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ファンタジー小説

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実は、ファンタジーの入り口は身近なところに潜んでいるのでは…… という視点で描いています。 夢のようでもあり、現実のようでもあるファンタジー作品です。
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『繚乱コスモス』(9)☆ファンタジー小説

 眠れたのか、それとも起きたままだったのか。  不快なまどろみの中で朝が来た。  徳子は…

秋田しげと
6か月前

『繚乱コスモス』(8)☆ファンタジー小説

※※※ 「雨の音……」  瞼を開くと曇ったレンズを覗いたように、視界がおぼろげだった。た…

秋田しげと
7か月前
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『繚乱コスモス』(7)☆ファンタジー小説

 徳子は、一刻も早くこの家から出て行こうと、目眩を耐えながら立ち上がった。すると、窓の外…

秋田しげと
8か月前

『繚乱コスモス』(6)☆ファンタジー小説

「もう遅いけど、いいのかしら?」 「わたしは大丈夫よ。それに、帰りは車で送るから心配しな…

秋田しげと
8か月前
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『繚乱コスモス』(4)☆ファンタジー小説

※※※   「山代さん、昼間はごめんなさい。お茶こぼすというか、ぶちまけちゃって……」  …

秋田しげと
8か月前

『繚乱コスモス』(3)☆ファンタジー小説

※※※   (美奈子さんにこのお茶を飲ませるワケには……)  徳子は震える手で茶碗を持ち上…

秋田しげと
9か月前
4

『繚乱コスモス』(2)☆ファンタジー小説

※※※ 「おはよう」  美奈子が教室に入ると、その場は一瞬静まり返り、次いでクラスメイトたちの声は囁き声に変化する。 「おはようございます」  徳子は思わず、教師に挨拶するかのように丁寧に返してしまう。徳子のほかに挨拶を返す生徒はいない。  美奈子は静かに席に着いて一限目の数学の教科書を用意すると、もう一冊、文庫本を取り出した。そして、本の中ほどに挟んだしおりを開いて読み始める。  徳子の耳に、一人の友人が顔を近づけて言った。その声には侮蔑のトーンが含まれている。 「徳

『繚乱コスモス』(1)☆ファンタジー小説

 宮島(みやじま)徳子(のりこ)は、所属する課のお局OL、黒田の言葉に内心呆れていたが、さも…

秋田しげと
9か月前
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