はやはり買えません。

蛇足ですが…

ちなみに、私が持っているのはKindle Paper Whiteですが、言語設定にはなぜかAmazonが販売を行っていないロシア語がある一方、Amazonがビジネスを展開しているはずのアラブ首長国連邦の言語設定はなかったようです。

ちなみに、ロシア語設定にして日本のアカウントでログインしたら、そのまま表示言語がロシア語なだけでライブラリは日本のAmazonで買った本がすべてありました。ですが、辞書まで英露辞書がデフォルトになってしまっていて、ちょっと焦りました。あらためて登録解除を行ってから再度、日本語環境に直した後で辞書のダウンロードをし直しました。

画像のKindleライブラリに表示されていますように、アメリカのAmazonアカウントでも、英和・和英・国語辞典などがダウンロードして使えます。(と言いますか、設定されている辞書はどれでもダウンロードして使えます。)


本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
何か質問などございましたら、ご遠慮なくコメントにご意見・ご質問をくださいませ。



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