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錆戦日誌4・とあるライターの取材

「幽霊だあ? グレムリンに乗ってたら、霊障なんざ日常茶飯事よ。この前だって急にエンジンが不調に――なに、見たことがあるか? まさか。もし見つけたら撃ち落としてやるよ、おかげで何度死にかけたか」

「同じアセンブルの機体なんざごまんとあるし、エンブレムが似てるなんてこともしょっちゅうだ。それに救済の日まで休んでるだけの死者が、わけもなくその辺をうろついたりするかよ(※1)――翡翠の偉いさんが何か言ってたって? あれは信心も精進も足りねえ俺たちみてえなのが、右往左往するのを面白がってるだけだ」

「テイマーズ・ケイジと諸共に消失したグレムリンやら傭兵やら、そいつらが帰ってきたんじゃねえか(※2)? ありそうな事だろう、この海には外からいろいろと変なものが流れ着くんだからな――船に戻らねえ理由? それは本人に聞くしかねえよ」


「いいところに来てくれました! 一緒に取材してくれるヒトを探していたんですよ。霊障研ブログの管理人にはアポを取ってあるので早速――聞いてない? えっ、打ち合わせに来たんじゃないんですか」

「AIだってゴシップは大好物ですし、ゴーストには個人的に……個AI的に親近感を覚えるんです。物理実体を持たないところとか、ネットに拡散して偏在するところとか。それに今回のは新規性を感じるんですよね、シルエットどころかエンブレムまで見える画像、なかなかないですよ」

「はあ、それは面白い仮説ですね。死の眠りとテイマーズ・ケイジの消失とは、どちらが原因でどちらが結果なのか、それともどちらも関係ないのか、『私たち』でも把握できていないんですよ」

「ともあれ、当事者のお話を聞いてからにしましょう。例の画像の送信者が匿名希望とはいえ、通信ログを洗うことはできるはずです。どこで撮ったかは無理でも、誰が撮ったかまでわかれば――通信の秘密? あいにく電子クラーケンが食べちゃいまして」


(※1)よく言われることですけれど、例えば仏教や神道、十字教でも幽霊なるものの存在は認めていないのですよね。翡翠経典ではどうなのか知らないのでこれは捏造です。
(※2)話者と同様にPLの予想、つまり捏造です。GsG以前も触っていればわかるのかしら。

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